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NVIDA株を全売りして悔やむ 億万長者のドラッケンミラー氏「自らを縛り付けているFRB自体がリスクだ」


 ビリオネアとして知られる元ヘッジファンドのスタンリー・ドラッケンミラー氏を迎えてのBloombergの独占インタビューの内容を紹介します。同氏は、FRBの金融政策に対してCOVID後の2021年から一貫して批判的な立場を取っており、現在の経済状況においても同様の懸念を抱いており、過去にFRBがインフレ抑制に失敗した経験を強調。大統領選挙の結果による政治的影響よりも、FRB自身の誤った判断の方がリスクが高いとして、再びその過ちを繰り返さないよう警告しています。
 加えて、投資家としては、自身のデュケイン・ファミリー・オフィスの売買オペレーションにおけるNVIDIA株の売却やAI銘柄に対する見解、また今後の債券市場の見通しや見解などを披露してくれています。

[サブテーマは以下の通り]

  • FRBの金融政策に対する批判

  • 金融緩和がインフレを再加速させるリスク

  • FRBの独立性とトランプ政権

  • 大統領選挙と経済への影響

  • 悔やまれるNVIDIA株の全売却

  • 投資戦略と市場見通し


※ スタンリー・ドラッケンミラー氏について
 スタンリー・ドラッケンミラー氏は、著名なビリオネア投資家であり、1981年に設立したデュケイン・キャピタルの創設者の元会長兼社長です。
 彼はジョージ・ソロスのクォンタム・ファンドでソロス氏の右腕として重要な役割を果たし、ブラック・ウェンズデー」として知られる1992年の英国ポンド危機で成功したことで広く知られています。ドラッケンミラー氏は、長年にわたる市場経験と経済分析に基づき、金融政策に対して鋭い批評を行うことで知られ、業界からは、優れた洞察力と大胆な投資戦略を持つ投資家として高く評価され、現在も市場に加えて経済政策にも強い影響力を持っているとされています。





1. インタビュー



[ソナリ・バサク](Bloomberg)
 
本日は、デューケイン・ファミリー・オフィス(Duquesne Family Office)の会長兼CEOであり、ビリオネア(資産10億ドル超)の投資家スタンリー・ドラッケンミラー氏を迎えた独占インタビューをお届けします。

 さて、2021年にウォール・ストリート・ジャーナルで、FRBが「火遊びをしている」とのオピニオン記事を書かれていました。数週間前には、私にお手紙をくださり、2021年と同じ過ちをFRBが犯さないことを願っているとおっしゃいました。その過ちというのは、フォワードガイダンスに縛られてしまうことでしたが、今回は何をそこまで懸念されているのですか
 

[スタンリー・ドラッケンミラー](デューケイン・ファミリー・オフィス)
 2021年当時、FRBは2020年のCOVIDの際に、大変積極的な対応を取りました。その一つがフォワードガイダンスで、市場を落ち着かせるために、ゼロ金利政策を予告するというものでした。正直なところ、それが3年間続くと考えていましたが、COVIDには私も含めて皆が騙されました。最初の頃、「我々はこのまま奈落の底に落ちるのか」と心配していましたが、ワクチンが確認された2020年秋頃には、そんなことはならないことが明らかになりました。失業率は確か14%くらいまで上がっていたと思いますが、急激に低下し、経済は回復に向かいました。
 我々が記事を書いたのは2021年春で、その時点で経済は急速に成長しており、どこを見ても好調だったためです。経済全体や企業、失業率など、どれを見ても明らかでした。しかしFRBは対応の調整を行っていませんでした。FRBは月に1,200億ドルの債券を購入していたと思います。時期によっては月950億ドルに減っていたかもしれませんが、金利はゼロのままでした。もし何のしがらみもなければ、当時の経済状況でそれほど多くの債券を買う必要はなかったでしょうが、その当時は、フォワードガイダンスに縛られていたのだと思います。我々が記事を書いた時点から、インフレが2%を超えて上昇してから、FRBが利上げするまで、実に13か月もかかりました。その間、FRBは2兆ドルもの債券を購入しています。
 2021年の状況と今を比較した理由についてですが、当時はインフレに関して自信を持ってFRBが間違っていると確信していました。マネーサプライは40%も増加し、経済は急成長していました。しかし今回はもっと複雑な状況にあり、非対称性が存在しています。当時はインフレ率が目標を超えてから13か月も経過し、8%まで上昇しても、さらに3か月間ゼロ金利のままで債券を大量に買い続けていました。そしてようやく動いた時は、25ベーシスポイントの引き上げで、その理由が「インフレの実態を見極める必要がある」というものでした。当時インフレ率は3%、4%、または5%にも達していました。
 さて現在、インフレは目標をかなり上回る水準にあります。指標によっても異なりますが、2.5%から3.25%くらいです。FRBは実質金利が高いから金融政策が引き締められているという理論的解釈を打ち出していますが、私は理論よりも市場の動向を重視します。過去の経験からも、市場は“教授”たちよりも良い予測をすることが多いです。
 今の状況を見れば、株式市場は過去最高で金(ゴールド)も過去最高、GDPもトレンドを上回っており、クレジットは引き締まって、銀行の収益や予測も良好です。制約を感じさせる要素はどこにもありません。暗号通貨も活況です。そんな中で、インフレの実態を見てから判断すると言っていたFRBが、今度は50ベーシスポイントも利下げしようとしています。それもまだ目標に達していないのにです。この判断はすべて、金融政策が引き締まっているという理論に基づいているのです。
 だからこそ私はこう言いたいのです。2021年にあの記事を書いたときほどの確信を今は持っていませんが、リスクとリターンを考えると、今のようにフォワードガイダンスでまたしても自らを縛るのは全く合理的ではないと考えています。私が「2021年を思い出す」と言ったのは、もし今回もデータがFRBのシナリオ通りに進まないようであれば、今度こそは、データに基づいて微調整を行って、2021年のように決してフォワードガイダンスに縛られないように、と願っているという意味です。


