
米株式市場:大晦日のザラ場終了後の通年振り返りと年初の見通し(Part 1)
明けましておめでとうございます。
皆様にとって、輝かしい一年となりますようお祈り申し上げます。
本年も変わらぬご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、2024年12月31日の米国株式市場のクローズ時間を挟んで配信されていたYahoo Financeの番組「Market Domination」の内容を通しで紹介したいと思います。概ね1.5時間の長尺コンテンツのため2つのパートに分割しており、ここではPart 1を投稿したいと思います。ご参考下さい。
[Part 1:Chapter]
01. イントロダクション
02. 最終日:ザラ場の動き
03. マーケットの振り返りと今後の見通し
04. USスティールを巡る動き
05. トランプ vs. パウエル
06. FRB金融政策の見通し
07. 中国経済の見通し
08. ファイザーとSANGAMOの提携解消
09. コモディティ市場について
10. テック・セクター(AVGO、NVDA、ハイパースケーラー)
※ この投稿では上記Chapterをカバーしています。
下記は、Part 2でカバーする内容で、別途投稿を予定しています。
[Part 2:Chapter]
01. ファニー・メイとフレディ・マックの民営化議論
02. 大晦日マーケット・クローズ
03. 投資家の動き:年末の評価&年始の見通し
04. 2024年のマーケットの振り返り
05. 2025年 IPO市場の見通し
66. 医薬品価格の上昇背景
01. イントロダクション
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
こんにちは、マーケット・ドミネーションにようこそ。本日お届けするのは、ジュリー・ハーマンとジャレッド・ブリックです。今日はジョシュ・リフトンに代わり、ニューヨークの本社からライブでお送りします。投資のための究極のプレイブックをお届けし、余計な情報を排除して、正しいお金の動かし方をお伝えします。

[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
それでは、ウォール街の取引終了まであと1時間となった現在、最新ニュースを一気にお届けします。
長期的な勢いが続くかどうか注目していますが、私たちは今後の株式市場については平均的な年になると予測しています。20%以上のリターンは見込んでおらず、今月初めに発表した見通しでも現実的な楽観主義と名付け、2025年の基調をしっかりと示しています。


来年の利下げは1回から2回程度が基本的なシナリオだと思いますが、市場もFRBも非常にデータに依存した動きになるでしょう。FRBはこれまでずっとその方針を示しており、もしデータが予想とは異なる動きを見せた場合、例えばインフレが思うように下がらない場合には、2025年には利下げの一時停止や継続停止を考慮しなければならないかもしれません。


具体的に貿易、移民、財政政策、規制政策に関して新たな経済政策がどのようになるのか、まだ誰にもわかりません。この不確実性が活動にある程度の重しとなり、来年を通じて債券利回りを少し押し下げる要因になると予想しています。


02. 最終日:ザラ場の動き
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
取引終了まであと1時間ですが、ジャレッド、主要株価指数を見てみると、今朝のラリーの試みは失敗に終わったようですね。
[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
今はサンタクロースラリーについて考えています。今年で5日目ですが、新年にまだ2日間あるとはいえ、もしマイナスになると年間を通じてマイナスのリターンになることを予兆します。歴史的に見ても、今のように弱含んでいる状況には何か意味がありますし、続けて2日間1%以上の下落があった日は、更に参考になることがあると思います。
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
確かに。今回のように4日間連続の下落を見るのは、9月以降で初めてです。10年債の動きも気になりますが、ダウのセッション全体の動きに注目してみます。今見ていると、ダウやS&Pがそれぞれ約0.4%の下落、NASDAQも0.7%の下落と、朝のラリーが失敗に終わった形になっています。ただ、今日に関してはイコールウェイトの指数が上回っているのが興味深いです。





[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
今年は株式市場のパフォーマンスが注目されてきましたが、債券市場が追いつく必要性についても多く語られましたね。この動きが単なるテクニカル的な売りで、ポートフォリオのリバランスを目的としたものだと考える意見もあります。特にパッシブ投資が増えている状況ですからね。私は1月の最初の2日間だけでなく、1か月全体をしっかりと注視していこうと思っています。ここで重要な指標が得られるでしょうし、新しい大統領の就任も控えていますからね。
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
サンタクロースラリーや1月効果など、市場には長年観察されてきた現象がありますよね。最近、セクターごとの動きについても注目していますが、少しローテーションが起きている可能性も見られます。

[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
今日の市場ではエネルギーセクターがトップで大きくアウトパフォームしています。一方で、テクノロジーはやや遅れています。ただ、月間で見ると12月は全体的にかなり厳しい状況です。緑の範囲にあるのは消費者裁量セクターだけで、これには主にAmazonやテスラの影響が大きいです。一方、テクノロジーセクターは、ほぼプラスマイナスゼロに近い状態です。メガキャップ企業の動きはそれほど悪くありませんが、素材や景気循環型セクターは大きな打撃を受けています。エネルギー、不動産、公益事業、産業、ヘルスケア、金融、生活必需品といったセクターは軒並み5%以上下落しています。年初来のパフォーマンスを見ると、また違った景色が見えてきます。素材はマイナスですが、アルファベットやMetaを含む通信サービスが1位、次いで金融、消費者裁量、そしてテクノロジーが続きます。今年の初め数か月間はテクノロジーが大きくリードしていたので、反転が見られた形ですね。


