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38歳、ついに凍結胚の保存延長を見送る

こんにちは、らはです。

Threadsでもちらっと呟いたのですが、約3年間クリニックに保存していた凍結胚の保存延長をついに止めることにしました。

不妊治療を経て21年夏に出産し、今に至るまで2回凍結を延長してきました。
管理料は1年間あたり約40,000円。

産後すぐは冷静に判断できないからという理由で、2回目はまだ結論出せないからという理由で、これまで延長してきました。

そして先日、クリニックから3回目の延長を問う手紙が届きました。

今回は不妊治療のことも振り返りつつ、延長を見送った理由について綴ります。


【見送った理由①】3人の暮らしに満足しているから

凍結胚の保存延長を見送ったいちばんの理由は、息子一人で満足、と自然と思えるようになったからです。

子どもが2人、3人と増えたら、それはそれで幸せなことだと思いますが、今の3人の暮らしが「ちょうどいい」と思えるようになりました。

これは夫も同じ感覚のようです。

息子も少しずつお喋りが上手になってきました。大変なこともまだまだあるけど、愛おしいな〜と感じる瞬間もたくさんある。(最近だと事あるごとに「ママダイスキ」と言ってくれる…笑)

この生活が続くことこそ、私たちの幸せなんじゃないか、と感じるようになりました。

去年までは「やっぱり子どもはもう一人いたほうがいいのかな」「欲しいのか欲しくないのかよくわからんな」という感じでしたが、この1年で気持ちが少しずつ変わっていきました。

【見送った理由②】経済的な事情

住宅購入も、今回延長を見送ったきっかけです。

最近戸建てを買おうとしているのですが、購入にあたってファイナンシャルプランナーさんに生涯の収支表を作ってもらいました。

そこでわかったことは、夫婦ともに大きな収入ダウンがなければ、子ども1人ならそこそこの生活を送れるということ。

小中高は公立に通うとして、大学が仮に比較的お金のかかる私立理系だったとしても、まあやっていける。……たぶん。

しかし子どもがもう一人増えたら、おそらく生活はちょっと厳しくなる。

もちろん何かしら、やりくりする手段はあると思います。何より、いざ子どもが生まれたらやっていくしかないわけで。

しかし私たちは、子どもをもう1人生んで子どもたちが何らかのガマンを強いられる生活よりも、息子ひとりが不自由なく暮らせる生活を選びました。

習い事だって、進路だって、経済的なことを理由に諦めてほしくない。

この辺は家庭によって価値観が分かれるところだと思います。

【見送った理由③】もう二度と不妊治療をしたくない

あとはもう、単純に不妊治療をしたくないし、できる気がしません……。

子どもがいない状態での不妊治療もまあまあハードでしたが、いくら凍結胚があるとはいえ、子どもがいる且つ時短勤務で働いている今の状態での不妊治療もきっとハードでしょう。

3年前より体は老化しているし、移植してもうまくいくかわからない……。

そこまでしてもう一人欲しいと思えない、というのが正直なところです。

これが我が家にとってのベストな選択

去年はクリニックからの手紙を前に、夫婦でウンウン悩んでいましたが、今回はちゃちゃっとサインを書いておしまい。

せめて不妊治療の進歩に役立ってくれれば…という想いで、凍結胚の研究への活用には同意しました。

クリニックに保存されている凍結胚は、たしか合計7つ。

だんだん当時の苦しみを忘れつつありますが、不妊治療時代もなかなか大変でした。


不妊治療クリニック特有の、緊張した空気感の漂う待合室。

毎回万単位で飛んでいく治療費。

自己注射が嫌すぎて、毎回クリニックまで注射を打ちに通っていたこと。

会社のトイレで「私何やってんだろ」と思いながら膣錠を入れたこと。

移植待ちの女性がずらりと並んでいる廊下。

「妊娠初期症状」を何回も何回も検索したこと。

妊娠を告げられて、内診台に仰向けになったまま涙が溢れたこと。


時間とお金をかけたからといって、必ずしも結果がついてくるとは限らないのが、不妊治療のもっとも残酷で、しんどいところ。

私はたまたま、運良く妊娠することができた。

振り返るといい思い出、なんて言えませんが、生涯忘れられない記憶です。

いちばんグレードが高いとされていた凍結胚を移植して生まれたのが今の息子です。

これが我が家のベストな選択だと信じ、これからもひとりの息子を愛し続けようと思います。

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