[ソナリ・バサク]
 では、50ベーシスポイントの利下げが絶対的な誤りだと思っているのでしょうか?また、1970年代のようなインフレ急騰のリスクがあるとお考えですか?

[スタンリー・ドラッケンミラー]
 まぁそのチャートがなくても、1970年代には、インフレが2021年と非常に近しいレベルから下がったことがありました。2021年は9%でピークを迎えたと思いますが、1970年代も8%くらいでした。インフレは3%まで下がり、'75年の不況でFRBは緩和に踏み切りました。しかし、その後インフレは再び上昇し、ボルカー氏が登場して抑え込んだ時には12%でピークに達していました。そのようなことが再度起こるとは予測していませんが、金融市場が急上昇する中で緩和策を取り、今後も財政政策が続くのであれば、そのリスクは確実に存在することとなり、それを無視するのは誤りだと思います。
なぜ50ベーシスポイントの利下げを急ぐ必要があるのか理解できません。市場は次回のFOMCで97%の確率で利下げがあると織り込んでいますが、それもすべてFRBが発したガイダンスによるものです。
 面白いのは、私の友人であり、好きな作家の一人であるジム・グラントが、「彼らはデータ依存ではなく、フォワードガイダンス依存だ」と言っていたことです。まさにその通りの状況です。彼が正しいかもしれませんし、そうであってほしいのですが、大きなリスクがあるということです。もしFRBが間違っていて、実際には金融政策が引き締められておらず、インフレが再燃し、財政拡大も続いている中で再度引き締めが必要となれば、それは市場にとっても、場合によってはFRBの独立性にとっても悪夢のような事態になりかねません。これほどの過ちを繰り返すことは、破滅的です。
 私はそれが起こると予測しているわけではありませんが、なぜ50ベーシスポイントの利下げを行ったのか、そしてなぜまたしてもフォワードガイダンスが必要なのか、ただ疑問に思っているだけです。

[ソナリ・バサク]
 触れていただいたFRBの独立性についてのご意見を伺いたいです。
ドナルド・トランプ氏が勝利するシナリオで、FRBの独立性が脅かされることを懸念されていますか?
 昨日、ブルームバーグの編集長ジョン・ミックルスウェイト氏とのインタビューで、トランプ氏はFRBの仕事は月に一度オフィスに来て「コイントスをしよう」と言うだけだと発言していました。一方で、あなたの長年の同僚であるスコット・ベッセント氏は、トランプ氏に非公式に助言し、影のFRB議長というアイデアを出しています。現在、FRBの独立性はどの程度損なわれていると思いますか?