[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
今年は特に選挙後の動きが注目されました。選挙後の大きな上昇を経て、最近はやや抑えられた動きに変わってきています。選挙関連の分析ボードも準備が整っているみたいですね。

[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
今年最後の日ですから、準備は万全です。
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
こちらが選挙以降の動きですね。
[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
はい。消費者裁量セクターが大きなアウトパフォーマーで10%の上昇です。続いて通信サービス、金融、そしてテクノロジーが続いています。ここにはマグニフィセントセブンやメガキャップ企業がリードしているテーマが見て取れます。それに加えて金融セクターの動きには、規制緩和の期待感が影響しているようです。一方で、注目すべきは米ドルです。2年半ぶりの高値をつけていて、その影響で素材セクターが10%下落しています。他の循環型セクターも同様ですね。
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
選挙後の動きについて一つ注意点を挙げると、たとえば通信サービスでは、選挙後の上昇の後、12月には下落が見られるという流れがあります。この現象については、後ほどゲストの方々とも議論する予定です。特に、あるゲストの方は、これが二段階で起きた現象であり、それぞれ異なる理由が背景にあると指摘しています。この後、詳しく聞いてみたいと思います。

[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
注目ですね。
03. マーケットの振り返りと今後の見通し
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
さて、まず最初のゲストをご紹介します。
[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
投資家たちは、年末のウォール街の弱さにもかかわらず、2024年を大幅な利益で締めくくる準備が整っているようですね。今日も、取引終了に向けて株価が失速している様子が見られます。しかし、次のゲストはこの弱さを買いのチャンスと見ています。

では、ここでお迎えするのは、コマース・ストリート・キャピタルのCEO兼社長であるドリー・ワイ氏です。ドリー、私たちの市場についての話を聞いていただいていましたね。それでは、2024年に起きたことを全体的な視点から30,000フィートの高さから俯瞰するような形で、この1年を振り返りつつ、来月についてどのように見ているのか教えていただけますか?
[ドリー・ワイリー](コマース・ストリート・キャピタル)
ジャレッド、ジュリー、こんにちは。お招きいただきありがとうございます。とても簡潔にまとめてくださっていて素晴らしいです。特にチャートやデータがすぐに見られる形で整理されているのがいいですね。あれを自宅にも欲しいくらいです。
さて、今回の状況ですが、先ほども少し触れられていましたが、いくつかの要因が絡んでいると思います。一つは利益確定の売りです。株式市場が2年連続で上昇していることもあり、セクターやポートフォリオのリバランスが進んでいます。また、金利がそれほど下がらないのではないかという懸念もありますよね。ゴールドマン・サックスは3回の利下げを予測していますが、他社はさらに多くの利下げを見込んでいる一方で、FRBは「我々のドットプロットは50ベーシスポイントに変更しました。100ではありません」と明言しています。
さらに、金利のカーブを見てみると、10年物国債利回りが100ベーシスポイントの利下げを見込んでいる状況で、60ベーシスポイント上昇しているんです。これを考えると、投資家たちは、「金利が想像しているほど下がらないかもしれないし、インフレ率が3.3%で粘着性を持っている」と見ているのではないでしょうか。もし市場が上昇するなら、それは企業の業績によるものです。そして株式市場はその力を持っています。Q4の業績はかなり良さそうですから、この調整局面は買いのチャンスを作っていると言えるのではないかと思います。

[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
昨日、ストラテジストと話した際、「今年のS&P500の約24%の上昇を受けて、この利益見通しはすでに株価に織り込まれているのではないか」という問いが出ていました。
[ドリー・ワイリー](コマース・ストリート・キャピタル)
確かにそうですね。市場は割高です。皆さんもご存じのように、よく引き合いに出される「非理性的な熱狂のスピーチ」(irrational exuberance speech)も、バブルが崩壊するまで4年かかりました。ただ、当時の市場とは大きく異なります。あの頃の多くの株は利益を出していませんでした。しかし今は違います。現在の株式市場は割高で、PERも高いですが、例えばNVIDIAを見ると、やはり注目せざるを得ません。この企業は、マグニフィセントセブンの中でも特に重要で、マグニフィセントセブンがS&P500を牽引し、それが市場全体を動かしています。ですから、NVIDIAに関する見解を持つ必要があります。
NVIDIAの株価がPER30~40倍程度で手に入るなら、そして、その成長見通しが依然として明るいとなれば、検討に値します。この企業は56%という高い純利益率と120%超の自己資本利益率を誇り、驚異的な成長を遂げています。また、マグニフィセントセブンの他の企業もこの企業に依存しています。この状況は2000年の市場とは全く違います。M&AやIPO市場が過熱してくるような状況を目にしない限り、良質な株が下がった時に買っておくことで十分に良いパフォーマンスを期待できると考えています。

