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肩腱板断裂の診断

こんばんわ!かまだです(^o^)丿
今日は一日お休みで、昨日家に届いた「セラピストのためのChatGPT活用ガイド」を読んでいました💡
本→ネット→ChatGPTと徐々に、情報が手に入りやすい環境へと進化していってますよね!さらにプロンプトを詳細に記載すると、より的確に欲しい回答が得られるのも魅力的なポイントですね(^^)
どんどん活用していきたいです!

前回に引き続き、肩腱板断裂についてですが、特に今回は診断について、お話していきます💡

では行きまっしょう(^o^)丿


▶肩腱板断裂の診断


肩腱板断裂の診断における要点を、断裂サイズ、脂肪浸潤分類、整形外科的テスト、画像初見、クラスターテストについて解説します。また、関連するエビデンスと文献も加味して記載していきます
肩腱板断裂の病態や疫学についてはこちら⇩


・腱板断裂の分類


(1) 断裂サイズの分類

肩腱板断裂は、断裂の大きさや範囲で分類され、DeOrio&Cofield分類が広く使用されています。
• 小断裂 (Small):断裂幅が 1cm以下
• 中断裂 (Medium):断裂幅が 1〜3cm
• 大断裂 (Large): 断裂幅が 3〜5cm
• 広範囲断裂 (Massive): 断裂幅が 5cm以上、または2つ以上の腱が断裂


(2) 脂肪浸潤の分類

腱板断裂が長期間放置されると、筋肉の脂肪変性(脂肪浸潤)が進行します。脂肪変性はGoutallier分類で評価されます。
• Grade 0:脂肪浸潤なし
• Grade 1:少量の脂肪点が見られる
• Grade 2:筋肉と脂肪の比率が1:1
• Grade 3:筋肉の1/3が脂肪
• Grade 4:筋肉がほぼ完全に脂肪に置き換わっている


・整形外科的テスト


腱板断裂の診断には以下のテストが使用されます。それぞれ感度・特異度の異なるテストを組み合わせた「クラスターテスト」も推奨されます。

(1) 個別テスト

棘上筋断裂の評価
1. Empty Can Test
• 方法: 肩を90°外転、30°前方挙上させ、親指を下に向けた状態で抵抗をかける。
• 陽性所見:痛みまたは筋力低下。
• 感度: 62-89%
• 特異度: 67-81%

2. Drop Arm Test
• 方法: 肩を90°外転させ、ゆっくり下ろさせる。
• 陽性所見:腕が制御不能に落下する。
• 感度:7-41%
• 特異度: 89-98%


棘下筋
断裂の評価
1. External Rotation Lag Sign
• 方法: 肩を外旋位に保持させ、維持できるか確認。
• 陽性所見:外旋を保持できない。
• 感度: 46-56%
• 特異度: 88-98%

2. Hornblower’s Test
• 方法: 肩を90°外転、肘を90°屈曲させ、外旋を行わせる。
• 陽性所見: 外旋が困難または痛みがある。
• 感度:100%
• 特異度: 93%


肩甲下筋
断裂の評価
1. Lift-off Test
• 方法: 腰部に手を置き、手を後方へ持ち上げさせる。
• 陽性所見: 持ち上げられない、または痛み。
• 感度: 50-62%
• 特異度: 79-97%

2. Belly Press Test
• 方法:手を腹部に押し付け、肩を内旋させる。
• 陽性所見:押し付けられない、または肘が後方へ下がる。
• 感度:40-70%
• 特異度: 98%

・クラスターテスト


腱板断裂の診断精度を向上させるため、複数のテストを組み合わせたクラスターテストが推奨されます
腱板断裂クラスターテスト(Park et al., 2005)

以下の3つの陽性所見が揃う場合、腱板断裂の可能性が非常に高い
1. 年齢40歳以上
2. 外旋筋力低下(External Rotation Lag Signなど)
3. Drop Arm Test陽性
 • 感度:91%
 • 特異度:75%

・画像所見


(1) MRI
T2強調画像での特徴的所見として腱板の断裂部の高信号域、脂肪浸潤( Goutallier分類で評価)、 筋萎縮:(棘上筋・棘下筋の体積減少)
• 感度: 90-95%
• 特異度: 85-90%

(2) 超音波検査
• リアルタイムで評価可能な非侵襲的検査。
• 腱板の不連続性。
• 動的な断裂や滑動異常の評価。
• 感度: 87-100%
• 特異度: 86-94%

(3) X線
• 直接診断は困難だが、間接所見として上腕骨頭の上方偏位(腱板機能不全による)や肩関節の変形など

・診断プロセス


腱板断裂の診断は、臨床所見、整形外科的テスト、画像診断を総合的に評価して行います。
1. 患者背景:年齢、活動歴、症状(夜間痛、運動制限)を確認。
2. 整形外科的テスト:単独テストよりクラスターテストの実施が推奨。
3. 画像診断:MRIや超音波検査を用いて断裂の有無、脂肪浸潤、筋萎縮を評価。

▶本日の転用💡

今回は、診断ということで主にDr.が診察で行う”評価”に当たる内容です!画像所見、整形外科的テストが主になっていますので、もちろんPTも確認すべき内容ですね(^^)
ただ、PTは評価は出来ても診断は出来ないので、そこは念頭に置きながら働かないといけません。患者様に診断名を伝えることは出来ません。ましてや、その人についた診断名ではないことを伝えるなどしてしまうとDr.との信頼関係も崩れてしまいます!
あくまでも、治療プログラムの立案を目的とした評価として捉えたほうが良いと思います(^^)
評価に関しては、また後日記事にしますのでお楽しみにヽ(`▽´)/
理学療法を展開していく為に評価は必須ですからね!一緒に学んでいきましょう!!

では、また次回(^o^)丿



▶引用文献
1. DeOrio, J. K., & Cofield, R. H. (1984). Results of a second attempt at surgical repair of a failed initial rotator-cuff repair.

2. Goutallier, D., et al. (1994). Fatty muscle degeneration in cuff ruptures. Pre- and postoperative evaluation by CT scan.

3. Park, H. B., et al. (2005). The diagnostic accuracy of clinical tests for different types of rotator cuff tears.

4. Lenza, M., et al. (2013). Ultrasound for rotator cuff tear diagnosis: meta-analysis.



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