【ファンタジー小説】サンダーコレクター13
― ゴロゴロ
雷の音がし出した。
その音によりコレクターさんたちは高揚してきたようだ。よりキラーコメント加速度を上げてきた。
ぼんやり見ていたら、ペッパーさんが近づいてきた。
「今、るなさんは親チケット発動中なのよね?他人のハンティングに同行してのも初めてなんだよね?」
「コレクターさんの召喚の仕方も人それぞれなんですね。私たちの勝手と違いすぎて驚いてます。親はどうやって、決まるのですか?」
「アプリの登録されたときに、マッチングされるんだよ。政府が勝手にね。相性とか、好みはあると思うけれど。変更はできるけど、手続きが面倒なのよね。評価も下がるし。」
なんだか大変そうだな。
話している間も、ペッパーさんはレコードをセレクトして様々な曲を駆ける。レコードだからすこし掠れた(かすれた)音がして、木の下だから、木の枝や、葉っぱの音も一緒にもなる。
「音楽のプレイリストあるのですか?」
「無いよ。基本自分が好きなのとか、その時に合うの探してかけてる。そういうのが好きなんだよね。性分だよね。でも、バルたんもそういうのに合わせてうまく立ち回ってくれているから、有難いよ」
この関係性の良さが、ランクアップしている秘訣だろうな。
あ、そういえば、ルーキーイベントって何なんだろう。バルたんさんに言われていたことが浮かんだ。
「ルーキーイベントって何なのですか?」
「一定の期間内で、どれだけハンティングできたかか競うの。ランキングになって、上位3位だけとかになるけどね。ルーキーイベントに出ることで、同期の確認もできるよ。あとコレクターさんたちのメリットだと、水溜まりの色を変えれたりとかできるわけよ。ずっと同じ空間に留まるの飽きるじゃん?」
なるほど。
私が見てるキラーコメントと雷が合わさった空間と、コレクターさんたちの見てるキラーコメント内で見る雷は違うんだろうなと、ふと思った。
「あと、呼び捨てでいいよー!」
バルたんさんに叫ばれた。
「みんな登録名だし、通称だからね。気楽にやろうよ!」
そういう会話のやり取りをしてたら、空に雷が走り出した。
ドォーーーーーーーン!
雷がバルたんの作り出した、水溜まりを囲んだキラーコメント内に落ち込んだ。
私の時よりも大きさが違う。音も違った。
振動に耐えるべき、コレクターさんたちは耐えている。
キラーコメントは透けている部分があるので、その様子が透けて見えるのだ。
雷が生き物のようにキラーコメント内で反発を繰り返している。
まるで、龍みたい。
全てから力強さを感じる。
コレクターさんも足を動かし、水溜まりから大量にキラーコメントを足元から新たにつくりあげて、高さだけでなく厚さを作っていく。
何重の壁になっていく。
キラーコメントが回転しながらくるくると増えていくので、本当に竜巻みたいだ。
人のをハンティングを見るのも楽しいなと思った。