[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
さて、NVIDIAについてはここまでにして、次は債券市場の中心である10年国債利回りについてお話ししましょう。10年利回りは、FRBが利下げを始めて以来上昇しており、また、ドルも複数年ぶりの高値を記録しています。これがリスク市場に圧力をかけている状況ですが、来年の金利やドルについてどのように見ていますか?
[ドリー・ワイリー](コマース・ストリート・キャピタル)
そうですね、それは非常に重要なポイントだと思います。誰も金利引き上げの可能性について話していませんが、状況がさらに加熱すれば、それは現実の可能性として十分に考えられると思います。10年国債利回りが上昇すれば、株式市場の上昇にブレーキをかけることになります。まさにその点が示唆されているのだと思いますが、特に成長株については短期的に上値が制限される状況になるでしょう。
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
よく我々は、FRBがデータ次第で動くと言っていますが、利上げにつながる要因は何だとお考えですか?また、年内に数回の利下げがあり、その後新たな利上げサイクルが始まる可能性についてもご意見をお聞かせください。
[ドリー・ワイリー](コマース・ストリート・キャピタル)
そうですね。もちろん断言は難しいですし、FRBは私が持っているデータとは異なるものを見ていると思います。ただ一つ確かなのは、FRBも私と同じようにデータを完全には信頼していないということです。つまり、彼らもある程度、手探りの状態で動いているということです。個人的には、少し立ち止まって情報をもっと収集してほしいと思っています。これまでFRBはやや性急に動いている印象があります。例えば、50ベーシスポイントの利下げは大きな一歩でしたし、最近の利下げも必要だったのか疑問に思っています。少し立ち止まり、データをさらに分析してから次の一手を打つ方が良いのではないでしょうか。ただ、それができない場合、このシナリオ、つまり利下げをした後に再び利上げに転じなければならない事態が現実のものになる可能性は十分にあります。もしインフレが再燃すれば、それが彼らにとっての最優先事項となり、「これはいけない、引き返さないと」となるでしょう。
[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
さて、NVIDIAや半導体の話はこの辺にして、市場の他の部分に目を向けたいと思います。エネルギー分野が今日の市場を牽引していますね。それに加えて銀行も。XLF、大型金融株ETFは今年のトップリターンを出したETFの一つです。他のセクターについて、どうお考えですか?
[ドリー・ワイリー](コマース・ストリート・キャピタル)
そうですね、私のアクセントからも分かるかもしれませんが、エネルギーについて少し詳しいのは、テキサス出身だからです。現状では供給面での課題がまだ残っていると思います。ただ、石油やガスの業界では、以前のような「掘って掘って、掘りまくれ」(drill baby drill)という状態はもう終わりです。今は「掘るけど、慎重に」という姿勢になっています。許可が出れば良い結果が期待できますが、企業は資本についても非常に慎重になっているため、計画的に進めるでしょう。そのため、今後は安定したエネルギー市場を期待でき、エネルギー自立も進むのではないかと思います。そして、6か月から1年後くらいには価格が上昇する可能性もあり、それはポジティブな動きと言えます。
例えば、安定した配当を提供してくれるエクソン(XOM)のような企業は、このタイミングで注目する価値があります。配当利回りが約4%程度のものです。また、さらに高い配当を求めるなら、エナジートランスファー(ET)のような企業も良いでしょう。あるいは、バフェット氏が投資しているオキシデンタル・ペトロリアム(OXY)を追随するのも賢明な選択かもしれません。
銀行についてですが、大手銀行よりも地域密着型のコミュニティバンクが今はより良い選択肢だと思います。トランプ政権時代に銀行や市場が恩恵を受けた規制緩和の影響は減少していますが、依然として緩和のメリットは残っています。規制が非常に厳しいため、銀行業だけでなく、特にM&Aにも大きな影響を与えています。その中で、成長し、しっかりした自己資本を持ち、良好な利幅や預金を維持し、さらに買収が可能なコミュニティバンクを、PER12倍以下で購入できるなら、魅力的な投資対象になると思います。今はそういった企業に注目するのに良い市場環境だと言えます。
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
投資家へのいくつかの提案をありがとうございます。そして、良いお年をお迎えください。
[ドリー・ワイリー](コマース・ストリート・キャピタル)
ありがとうございました。
04. USスティールを巡る動き
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
USスティールの株価が現在約12%急上昇しています。ワシントン・ポストによると、新日鉄がUSスティールに対して新たな提案を行う予定で、その提案には米国政府が同社の生産能力削減に対して拒否権を持つことが含まれているとのことです。この情報は、ホワイトハウスに送付された文書を元にした報道です。今回の新たな動きは、両社間の交渉というよりも、新日鉄のバイデン政権であろうが、トランプ政権であろうが、ホワイトハウスに対し持っている懸念に基づいているようです。
トランプ氏はこの件に関して意見を行ったり引っ込めたりしており、バイデン氏はこの買収には反対の姿勢を示しています。また、鉄鋼労働組合も反対の立場をとっていることから、この問題の核心はその点にあると言えます。

