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名古屋旅日記

朝9時に家を出て、在来線で名古屋へ。
目的は写真撮影。10月中旬に大学時代の写真部仲間と写真展をやるんだけど、そこで展示するポートレート作品を撮るのが今回のミッション。

三重に住んでいる友人にモデルをお願いして、さてどこが集まりやすいか…と思った時、友人の住んでいる場所から名古屋まで日帰りで行けることが判明し、私も在来線で2時間で行けるし、ということで名古屋に。

米原と大垣は駅の規模に対して乗り換えピープルが多すぎる。相生みたい。
行きたいお店を調べたり、今日の撮影の構想を練っていたらあっという間に到着。

どうしてもみそかつが食べたくて、名古屋駅構内のなごや食堂を目指すも30分くらい道に迷う。嗚呼、田舎者。結局、お店は地下0.5階とかいう謎スペースにあった。みそかつ美味しかったー!あと漬物がピリ辛でうま。

愛知に来ると、昔やっていた深夜番組「ノブナガ」を思い出す。
日本列島を新幹線で北上しながら、各駅で道行く人に声掛けて一緒に夜ご飯を食べさせてもらうっていう企画で、絶対に三河安城で人探しが難航し、メンバー交代しても毎回ゲームオーバーになってた記憶が。
ノブナガとかロケみつとか、ぶっ飛び企画やる深夜番組好きだったな。

まずはロケハン。Google mapで事前に目をつけていた場所を中心に、撮影で使えそうなスポットを回る。2年前に旅行で名古屋に来た時、道路も空も広くダイナミックな街のつくりが記憶に残っていて。広く空間を使いたい今回のポートレートにぴったり。歩道橋を上手く使いたい…ここは夜だと暗そう…メモをしながら歩く。

下見が終わり、読書珈琲リチルへ。2年ぶり。
お喋り禁止、BGMなし、時間制のカフェ。静かで良い。近所にあったら通いたい。お店はアパートの一室にあって、隣の部屋の表札が自分と同じ苗字だった。

リチルでやっと池澤夏樹のスティルライフを読み終わった。掴みどころのない風のような佐々井と、それほど日々を悲観していない主人公の、淡々とした、でも血の通ったやりとりが沁みる。リアル寄りの村上春樹みたいな世界観。ごめん、村上春樹は海辺のカフカとスプートニクの恋人ぐらいしか読んだことないからあまり分かってない。すんません。

同じ本に他の短編も収録されてるから、時間見つけて全部読もう。


地下鉄でさらに東に移動し、ON READINGへ。以前訪れた時、駅からお店までの開けた道が印象に残ってて、地図見んでもいけるわ!と張り切って歩き出したら反対方向だった。頭が悪い。

店内を何周もしながら気になる本を手に取って、お店の空気を体になじませていく。

じっくり店内を物色し、川内倫子さんの写真集をお迎えした。パラ見したあと、他の本を読んだりもしたけどずっとその写真集が頭から離れず、これは買わないと後悔すると思って。お子さんが産まれてからの3年間の記録で、優しい言葉と一緒に紡がれる日々の一コマが可愛らしい。特に好きな写真が、お父さんに手伝ってもらいながら台所でみかんを絞ってる1枚。
自分が良いなと思う写真には、物語性と愛がある。


友人と合流し、TOBYで夜ご飯を食べてから撮影!撮れ高が凄い。動画も撮らせてもらったから、写真展で見てもらえるようにしたいな。

今回は撮りたい世界観が先にあって、イメージに合うモデルさんを探したんだけど、友人はテーマにぴったり合う雰囲気を持っている人だった。表情、話し方、眼差し、姿勢、内面、全てがドンピシャで、もし友人の都合がつかなければ他の人には頼まず、この作品自体展示しないと決めていた。それぐらい友人以外はありえないと思っていたから、想像以上の作品が撮れて本当に良かった。


夜の名古屋は不思議な人が多かった。黄色いビニールでひよこみたいなコスプレ(?)してた人は何だったんだ。

駅で友人を見送り、寝る前にホテルの近くのバー「直心」に行ってみた。
カウンターが畳敷きでお洒落。せっかく愛知に来たので知多でカクテルを作ってもらった。
バーテンさん曰く、知多は分かりやすい尖った特徴がないらしい。つまりクセがなくて誰でも飲みやすいということね。ウイスキーってスパークリングワインと合うんだな。美味しかった。

バーテンさんは名古屋生まれ名古屋育ち。喫茶は実は名古屋ではなく一宮が発祥なこと、モーニングは名古屋人にとって飲み物頼めば付いてくる当たり前のものなこと、名古屋の方言など教えてもらう。「エビフリャーは言わないです…」

隣のお客さんも一人で来られていた。
大阪出身で、大学からオランダに留学し、今はインターンのために一時帰国して名古屋に滞在しているそう。私も昔ドイツにいたので、ヨーロッパ留学の話で盛り上がる。やはりオランダも飲み会は全力らしい。ビールのカートンに手錠付けられて飲み干すまで帰れないってどういうこと。
日本で働くかヨーロッパに残るか悩んでいると。どちらにせよ、働くのは楽しいよ〜という話をしておいた。

ホテルまで送ってくださって、お互いの名前を言ってお別れ。あと一ヶ月、インターン頑張れ!
連絡先を交換していなくてもう二度と会えないだろうけど、それでいい。

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