不透明感の解消が今後数週間の市場見通しを良くする(トム・リー)
2024年11月18日、Fundstrat Global Advisorsのトム・リー氏を迎えてのCNBCのインタビューを紹介します。
総じて、現在のトム・リー氏の相場見通しは良好の模様です。、同氏は、次期財務長官の指名が市場の不透明感を解消する「クリアリング・イベント」となり得ると指摘し、特に市場がトランプ関連政策の進展に期待を寄せているとし、また、FRBの利下げペースはいまだにハト派的であり、市場に好影響を与えるとの見解を示し、現在、市場調整によって主要指数がサポートレベルを維持していることを楽観材料として挙げています。尚、医療分野では、RFK Jr.による改革や効率化を見据えて、ワクチンの安全性への懸念などが不透明要素として挙げられており、要注意であるとしながらも、バイオテクノロジー分野には引き続きチャンスが残るとの見解を示しています。ご参考下さい。
1. インタビュー
[ジョー・カーネン](CNBC)
Fundstrat Global Advisorsの調査部門責任者であり、CNBCのコントリビューターであるトム・リーさんをお招きしています。
トムさん、先週の市場では感謝祭に向けてゆるやかな下落が見られましたが、これが長引くとはお考えではないようですね。いくつかの理由から、今後数週間については良い見通しをお持ちだと伺っています。
その中の一つが、今朝から話題にしている財務長官の指名に関する発表です。この発表が不透明感を解消するとの見方ですね。ポリマーケット(Polymarket)で指名候補の動向を追っているそうですが、以前は70%だったと伺っています。ただ、マスク氏がLetnick(ハワード・ラトニック:Howard Lutnick)についてツイートした後に彼の可能性が上がったとか。今はどうなっていますか?
[トム・リー](Fundstrat Global Advisors)
両者とも支持率が40%を下回ってしまいました。つまり、ケビン・ウォーシュ氏(Kevin Warsh)が順位を上げてきたのが一因ですね。
[ジョー・カーネン]
そして、マーク・ローワン氏(Marc Rowan)も順位を上げてきています。私たちは、次の財務長官が誰になるかを決めるためにポリマーケットを利用しています。
[トム・リー]
いろいろと動きがありましたよね?
[ジョー・カーネン]
今週中に発表があると思いますか?それによって不透明感が解消されるのでしょうか、それともそれが最重要事項ではないのでしょうか?
[トム・リー]
そうですね、不確実性が解消されることが重要だと思います。来週中に発表されるとは限りませんが、それがいわゆるクリアリング・イベント(clearing event)だと考えています。不透明感を取り除くものです。そして、いわゆるトランプ関連の取引はまだ有効だと考えています。
[ジョー・カーネン]
それから、FRBがすぐに利下げするとは限らないものの、ハト派的な観点では依然として良い状況にあるとおっしゃっていましたよね。
[トム・リー]
その通りです。先週、市場は少し驚いた様子でしたね。FRB議長のパウエル氏が12月にペースを落とす可能性があると発言したことで、多少動揺があったようです。ただし、2025年12月、つまり1年後を見てみると、想定されている利下げの回数には変化がありません。そのため、彼はハト派であることに変わりはなく、単にタイミングを少しずらしているだけだと思います。
[ジョー・カーネン]
FRBがすぐに利下げするとは限らないかもしれませんが、それでも、ハト派的な観点では良い状況にあるとおっしゃっていましたよね。
[トム・リー]
おそらくそうだと思います。市場はNvidiaの決算を前にすると非常に慎重になる傾向があります。ただ、決算が発表された後には、需要が強いことが確認され、市場もひと安心するのではないかと思います。
[ジョー・カーネン]
それから、少し楽観的になりすぎたかもしれませんが、サポートレベルまで調整しましたよね。その方が安心感がありますよね。
[トム・リー]
その通りです。主要な指数の多くは、私たちのテクニカルアナリストであるマーク・ニュートンがサポートと見なす水準まで下落しています。NASDAQはサポートライン上にあり、S&Pは直近の上昇幅の60%を押し戻しました。また、小型株はこれまでの高値を上回る水準を維持しています。これらはすべて強気のサポートレベルと言えるでしょう。
[ジョー・カーネン]
The Journalが「メルトアップの可能性がある」と書いていたとき、少し行き過ぎているのではないかと感じていました。そして、トランプ関連の取引はすでにしばらく続いていますが、今がまさに始まりの段階だとお考えなのでしょうか?市場が好感する要素が多いと思います。たとえば、緩和的な金融政策、規制緩和、減税など、トランプ氏の好む政策には多くの要素がありますよね。これは単なるラリー以上の展開かもしれませんね。
[トム・リー]
その通りですね。市場はおそらく軌道修正を図っているのかもしれません。現在、DOGE、つまり政府効率化局の影響で、国防費の増加に伴い、医療や産業分野で予算削減が行われる可能性があります。そのため、投資家が注目すべきポイントとしては、規制緩和の進展や経済の活性化、特に小型株や金融関連が挙げられるでしょう。
[ジョー・カーネン]
なるほど。
[ベッキー・クイック](CNBC)
ヘルスケアについてはいかがでしょうか?特にその点に言及されていましたよね。効率化を求めているのはDOGEだけではありませんし、RFK Jr.(Robert Francis Kennedy Jr.)による変化も進行中です。市場はその点をどのように評価しているのでしょうか?
[トム・リー]
そうですね。医療分野に関しては、見通しが厳しい時期になると思います。特に、政治の動きが少ない時期でも医療関連の広告費がどれほど支配的かという最近のコメントを考えると、その影響が感じられます。また、一部のワクチンの安全性に対する懸念や、RFK Jr.氏が保健福祉省(HHS)を率いることに対する不安もあります。そのため、不透明感は拭えません。ただ、バイオテクノロジー分野には引き続きチャンスがあるかもしれませんが、課題も多いでしょう。
2. オリジナル・コンテンツ
オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご視聴になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。
CNBC Televisionより
(Original Published date : 2024/11/18 EST)
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だうじょん
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