[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
鉄鋼メーカーは、第1次トランプ政権時代の柱のひとつとされていたため、今回の見出しが注目される背景にはそうした理由もあると思います。では、株価の反応を見てみましょう。こちらが今日の動きですが、USスティールの株価を取り上げます。現在11.34%の上昇を記録しています。ここで9月の動きについて見てみると、9月には一度上昇が見られ、その後選挙があり下落しました。その後もやや持ち直したものの、全体的には乱高下が続いています。結果的には年初来で30%の下落となっています。
今年、S&P500が20%上昇している中で、このような状況になっています。年初来のパフォーマンスをもう一度見てみると、全体的に厳しい局面が続いているのがお分かりいただけると思います。鉄鋼業界にとっては厳しい1年と言えるでしょう。



[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
新日鉄が今回提示した10年間の保証、特定の州での生産能力を削減しないという条件が、この取引の成立にどのように影響するのか、注目が集まります。
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
さて、この後の内容をご紹介します。まず、FRBのパウエル議長が、トランプ次期大統領との政策対立についてどのように展開していくのかを掘り下げます。過去に政策をめぐって衝突してきた両者が、これから何を見せてくれるのか注目です。
さらに、コモディティ市場で大きな動きが見られていますが、その注目すべき対象は金や石油ではありません。どの市場が動いているのか、そしてそれが私たちの生活にどう影響を与えるのかも解説します。
05. トランプ vs. パウエル

[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
次期大統領のドナルド・トランプ氏とFRB議長のジェローム・パウエル氏は過去に衝突した経緯がありますが、2025年に再び対立する可能性があります。では、Yahoo Financeのジェニファー・ショーンバーガー氏に詳しく伺います。ジェニファー、今回のポイントを教えてください。
[ジェニファー・ショーンバーガー](FRB特派員、Yahoo Finance)
新年明けましておめでとうございます。最近はドナルド・トランプ次期大統領とジェローム・パウエルFRB議長の間の緊張が和らいでいますが、来年には再び緊張が高まる可能性があります。トランプ氏が最初の任期を務めた際、彼はパウエル氏を頻繁に批判し、金利引き下げを求めていました。2025年にはインフレが想定以上に高い水準で推移すると予測されており、トランプ氏の新たな政策が米国経済に与える影響をめぐる不透明感が、中央銀行の金利政策に影響を与える可能性があります。それがトランプ氏の望む方向性と合致しない場合、新大統領とFRBの間で衝突が起きる可能性があるのです。
現在、FRBは2025年のインフレ率が2.2%から2.5%に上昇すると予測し、来年予定していた利下げ回数を4回から2回に減らしています。もしトランプ氏の提案する関税や減税政策がさらにインフレを引き起こす場合、FRBは緩和をさらに抑制せざるを得なくなるでしょう。このような状況で利下げが見送られたり、逆に引き締めが行われたりすれば、トランプ氏とパウエル氏の関係が一層微妙になる可能性があります。



[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
ジェニファー、ありがとうございます。
06. FRB金融政策の見通し
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
それでは、来年の経済の見通しについて、ハンティントン・プライベート・バンクの主任エコノミスト、オル・オモドゥンビ氏にお話を伺います。
お越しいただきありがとうございます。先ほど、FRBとトランプ氏との間で生じる可能性のある緊張について触れましたが、FRB全般についてさらに掘り下げてお聞きしたいと思います。先日の決定や記者会見が依然として影響を及ぼしているように見える中、来年に向けてFRBが注視しているポイントについてお聞かせください。今年の利下げが2回行われた後、場合によっては再び利上げに転じる可能性もあるという声を聞きましたが、どうご覧になっていますか?
[オル・オモドゥンビ](ハンティントン・プライベート・バンク)
ありがとうございます。そして、良いお年をお迎えください。
現時点では利上げの可能性は低く、むしろ据え置きの可能性が高いと考えています。FRBはインフレデータを非常に重視しており、経済指標を基に迅速に対応しています。今年のインフレ率は横ばいで推移しており、特に過去3カ月間はその傾向が顕著です。今年1月のPCEインフレ率は2.6%で、11月には2.4%に低下しています。一方で、コアインフレは依然として高止まりしています。
2025年にインフレがFRBの予想通りに鈍化しない場合、追加利下げが見送られる可能性があります。私たちのベース・シナリオでは、2025年に25ベーシスポイントの利下げが2~3回行われると見ていますが、インフレが再加速したり、鈍化しない場合は、これよりも利下げ回数が減る可能性があります。