[スタンリー・ドラッケンミラー]
 影のFRBという話は、ひどいアイデアで無責任だと思います。ただ、もしトランプ氏が大統領に選ばれたとしても、FRBという機関は揺るがないでしょう。それよりも大きな脅威は、FRB自身が大きな過ちを犯すことだと考えています。FRBはソフトランディングや微調整にこだわりすぎているように思いますが、私から見れば、それが彼らの本当の仕事ではありません。本当の仕事は、リーマンショックのような問題を避けることであり、私からすれば、住宅バブルを引き起こしたのは、当時FRBが過度に緩和的であったためです。
 COVIDの後も同様です。初期の対応はともかく、その後1年半から2年も債券を買い続け、マネーサプライが急増したことが問題だったのです。FRBは微調整をやめて、大局を見る必要があります。今の時点でフォワードガイダンスに縛られて、もしインフレが再び過熱すれば、それはソフトランディングではなくハードランディングにつながる可能性があるということです。
 

[ソナリ・バサク]
 今後についてですが、もちろん、FRBの政策以外にも大きな不確実性として控えているのが11月の大統領選挙です。ドラッケンミラーさんは、この選挙にどう対応しようとしているのか、最もあり得るシナリオは何だと考えておられますか?そして、それに向けてどのように準備されているのでしょうか?
 

[スタンリー・ドラッケンミラー]
 状況は日々変わっています。12日前にこの質問を受けていたら、「全くわからない、完全に五分五分だ」と答えていたと思います。今でも誰が勝つかは確信が持てませんが、経済や金融の引き締めについても市場の指標を信頼していると先ほど話しましたが、選挙においても市場の動きは参考になります。1980年のロナルド・レーガンの時、市場は評論家たちとは違って正確に予測をしていました。
 そして、正直なところ、この12日間で市場はトランプ氏の勝利を非常に強く確信しているように見えます。銀行株や暗号通貨、さらにはトランプ氏のソーシャルメディア企業であるDJT(Trump Media & Technology)社の株にもその兆しが表れており、規制緩和によって恩恵を受ける業界が他を上回るパフォーマンスを見せています。
 もし銃を突きつけられて選ばざるを得ない状況だとしたら、幸いそんなことはありませんが、今のところ、トランプ氏が選挙に勝つ可能性が高いと言わざるを得ません。ただし、世論調査がどれほど意味を持つのかも疑問です。誰もまともに回答しなくなっていますが、我々が注目しているのはこういった市場の動きです。
 今後起こり得るシナリオとしては、例えば「青(民主党)の完全勝利」「赤(共和党)の完全勝利」「トランプ氏が大統領で、民主党が議会を支配」「ハリス氏が大統領で、共和党が議会を支配」の4つが考えられます。まず、ハリス氏が勝利しても「青の完全勝利」は非常に可能性が低いと思います。州ごとの世論調査を見ると、共和党が上院を取る可能性が高いためです。
 もし「青の完全勝利」になった場合、税制やビジネスの信頼感、投資家の規制に対する期待が落ち込み、株式市場は3~6か月の間、厳しい状況に陥るかもしれず、このことが経済にも影響を与えると思います。株式保有は金融資産全体の25%に達しており、つい最近までの15%程度を超えて、過去最高の割合までになっています。
 ただ、この「青の完全勝利」シナリオは可能性が非常に低いため、このプレイブックはおそらく現実的には必要ないでしょう。
 

[ソナリ・バサク]
 では、「赤の完全勝利」についてはどうでしょうか?
 

[スタンリー・ドラッケンミラー]
 「赤の完全勝利」の方が、トランプ氏が大統領で民主党が議会を支配するシナリオよりも可能性が高いと思います。個人的に、トランプ氏に投票する人が、議会選で民主党に投票するとは考えにくいからです。もし「赤の完全勝利」となれば、ビジネスコミュニティには活気が生まれ、規制緩和が進み、企業の状況が少し改善するかもしれません。そのため、経済は3~6か月間強くなる可能性があります。
 しかし、私が懸念しているのは、そのような理由から経済が強くなるのと同時に、現在の債券利回りが適切な経済見通しを反映していないことです。結果、確定利付市場では悪い反応が出て、株式の上昇を押しつぶしてしまうかもしれません。我々デューケイン・ファミリー・オフィスでは、株式市場よりも債券市場を重視しており、リスクは依然として債券市場にあると見ています。問題の原因を突き止めたいのであれば、債券市場にこそ注目すべきです。
 また、「赤の完全勝利」では、FRBが過去の関係性や前述した理由から、ハリス政権下よりもタカ派的な姿勢を取る可能性が高くなると考えており、現在、それに対する対応を考えています。一方、ハリス政権で共和党が議会を掌握するシナリオは、現状からの大きな変化はないと見ています。
 

[ソナリ・バサク]
 では、個人的なご意見について伺いますが、最近のカンファレンスで、カマラ・ハリス氏にもドナルド・トランプ氏にも投票しないとおっしゃっていましたが、どちらの候補に対してより懸念をお持ちですか?
 

