メタ・プラットフォームズには最もエキサイティングな転換点が訪れている
本日発表のあったメタ・プラットフォームズの決算発表とカンファレンスコールを受けてのディープウォーター・アセット・マネジメントのジーン・マンステル氏の決算内容の速報評価コメントを紹介します。
ジーン・マンステル氏は、優秀なテクノロジー系企業に対してブリッシュ系のコメントが多い傾向がありますが、それを割り引いても参考になるコメントが多い印象があります。ご参考下さい。
[ジーン・マンステル](ディープウォーター・アセット・マネジメント)
本日は、メタの決算です。この録音時点では、カンファレンスコールが終了してから1時間ほど経過しており、株価はセッションの最安値で3%下落しています。
これは、市場の期待が非常に高まっていたためと考えられますが、メタの取り組みは堅実に進んでおり、AIの活用に積極的に取り組んで、事業の持続性を維持し、現行事業外でも新たな成長機会を模索しているといえます。
今回のポイントはトップラインの成長で、9月期の成長率は前年同期比19%増と市場予測の18%をわずかに上回りました。12月のガイダンスでは、前年比20%成長が上限として示されており、9月の19%から12月にかけて若干の加速が見込まれています。
この成長の一因は、デイリー・アクティブ・ユーザー数の増加によりエンゲージメントの機会が増えたこと、さらにAIターゲティングや新たな広告ツールの導入によるものです。これらの要素が相まって、売上の成長を強力に支えています。参考までに、マイクロソフトの成長率はおよそ14%、Googleの検索事業の成長率は前四半期で12%でした。メタの12月の20%成長予測は、過去3か月の株価の動きを説明する要因となっており、NASDAQが5%、マグニフィセント・セブンが7%の上昇に対し、メタは20%の上昇を示しています。
次のポイントは支出、特に設備投資(CapEx)です。ガイダンスによれば、上限に達するとすれば、12月期の設備投資は前年比約87%増となる可能性があります。メタは積極的なインフラ投資を戦略に掲げており、ザッカーバーグ氏も「非常に重要な転換点であり、最もエキサイティングな機会の一つ」と現在の状況を表現しています。このことは利益への影響が懸念されることになりますが、CFOのスーザン・リー氏は、戦略的な投資を継続する一方で、効率化によって一部のコストを相殺すると述べています。これにより、戦略的状況次第で利益率が安定またはやや改善する見込みです。今後1年間で大幅な利益率の変動は予想されず、引き続き大規模なインフラ投資は、メタにとって健全な戦略になると見られています。
3つ目のポイントは、しばしば見落とされがちな指標「デイリー・アクティブ・ピープル(DAP)」で、3.29億人に達しました。これは市場予測の3.31億人を下回りましたが、それでも前年比5%の増加を示しています。
世界のインターネットユーザーの約半数が毎日メタのサービスを利用している状況で、ここからさらに成長するのは難しいといえますが、この5%の成長を維持できていることは、メタの製品のエンゲージメント力を証明しています。
この広大なユーザーベースは、新たなAI製品を導入するための重要なプラットフォームとなり、メタは年末までにメタAIの月間アクティブユーザー数5億人達成を目指しています。これだけのデイリーユーザー基盤があることで、メタAIが最も利用される生成AIチャットボットとなる可能性を秘めていることになります。
最後に、今後を見据えたポイントとして、「おもちゃ部門」とも呼ばれた事業について触れたいと思います。
AIがビジネスに与える影響について尋ねられた際、メタはターゲティングや広告ツールの改善を挙げており、コンバージョン率が7%向上したとしています。また、メタAI内での検索機能を通じたマネタイズの可能性にも言及があったことから、将来的には検索事業に発展する可能性があります。これはまだ推測の域を出ませんが、2〜3年後には現実味を帯びるかもしれません。ちょうどテスラがOptimusを見据えているのと似たスタンスです。
カンファレンスコールの最後の質問で、(エバーコアISIのアナリストである)マーク・マハニー氏が、オリンピックや選挙といった最近の出来事が成長に与える「サプライズ」について尋ねましたが、スーザン・リー氏は、これらの要因は広告市場に与える影響がごくわずかであり、市場は引き続き健全であると述べており、トップラインの成長に対する前向きな見通しを見せています。
2. オリジナル・コンテンツ
オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご視聴になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。
Deepwater Asset Managementより
(Original Published date : 2024/10/30 EST)
<御礼>
最後までお読み頂きまして誠に有難うございます。
役に立ちましたら、スキ、フォロー頂けると大変喜び、モチベーションにもつながりますので、是非よろしくお願いいたします。
だうじょん
<免責事項>
本執筆内容は、執筆者個人の備忘録を情報提供のみを目的として公開するものであり、いかなる金融商品や個別株への投資勧誘や投資手法を推奨するものではありません。また、本執筆によって提供される情報は、個々の読者の方々にとって適切であるとは限らず、またその真実性、完全性、正確性、いかなる特定の目的への適時性について保証されるものではありません。 投資を行う際は、株式への投資は大きなリスクを伴うものであることをご認識の上、読者の皆様ご自身の判断と責任で投資なされるようお願い申し上げます。