[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
では、労働市場についてはいかがでしょうか。今年の非農業部門雇用者数は月ごとに安定した推移を見せており、失業保険申請件数が一時的に増加することがあっても、大きな懸念材料とはなっていません。2024年における注意すべき兆候として、どのようなポイントを注視されていますか?
[オル・オモドゥンビ](ハンティントン・プライベート・バンク)
現在の労働市場は依然として良好な状況にあります。「非常に良好」だった状態から「良好」に変わったと言えるでしょう。昨年初めの雇用増加ペースは月平均20万人を超えており、明らかに持続不可能な水準でした。今年は雇用増加が鈍化し、失業率の上昇や賃金増加率の鈍化、離職率の低下が見られています。
いくつかの労働市場指標は弱含んでいるものの、全体としてはまだ堅調で、米国経済を支えています。また、賃金増加率がインフレ率を上回っているため、消費者にとってはプラス材料と言えます。雇用が大幅に減少する場合、それがFRBにとって再び積極的な利下げを検討するきっかけになる可能性が高いと考えています。これは12月のFOMCで予測された水準を上回る対応になるでしょう。
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
インフレについて考えると、まだFRBの目標である2%を上回っていますよね。そして、新しい政権が発足すると、特に貿易政策に関して、さらなるインフレを引き起こす可能性があると指摘する経済学者もいます。それについてどう思いますか?また、2025年のインフレ目標はどのように見ていますか?
[オル・オモドゥンビ](ハンティントン・プライベート・バンク)
将来的な政策に関してはまだ不確定要素が多いですが、関税の影響を評価するためには、トランプ大統領の第1期政権時代の事例を見ることが重要だと思います。2016年から2020年の間に導入された関税は、洗濯機やアルミニウムなど特定の商品に限定されていました。この期間には、インフレ率が大きく加速するようなことは見られませんでした。例えば、2017年のインフレ率は2.1%で、2018年には2.4%に上昇しましたが、2019年と2020年には再び2%を下回る水準でした。
ただし、関税が米国経済、特にインフレに与える影響は、関税の内容や規模、影響の伝播経路など多くの要因に依存します。私たちの見解では、極端で広範囲な関税が導入されれば、インフレショックが発生する可能性があります。その結果、物価水準が上昇し、2025年のFRBの金融政策運営がより難しくなる可能性があります。これにより、現在予測されている利下げの数が減少する可能性も考えられます。
[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
次に住宅市場、特に金利についてお伺いしたいです。現在、30年固定金利が約6.85%で、2023年後半のピークからは下がっていますが、来年には金利がさらに緩和すると予測されていますよね。一方で、FRBが9月に利下げを開始して以来、10年国債利回りは逆に上昇しています。この動きの背景にはどのような要因があるとお考えですか?
[オル・オモドゥンビ](ハンティントン・プライベート・バンク)
10年債利回りが9月のFOMC以降に上昇している点は非常に重要なポイントですね。この利回りには、FRBの政策期待やインフレ期待、期間プレミアムなど、さまざまな要因が影響を与えています。その中でも注目すべきは、米国経済の強さです。今年の米国経済は特に好調で、他のG7諸国と比べても顕著です。Q3のGDP成長率は3.1%に上方修正され、Q2も年率換算で2.8%と長期的な成長ペースを上回る水準でした。こうした経済指標から、米国経済の力強さが確認でき、それが長期利回りの上昇圧力の一因となっていると考えています。
また住宅市場についてですが、金利の影響を受けやすい分野であるため、ここ数年は弱含んでいました。ただし、今後は市場に供給される住宅在庫が増加すると予想しています。今年は既存住宅の売り出し件数がわずかに増加しており、来年にはさらに多くの住宅が市場に出る見込みです。この動きによって、2025年には住宅価格の伸びが緩やかになると考えています。

[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
期待しています。オル、今日はありがとうございました。
[オル・オモドゥンビ](ハンティントン・プライベート・バンク)
ジュリー、ありがとうございました。
07. 中国経済の見通し
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
さて、本日のトレンドティッカーの時間です。画面に表示されるQRコードをスキャンすると、セッションで最も好調だった銘柄や不調だった銘柄をチェックできます。まずは中国株の動きからお話しします。中国の習近平国家主席がテレビ演説で「中国経済は上向きだ」と述べたことが注目されています。また、2024年のGDP成長率が約5%だったことも確認されました。正式な発表は来月ですが、このような前向きな発言は市場を安心させているようです。さらに、2025年の成長目標も再び5%になるとの報道があります。正式な発表は3月の予定ですが、昨年の中国株は追加の経済刺激策への期待感から力強い動きを見せていました。この刺激策がついに効果を発揮するのではないかと見られています。