[スタンリー・ドラッケンミラー]
 どちらの候補により懸念しているかという質問ですが、ニューヨーク・タイムズのブレット・スティーブンスの「まだ誰に反対票を入れるかを決めていない」という言葉が気に入っています。どちらにも投票するつもりはないので、どちらが懸念かは重要ではありません。どちらに対しても決して支持するようなことはありません。
 興味深いのは、両者が実は産業政策などいくつかの点で一致していることです。両者とも政府が資本配分に大きく関与すべきだと考えているようで、これは正直なところ、私には理解できません。10年か15年前を振り返ると、私は素晴らしい作家であるトム・フリードマンの読者でした。彼は、中国のモデルが米国のモデルより優れている可能性をしばしば指摘しており、立派な空港や道路、特定の産業をターゲットにできる能力を称賛していました。
 しかし、私の長年の資本主義への疑念は確信に変わりました。ご存知のように、中国のモデルは失敗しています。それにもかかわらず、共和党も民主党も産業政策を採用し、フリーマーケットやレーガン時代の資本主義を投げ捨てているのです。この点では、両者の政策は等しく悪いものであると感じています。
 ただし、ハリスの政策は、反企業的で規制が強すぎる点において、はるかに悪いと感じています。正直なところ、私はジョージ・ワシントンやトーマス・ジェファーソン、そして私の生きている間では、ロナルド・レーガンといった、大統領にふさわしい品位や行動を持ったモデルの中で育っています。トランプ氏に投票する人を非難するつもりはありませんが、私にとっては一線を越えています。なので、おそらく投票の際には他の誰かの名前を書き込むことになるでしょう。

[ソナリ・バサク]
 ドナルド・トランプ氏が打ち出している政策についてですが、彼は昨日、ブルームバーグに「関税は辞書の中で最も美しい言葉だ」と発言していました。多くの経済学者が、この関税は消費者に懲罰的な影響を与えるとの見解を述べているにもかかわらず、トランプ氏はその考えを否定しています。この点についてどうお考えですか?
 

[スタンリー・ドラッケンミラー]
 私は関税が好きではありません。先ほども言いましたが、私は自由市場の資本主義者です。トランプ氏について言えることは、彼が少し大げさに話す人物だということです。彼が外国の敵対国や率直に言えば同盟国と交渉しているのかもしれませんが、それが世界の終わりだとは思いません。但し、私は関税には賛成できません。まったく好きではありません。ちなみに、バイデン政権もトランプ氏が導入した関税をそのまま維持しているので、バイデン政権の関税政策にも賛同しているわけではありません。
 

[ソナリ・バサク]
 税制についてはどうでしょうか?あなたは長年、米国の債務負担や財政状況に対して非常に厳しい批判をされてきましたが、どちらの候補も政府債務を増やすという分析があります。責任ある連邦予算委員会(CRFB)によれば、トランプ氏の方がハリス政権よりも債務を増やす可能性が高いと言っています。最終的に、議会はトランプ時代の減税を更に延長することを許すのか、それとも財政ギャップを本当に埋める別の方法はあるのでしょうか?
 

[スタンリー・ドラッケンミラー]
 私の立場からすれば、税金は少ないほど良いと思います。しかし、我々は妥協がまだ存在する世界に生きていると信じています。もし支出削減を合意できるのであれば、バランスを取るための増税には耐えられると思います。ただし一つ言っておきたいのは、税制を巡る財政無責任と支出による財政無責任を同列に語るメディアの論調が好きではないということです。
 おっしゃる通り、私は財政に厳格な立場を取ります。ソフトランディングや経済成長が1.2%か2%かという問題よりも、4年5年先の影響について、より多くの懸念を抱いています。これは大きな問題です。ただし、税金が減ると資本ストックが増加しますが、政府支出は資本ストックを縮小させ、それが政府支出に置き換わるのです。この2つの「罪」を比較すると、税制優遇の方がまだ軽いといえます。
 しかし、個人的に言えば、政府の立場であれば、支出削減なしに税制優遇を行うことはできません。そして2016年にトランプ氏は、財政を語る上で本来取り上げるべき給付金制度を議論から外したと私は思っています。そこにこそ財源があるのです。その点で、トランプ氏の財政責任に対する評価は「F評価」です
 

