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良くも悪くも「2025年にAIデータセンター産業が活況の年を迎える」


 AIに関連するデータセンターの建設ブームとそのエネルギーや経済への影響についてを予測するブログがセコイアキャピタルから公開されました。
 出資者が誰か、どの様な産業が恩恵を受けることになるのか、セコイアが予想する将来について、掻い摘んで紹介します。

(元ネタです)


1. 主なポイント

① エネルギー変革の促進
 AIによって、新たな太陽光発電施設の建設、バッテリー技術の革新、原子力発電の復活など、エネルギー産業の長期的な変革が促進される
 
② AIインダストリーに新たなプレーヤーが登場
 ハイパースケーラーの一部は、急速に変化するデータセンター要件に対応するには機敏性に欠けるため、新たなAIプレーヤーが登場してこのギャップを埋める
 
③ データセンター建設が遅延
 今後6ヶ月以内に、液体冷却、クラスタサイズ、電源アクセスなどの課題によってデータセンター建設の遅延に関する報道が多くなる
 
④ 経済刺激と雇用創出
 新たなデータセンターの建設が経済を刺激し、鉄鋼、エネルギー、トラック輸送、建設などの実体経済分野で雇用を創出する
 
⑤ モデルの学習と推論のコスト低下
 新たなデータセンターが稼働するとAWS、Azure、GCPを利用するモデル学習および推論のコストが低下し、スタートアップが恩恵を受ける


2. 主なデータセンター・プロジェクト

① Amazon
 
2024年上半期にAWSのために500億ドルを投資し、216棟の新設ビルを含むデータセンター新設プロジェクトを発表。アマゾン全体では今後15年間で1,000億ドルから1,500億ドルの投資を約束している。主な投資先は、インディアナ州に110億ドル、ミシシッピ州に100億ドル、サウジアラビアに53億ドル、ペンシルベニア州に原子力発電を備えたデータセンター、テキサス州、そして日本での150億ドルである。ドイツ、台湾、シンガポールでも新規プロジェクトが検討中である。
 
② マイクロソフト
 
マイクロソフトは、現在5GWのエネルギー容量を持ち、2024年には新規データセンター建設を倍増させる予定である。最近の発表では、ウィスコンシン州に33億ドル、インディアナ州北西部に10億ドル、ジョージア州に10億ドル、フランスに43億ドル、ドイツに35億ドル、イギリスに32億ドル、スウェーデンに32億ドル、スペインに21億ドル、マレーシアに22億ドル、インドネシアに17億ドル、ケニアに10億ドル、メキシコに新しいデータセンターを建設する。さらに、スターゲイトのデータセンターが1000億ドル規模であるという報道もあるが、これは未確認である。
 
③ Google
 
Googleは、3つの主要クラウドプロバイダーの中で最も規模が小さいが、GCPはAI企業に適しているとされており、この強みが試されている状況にある。Googleはインディアナ州に20億ドル、ミズーリ州カンザスシティに10億ドル、フィンランドに11億ドル、アイオワ州シーダーラピッズに5億7600万ドルを投資して新しいデータセンターを建設している。また、いくつかの拠点で自身のTPUクラスターを拡張するというチャレンジを抱えている。
 
④ Meta
 
Metaはクラウド事業を行っていないが、Llamaやその他の社内AIイニシアティブを支えるためにデータセンターのキャパシティを拡張している。最近、オーダーした60万基のGPUのうち、35万基のH100 を確保したと発表した。また、Llama 3のトレーニング専用のGPU24,000基によるクラスタを2つ発表している。さらに、アイダホ州クナ、テキサス州テンプル、アイオワ州ダベンポート、ワイオミング州シャイアンの4ヶ所に新たなデータセンターを建設中である。


3. 一世代に数度しかない大規模な投資

 これらのAIデータセンター建設が生み出す産業規模は、各時代において一度か二度、あるかないかの大規模なものである。但し、以下のように多様なチャレンジが横たわることが予測されている。

  • 送電網接続プロジェクトの遅延によって電力不足が深刻となり、新たなデータセンターには太陽光発電や風力発電の追加が必要

  • バージニア州、ネバダ州、カリフォルニア州などの主要都市では電力供給制約が深刻なため、ワイオミング州、インディアナ州、アイオワ州、イリノイ州のような「二次的」市場での新たな開発が進行中

  • NVIDIAの次世代チップ向けの液冷システムのサプライチェーン不足、ディーゼル発電機の2年待ち状態が課題

  • モデルの大規模化に伴う複数データセンターをまたいだ分散クラスタ学習の必要性が叫ばれている

  • ハイパースケーラーは、厳しい運用条件を自ら課すことによって、データセンター構築の成果にばらつきが生まれ、勝者と敗者に分かれる。

  • 新たなプレーヤーがギャップを埋める機会を得ることになり、エクイニクス、デジタルリアルティ、サイラスワンといった既存プレイヤーは、この恩恵を受けるか、新規参入組にシェアを奪われることになる。

  • 2025年には多くのデータセンター建設の遅れが見られる一方で予想外の大きな成功も期待される。

  • ビットとアトムの両世界の中で、新たなスキルセットが定着し、運用の厳密性がさらに重要となる。

  • 既存の企業ではない、強力なリーダーシップと敏捷性を持った企業が成果をあげる可能性が高い。

  • 経済刺激効果をもたらし、エネルギー企業や部品メーカー、建設業が恩恵を受け、労働者の雇用も増加する。

  • これらの経済活動の資金は、ビッグ・テック企業のバランスシートから調達される。また金融企業やプライベート・エクイティ企業も先行資金を提供する。

  • 結果として多くのAIファクトリーが建設されることになるが、これらを満たす需要があるかは不明である。

  • AIモデルのトレーニングや推論のコストは下がり続け、新興企業が恩恵を受ける見込み。


以上です。


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だうじょん


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