[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
実際、ここまで多くの手を打ってきました。例えば、利下げや準備率引き下げ、これは融資基準に関連しますが、1480億ドル相当の特別国債の発行、1.4兆ドル規模の地方債務管理、消費者補助金、株式市場の支援、そして金融政策の転換などです。特に14年ぶりに金融政策が緩やかなスタンスに変わりました。それでも、まだ十分とは言えません。このような大規模な刺激策が9月に発表されましたが、すべての銘柄が上昇したわけではありません。アリババ(BABA)やiQIYI(IQ)など、依然として低調な銘柄もあります。

[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
それでも、中国株は2020年以来の年単位での上昇を記録しそうです。これが現状です。
08. ファイザーとSANGAMOの提携解消
[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
一方、SANGAMO(SGMO)の株価が急落しています。ファイザー(PFE)が遺伝子治療の提携を解消したことが影響しています。ここから詳しく話してくれるのは、Yahooファイナンスのシニアヘルスレポーター、アンジャリー・ケムラニ氏です。アンジャリー、最新情報をお願いします。

[アンジャリー・ケムラニ](シニアヘルスレポーター、Yahoo Finance)
残念ながら、今日のSANGAMOの株は50%以上の16年ぶりの大幅な下落となっています。この会社は、後期段階の小規模な臨床試験を行っており、今回のファイザーとの提携により、初めて商業的に成功する製品を目指していました。具体的には、今年7月に非常に好結果を示した血友病の治療薬が対象でした。しかし、ファイザー社のCEOによると、同社は今、ファイザーの提携解消により、不安定な財務状況にあるとのことです。Q3の純利益は約1,000万ドル、手元資金は約4,000万ドル程度です。このような小規模なバイオテック企業としては一般的な規模ですが、他の提携先としてはTEVA(TEVA)やロシュ(RHHBY)傘下の子会社、アストラゼネカ(AZN)の子会社があります。さらに、開発中の前臨床試験のプロジェクトもありますが、現時点ではそれだけです。現在、進行中のもう一つのプロジェクトはファブリー病の治療薬ですが、財務状況を考えると、最終的にはパートナーの支援が必要になりそうです。同社の最新の四半期報告では、2025年第一四半期までの資金は確保していると説明していましたが、今回の件で今後の進め方に疑問が生じています。



[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
ファイザーが血友病Aの治療薬の開発から手を引いた理由は何だったのでしょうか?
[アンジャリー・ケムラニ](シニアヘルスレポーター、Yahoo Finance)
そうですね、その理由については多くのアナリストが市場の現状を分析しています。同様の薬が既に存在しているため、市場での需要がさほど大きくないことが考えられます。また、ファイザー自身の戦略的な動きである可能性もあります。同社は近年、パンデミック後の新しい状況に対応するために計画を再検討していると言われています。COVID-19の需要ピークが過ぎた現在、同社は大きな転換期を迎えています。このような背景から、今回の判断がなされた可能性があります。
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
ちなみに、ファイザーの株価は今日少し上昇していますが、ごくわずかです。
[アンジャリー・ケムラニ](シニアヘルスレポーター、Yahoo Finance)
本当にごくわずかですね。
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
興味深い話ですね、ありがとうございました。
[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
アンジャリー、ありがとうございました。
そして次にお伝えするのは、金や原油以外のコモディティ市場での大きな動きについてです。それが何なのか、そしてそれが私たちの生活にどう影響するのかについてお話しします。

09. コモディティ市場について
[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
さて、現在注目されているのはコモディティ市場です。今年最大の動きを見せたのは、石油や金ではなく、ココアとコーヒーでした。ココア価格は今年で2倍以上に跳ね上がり、年間で最も好調な商品となっています。この背景には供給懸念や取引量の少なさが影響しています。一方、コーヒーは70%以上も値上がりしており、これはスーパーでの価格上昇につながります。
そこで、ブルーライン・フューチャーズのチーフマーケットストラテジストであるフィル・ストリーブル氏に登場いただき、ソフトコモディティ市場の最近の動きについてお話を伺います。

[フィル・ストライブル](ブルーライン・フューチャーズ)
ソフトコモディティについてですが、非常に大きな動きを見せています。基本的なコモディティや株式指数と比較しても、はるかに優れたパフォーマンスを記録しています。この市場では、天候や消費者需要、輸出制限、供給確保の競争などが、それぞれ重要な要因となっています。また、天候だけでなく、インフラも影響を与えています。多くのソフトコモディティは海外で生産されており、過剰供給を生み出すための資源やインフラが十分ではありません。
さらに、これらの商品は遺伝子組み換え種子を使用せず、より自然な製法で生産されることが多いという特徴があります。このため、天候の悪化による影響を受けやすいのが特徴です。特に、干ばつや洪水といった懸念があるときに、ココアやコーヒーの価格が大きく上昇する傾向が見られます。

