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上場SaaS企業の状況
SaaS企業の株価が2021年後半から急落した。ただ、むしろ元々がバブルだっただけで、実際の業績は堅実に成長している(中小企業の生産性改善の必要性、働き方改革等も追い風)。ストック収益中心で、解約率が低ければ、成長ポテンシャルも高い。
重要な要素は以下。特にARRは重要。
SaaSの中でも会計分野は成長余地が大きい(市場も大きく解約率も低いため)。その中でもマネーフォワードとfreeeは二強だが、M&Aも効果的に活用しているのはマネフォのほう。
HR系は成長市場だが競争は激しい。その中でもカオナビは営業×マーケが強く、順調に成長。
POSレジ系のスマレジも成長。コロナに伴う飲食店の出退店が追い風。新規出店の際は、東芝テック等の大型レジではなく、初期投資少ないクラウドPOSのスマレジが活用されそう。
労務系SaaSは未上場も含め競争が激しく、勤怠管理や労務管理は各社でルールが違うため、汎用性を持たせることも難しいため、厳しい状況。
Sansanも、名刺管理の解約率が上昇(コロナの影響も)。Bill One等新しいサービスが成長を左右しそう。
ラクスについて
SaaS企業で国内時価総額一位のラクス代表のインタビュー記事。
ライバル企業が出現する中で、顧客数が多いため多くのニーズを拾え、エンジニア数も多いので開発スピードが速く、より顧客の魅力的な製品を作れるところが強み。
ターゲットは経費精算市場(2500億)のなかでも、5000人未満の企業(1300億の市場規模)。この中でシェア7割を狙う。
SaaSの重要指標として、CAC(顧客獲得コスト)とLTV(顧客生涯価値)がある。CACはLTVの3分の一以下に収めるのが基本。売上だけ見るのではなく、この指標を追い求める。
freeeやマネフォとの違いは、スイート型(統合型)かベスト・オブ・ブリード型(各サービスを組み合わせる)かの違い。ラクスは後者。会計も経費精算もすべて一社で、というスイート型の世界観ではなく、現在会計ソフトが入っている場合は、楽々清算を使ったほうがいい、という世界観。
この二者は顧客ニーズにあわせて共存していく。ラクスは楽々清算をほかの会計ソフトと一緒に使ってもらい、シェアと売上増加していく予定。
(今後の学習のために)
SaaSの適性指標(CACやLTV等)、スイート型とベストオブブリード型について、今後学んでいきます。