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人間万事塞翁が馬

今年もまた、みかん選果のアルバイトで海と段々畑の素晴らしく美しい景色のところへ来ている。

去年と同じ宿舎、同じ部屋、去年もいたルームメイトの方と再会。
不思議なことに、この10ヶ月の方が夢だったかのようにあっという間に感じられた。


宿舎に着いたのは午後8時くらいだっただろうか。
ルームメイトが握ってくれたおにぎりがあった。
田舎の、古い民家の薄暗いダイニングテーブルの真ん中に置かれたおにぎりたち。
おそらくレイキたっぷりのそのおにぎりを食べながら、なんだか「始まるな」と思った。

今回はインドで知り合った人と一緒に来たため、買い物だったり案内しながら去年行った場所を巡る。
行く先々で去年もいた同じアルバイトの人たちとばったり再会した。
リピーターで成り立っている職場だ。

そこでは久しぶり感を感じられるのだけど
皆の時は過ぎているのに、やはり私だけ進んでなかったように感じたりもする。


生活が濃いからだ。
と一人の子が笑って言った。

ここでの生活は、いろんな意味で、濃い。
普段の生活から離れているのに、こちらの方が現実味があるというか、なんだか不思議な気分にさせられる。

今年は全体的に思ったようにならなくて、というか、中々にひどい目にもあったので、それから意気消沈してしまって鈍く後退して動けなくなった時期が長かった。
後半はイキイキとする時間が少なかったからか、凪ではあったが0地点より少しマイナス側をずっと走ってしまっていた気がする。
だから、いろいろ迷ったけど今この土地を選択して来れてるのは、よかったのかもしれない。

今年一緒になったルームメイトの方がみてくれた西洋占星術によると、今年(歳)私は強めの破壊が起きる年らしい。
でもそれは再生するための破壊。
その時は中々にしんどいのだけど、それがあって、大きく再生する。

6年前、この地のみかん農家さんのバイトに誘ってくれた友人が、なんとなく、と「人間万事塞翁が馬」という言葉を送ってくれた。

まさに、この一年のことを言っているのかもしれないと思った。
そんなに深くを知らないのに、さすがだなと思うのと同時に、これからそんな気持ちになれたらいいな、と
このメッセージに感謝。

(この一年のことはまたそのうち、年末か年始にでも書こうと思う)


今年はみかんの色付きが遅く、まだあまり採れていないため選果の仕事は少なくゆったりまったり時間が過ぎている。
みんな疲れてもいないし今年はごはんも美味しいし、今のところ平和である。

しかしながら去年のような気持ちがまた出てきそうな予感の泡がぽこぽことしているのもわかるから、自分の心と行動に注意深く生活している。し、できる限りしていきたいと思っている。



と、ここまで書いたところで止めてしまっていたので、止めてしまっているうちにももちろん時は流れるわけで。

予感の泡は溶け込んで今ではもう染み渡ってしまった。
心は移ろい行く。
ものすごいスピードで。それを間近に体感している。
やはりここでの生活は、いろんな意味で、濃い。

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