[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
確かに、驚くべき上昇を見せていますね。ところで、他の商品の弱さについても話題に挙がっていますが、これは米ドルの逆相関取引が一因とも言われています。このような供給ショックの中で、ドルの影響はどのように考慮されていますか?たとえば、もしドルが弱ければ、これらの動きはさらに大きくなっていたのでしょうか?
[フィル・ストライブル](ブルーライン・フューチャーズ)
米ドルが強いことは、我々にとってプラスになっています。これらの商品は主に輸入されているため、ドルが弱い場合はさらに問題が大きくなるでしょう。現在のドルの強さは非常に助けになっています。これらの商品が生産される国々では、米国との間で大きな関税戦争は起きていません。メキシコに関しては若干の懸念がありますが、メキシコは米国最大の農業貿易相手国です。他の商品、例えば砂糖やココア、コーヒーなどではリスクは少ないです。しかし、ココアのような商品で見られる問題は、アイボリーコーストやガーナでの収穫が悪かったことです。さらにインフラ問題や病害、悪天候による種子の腐敗も影響しています。在庫が減少している一方で、消費者の需要は強いままです。今年の経済が好調で、消費者が力強い購買力を持っていることも要因です。加えて、これらの商品を作るメーカーは、供給を確保するために厳しい競争にさらされています。米国はチョコレートやコーヒーの最大の消費国であり、ほとんどの人が好きな食品や飲み物ですよね。

[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
それでは、実際に消費者が影響を感じ始めるのはいつごろでしょうか?すでに感じている場合、どのように影響が現れるのでしょうか?
[フィル・ストライブル](ブルーライン・フューチャーズ)
特にコーヒー市場では、卸売価格が過去2か月で30%も上昇しています。多くの人は卵や牛肉などの必需品に目を向けますが、コーヒーやココア、オレンジジュースといった少し贅沢な商品にも価格の影響が出ています。こうした商品は家庭の必需品として購入されるだけでなく、少し余分に買い置きする傾向もあります。消費者はすでに影響を感じていますが、一方でエネルギー価格が大幅に下がったことで、他の分野では多少の負担軽減も見られるかもしれません。ジェローム・パウエル氏が指摘していたように、インフレの影響は特定の分野で循環的に現れることがありますが、依然として高止まりしている状況です。インフレはしばらく続くと考えていますが、これがトランプ政権の政策によってどのように変動するのかは別の議論になります。
[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
最後に、金属市場について伺います。ゴールドは28%の上昇を見せていますが、これまで話してきたソフトコモディティほどではありません。金やその他の貴金属がインフレやトランプ政権とどのように関連しているか、手短に教えてください。
[フィル・ストライブル](ブルーライン・フューチャーズ)
金価格の動きは、2025年と2026年に予定されている利下げが2回だけという見通しが影響しています。もしインフレが下がる、あるいは消費者が経済的に厳しくなり、労働指標、特に新規失業保険申請件数が増加すると、インフレが高止まりしたまま消費が冷え込むスタグフレーションの状況が生じます。この場合、金先物は上昇傾向に転じます。また、中央銀行の需要が再び高まれば、特に中国が購入を再開した場合、金先物価格はさらに上昇するでしょう。



[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
フィル、今日はありがとうございました。良いお年をお迎えください。
[フィル・ストライブル](ブルーライン・フューチャーズ)
こちらこそ、ありがとうございました。
10. テック銘柄(AVGO、NVDA、MAG7)
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
今年の注目分野としては、ビッグテック、特にマグニフィセントセブンが話題になっていました。それに加えて、S&P500の中でBroadcomが特に優れたパフォーマンスを見せています。2025年のテック業界についてさらに詳しく知るために、ウエストエンド・キャピタルマネジメントのシニアエクイティアナリスト、アリ・ムラビ氏をお迎えしました。アリ、お越しいただきありがとうございます。まず、マグニフィセントセブン、特にNVIDIAが注目されていますが、Broadcomもここに来てAI向けの主要な契約チップメーカーになる可能性があると話題です。この流れが来年、特にNVIDIAとの比較でどのように展開していくとお考えですか?

[アリ・モグハラビ](ウエストエンド・キャピタルマネジメント)
そうですね、これは両方にとって利益になると思います。まず、ブロードコムについて話しましょう。AIの分野では、トレーニングから推論へと移行が進んでいます。つまり、新しいデータをどう処理し、どう解釈して答えを導き出すか、ということです。この推論のプロセスでは、よりカスタマイズされた種類のチップが必要になりますが、これがブロードコムの得意分野です。彼らはこの分野で大きな恩恵を受けると考えています。
具体的には、ブロードコムはOpenAIと連携を深める可能性が高いですし、アップルとの関係もさまざまな分野で拡大するでしょう。また、Googleとは長年の協力関係があります。これはチップの側面だけでなく、これらのチップを効率的かつ迅速に連携させるためのネットワークと接続性にも関わります。ブロードコムはこのネットワーク接続の主要プレイヤーの一つであり、2025年にはこの分野の成長がさらに加速するでしょう。このフライホイール効果がブロードコムの利益を押し上げると考えられます。
次に、NVIDIAについて簡単にお話しします。この企業はGPU市場を支配しており、ハイパースケーラーからの需要はまだ成長していますが、若干減速してきています。それでも、独自のデータセンターを構築しているエンタープライズ企業からの需要が新たな成長を後押しするでしょう。また、Blackwellチップのリリースも重要です。2025年の前半の終わりごろに300シリーズが登場すると予想されていますが、これは先ほど話した推論に重点を置いたものです。NVIDIAはすでに、ブロードコムが発展させようとしているネットワーク効果を確立しており、今後も良い状態を維持するでしょう。


