韓国のピアノ教材は非常に優れている
生徒さんに韓国からやってきたお嬢さんがいます。
父は日本人母は韓国の人。
小1の時日本にやってきた。
教室に最初に来た時、ほとんど日本語は喋られず、お母さまともお話が出来ず、お父様が通訳で。
今、小学校3年生。
学校で日本語を学び、今や、もちろん日本語ぺらっぺら。
学校のお勉強も優秀。
ピアノも、大変に優秀なお嬢さん。
韓国在住の頃、教室に通っていて、
ウチに来た時はバイエルの終わりくらい。
韓国の教本を持っていた。そのバイエルが非常に使いやすく。
定石通りバイエルを終えた彼女は、次にやるべき、
ツェルニー100番、そして30番、ブルグミュラーそしてハノンも韓国で既に購入していたので、そのまま韓国の教材でレッスンを進めた。
これがまた本当に使いやすかった。
日本にも、
よくある全音の楽譜だけでなく、
「こどもの」ツェルニー
「こどもの」ブルグミュラー
「こどもの」ハノン
は、たくさん出版されている。
でも、それよりずっと韓国の教材のほうが使いやすいと感じた。
日本の「こどものブルグミュラー」などは、
ヘンに子供っぽいイラストなんかついてて・・・
それが妙にダサい。
例えば、
ブルグミュラーの中に子供達がよく弾く「狩猟」(狩り)という曲があるけど、ある本のイラストは、
「おもちゃのぬいぐるみのクマちゃんに」
「おもちゃの矢が刺さってる」
なんだそれー?
そもそもイマドキの子供達は「狩猟」ってなんのことが分からない。
しかし、曲は、
「狩りのスタートのラッパが鳴り響き」
「狩猟が始まって」
「中間部分には動物への哀しみも感じられるメロディがあり」
「そしてまた、ラッパと共に帰っていく」
・・・・というイメージの曲。
そのイメージを伝えたいのに、
ぬいぐるみのクマちゃんに矢が刺さったイラストでは・・・・・!
子供を舐めんなよーーーーーーと、私は言いたい。
子供達ってピアノ教本のイラスト、凄く見てるのですよ。
幼稚園くらいの生徒が使う教材に、
「おもちゃのへいたいさん」って曲がある。
98%の子供は、これを
「おもちゃのへんたいさん」と読む(笑)
子供にとって兵隊さんはリアリティがなく変態さんのほうが身近なのでしょうね。
そんな時、イラストがこれまたヘンテコリンなもんだから、
混乱するーーーー(だろうと思うのですわ)
話が逸れました。
韓国のお嬢さんは、どんどんレッスンが進み、
ブルグミュラーも終え、
ツェルニ―100番も終え、
今はソナチネと30番、そしてハノンというピアノの王道やってますが、
どの教材も使いやすい。
私が最も良いと感じるのは、
どの本も、見開きの部分が、こうなんです。
そして音符が大きいコト。
例えばハノンだったら
全音の楽譜だと、
1番→半ぺージ
しかし韓国のは
1番→見開きで全表示(日本の倍)
これが見やすい。
そして、指使いのヤバいところには、薄いカラー色で「ここよ!注意よ!」と書いてある。
ブルグもそうでした。
子供は、ここを間違うなーーーーと思うところには、
薄くマーカーが引いてあり、解説してある。
イラストは一切、なし。
ページを「はぐる」必要も、極力ないように工夫してある
(これが子供にはストレスなのですわ)
そのお嬢さん、先週、
「韓国のおばあちゃんが遊びに来る!」と嬉しそうに。
お土産何がいい?と聞かれ、
韓国のピアノ教本が欲しいと言ったそうで。
そして昨日、おばあちゃまから買ってきてもらった楽譜を嬉しそうに見せてくれました。
ひとつは、もうすぐ突入するツェルニー40番
中身は、やはり、見やすい。
日本の40番は・・・蟻んこのような音符だもんなーー
小3には辛い。
そしてもう一冊は、
「ディズニーの曲集」
30番ツェルニー程度と書いてる。
これまで一切イラストのない教本だったけど、
これはちゃんと本物がついてて、
それがまた良い良い
ざっと弾いてみたけど、
アレンジも良かったです。
一曲ずつ、
QRコードがついてて参考演奏に飛べる。
これも良いアイディア。
私が最近買った松田昌先生(恩師)の連弾曲集にはQRコードついてたけど
日本ではまだレアだと思う。
韓国の楽譜はとても安い。
このディズニーで1800円くらい。
日本でこのクオリティだったら倍以上。
ちなみに、今、練習してるソナチネ
それでこの価格(笑)
韓国のピアノ教本、
このままの感じで日本で発売したら、私は生徒全員これを使うけどな。
お国によって違う教本事情、
上達の鍵は、意外に、教本の使いやすさも関係してるかも?
と、思うのでありました。
勉強になります。