[ソナリ・バサク]
 さて、話題を変えたいと思います。マーケットとあなたが仕掛けた投資についてお伺いします。
 以前、NVIDIAについてお話しされており、長期で保有するつもりだとおっしゃっていましたが、しばらく保有した後に最近売却されているかと思います。今、」どれくらい残っているのでしょうか?また、なぜ売却されたのでしょうか?再び買い戻す可能性はありますか?
 

[スタンリー・ドラッケンミラー]
 私は、投資キャリアの中で、たくさんの間違いを犯してきましたが、その一つがNVIDIAを売ってしまったことです。おそらく株価800ドルから950ドルの間で売却しましたが、今は1,300ドルに達しています。
 

[ソナリ・バサク]
 今は全く保有していないのですか?
 

[スタンリー・ドラッケンミラー]
 今は全く保有していませんし、最後にあった400ドルの分も持っていません。このことは、大きな間違いでした。
 ところでAIについてですが、18か月前のカンファレンスでお会いした際には、NVIDIAを何年も保有するつもりでした。確かその時は300ドル台だったと思います。しかし、メディアのインタビューでも言いましたが、私はウォーレン・バフェットではないのです。
 私は、もっと長期に渡って保有するつもりでしたが、1年で株価が3倍となり、バリュエーションが割高だと判断したのです。
 我々はAIを長期的に信じており、特にAIの計算能力を支えるインフラへの投資を通じて、AIに関わるさまざまな方法でプレイしています。NVIDIAは素晴らしい会社だと思います。価格が下がれば再び投資するかもしれませんが、今は売却をしてしまったことを悔やんでいます。

[参考]WhaleWisdom


[ソナリ・バサク]
 もう一つお伺いしたいことがあります。あなたは、債券市場を通じて多くの意見を表明しているとおっしゃいました。最近、10年債が再び4.1%に達しましたが、さらに上がると思われていますか?来年末にはどこまで行くとお考えですか?この金利で大きくショートポジションを取りますか?
 

[スタンリー・ドラッケンミラー]
 「大きくショート」という意味が少し曖昧ですが、我々はFRBが50ベーシスポイントの利下げをした日に債券をショートしました。この利下げは誤りだと思ったからです。そのポジションは今も保有しています。短期的な予測というよりも、もしパウエル議長がここで間違っていて、来年インフレが再加速すれば、債券利回りは大幅に上昇し、数百ベーシスポイントも動く可能性があります。一方、もし彼が正しければ、25~30ベーシスポイントの損失にとどまるでしょう。
 私がいつも守る黄金ルールは、10年債は名目GDPに近い水準で取引されるべきだということです。現在の名目GDPは5.5%ですから、リスクとリターンを考えると、債券をショートする方が有利だと考えています。
 



2. オリジナル・コンテンツ

 オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご視聴になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。

Bloomberg Televisionより
(Original Published date : 2024/10/16 EST)

[出演]
  Duquesne Family Office
    スタンリー・ドラッケンミラー(Stanley Druckenmiller)
    Chair and CEO

  Bloomberg
    ソナリ・バサク(Sonali Basak)




<御礼>

 最後までお読み頂きまして誠に有難うございます。
役に立ちましたら、スキ、フォロー頂けると大変喜び、モチベーションにもつながりますので、是非よろしくお願いいたします。 


だうじょん



<免責事項>


 本執筆内容は、執筆者個人の備忘録を情報提供のみを目的として公開するものであり、いかなる金融商品や個別株への投資勧誘や投資手法を推奨するものではありません。また、本執筆によって提供される情報は、個々の読者の方々にとって適切であるとは限らず、またその真実性、完全性、正確性、いかなる特定の目的への適時性について保証されるものではありません。 投資を行う際は、株式への投資は大きなリスクを伴うものであることをご認識の上、読者の皆様ご自身の判断と責任で投資なされるようお願い申し上げます。



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