[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
では、半導体業界全体をもう少し広く見てみると、2025年の主役になりそうな企業はどこでしょうか?昨年末は明らかにNVIDIAが主役でしたが、今年はBroadcomが後半に登場してきました。来年、投資家が注目すべき企業はどこだとお考えですか?
[アリ・モグハラビ](ウエストエンド・キャピタルマネジメント)
今のところ、Broadcomが一番の注目株だと思います。Broadcomの経営陣は、同社のアドレス可能市場、つまり具体的に獲得可能な市場規模について話していましたが、それが現在の150億~200億ドル規模から、2027年には600億~900億ドル規模に成長すると見込んでいます。このように、彼らには非常に大きな成長機会があると考えています。現時点では、特に半導体チップに特化して言えば、Broadcomが有力です。



[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
マグニフィセントセブン全体について、最近見られる調整の動きについてどうお考えですか?過去には、金利の上昇がテック業界にとって逆風となっていましたが、今回も同様のことが起きているように思います。この点について、2025年への影響はどう見ていますか?
[アリ・モグハラビ](ウエストエンド・キャピタルマネジメント)
興味深いですが、私の意見では、高金利の上昇がマグニフィセントセブンに大きな影響を与えることはないと思います。高金利がテック業界に影響を与える理由は、資金調達が少し難しくなるからです。しかし、マグニフィセントセブンについて話す場合、それはキャッシュカウ、つまり簡単にフリーキャッシュフローを生み出し続け、利益率を拡大している企業群を指します。これらの企業は十分な資本を手元に持っており、投資や研究開発を続けることができるだけでなく、新しい革新的な製品を生み出し、同時に既存の製品も成長させています。そのため、高金利の影響はあまり受けないと考えています。
現在起きていることは、多くのポートフォリオマネージャーによるリポジショニングや利益確定の動きではないかと思います。この2~3週間は、そのような方向性に向かっているように感じています。
[ジャレッド・ブライクレ](Yahoo Finance)
さて、これまでチップやチップメーカーに焦点を当てて話してきましたが、ハイパースケーラーに関連する需要についてはどうでしょうか?先ほど少し触れましたが、新年における設備投資やその他の要因に関する需要について、どのように見ていますか?
[アリ・モグハラビ](ウエストエンド・キャピタルマネジメント)
需要は引き続き堅調に推移すると考えられます。特に設備投資の分野では、2025年も非常に順調に成長すると予測されています。ただし、GoogleやAmazonのような企業について話す場合、多くが推論の分野に焦点を移すことになるでしょう。この推論については以前もお話ししましたが、それに関連して、彼らはカスタマイズされたチップを活用して対応していくようです。これにより、独自のツールを開発することが可能となり、その部分で収益化が進むと考えられます。
具体的には、これらのクラウドプラットフォームを提供している企業が、クライアントに多様な選択肢を提示できるようになるのがポイントです。また、MetaやAmazon、Googleについてさらに具体的に言えば、彼らはAIを活用したツールや機能を内部で展開しています。たとえば、広告のROIを高めるために利用しており、ターゲティング広告の精度を向上させています。こうした取り組みは広告主にとって大きなメリットとなるでしょう。
さらに、これらの企業は膨大なユーザー数を抱えています。非常に多くの視聴者が集まるエコシステムがしっかりと統合されているのです。そのうえマクロ経済の観点からも、2025年は経済成長が引き続き好調に推移し、名目GDPの伸びも期待されています。そのため、広告主からの需要も引き続き強いものになるでしょう。これらすべての要素が、2025年に向けてこれら3社にとって好材料となると考えられます。
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
ありがとうございました。注意深く見て行きます。
次は、ファニー・メイとフレディ・マックの民営化についてお届けします。ビル・アックマン氏がトランプ氏の次期政権での民営化実現を予測していますが、その影響について専門家の意見を伺います。
I am often asked for stock recommendations, but generally don’t share individual names unless I believe the risk versus the reward is extraordinarily compelling.
— Bill Ackman (@BillAckman) December 30, 2024
As we look toward 2025, one investment in our portfolio stands out for large asymmetric upside versus downside so I…
2024年12月31日にビル・アックマンが投稿したポスト
(Part 2に続く)
11. オリジナル・コンテンツ
オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。
Yahoo Finance より
(Original Published date : 2024/12/31 EST)
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だうじょん
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