ピクセルシフトマルチショット機能を羅列する。
皆さんはピクセルシフトマルチショット(以下PSMS)を使用したことがあるでしょうか。私はPSMSを複写の業務によく使っています。
同じ機能に見えて、実はメーカによって様々な名称、特色があります。
公平な画像サンプルはDPreviewにお任せするとして(といってもあまり充実はしていませんが)、私が調べた各社の違いについてまとめていけたらと思います。
また、私以外の詳しい方が既に情報まとめてくださっていますので、歴史や技術的解説はそちらにお任せいたします。
ここでの内容は気が向いたら更新します。
ちなみに、今最もおすすめなのは、PanasonicのS1Rです。フルサイズセンサーのPSMS機能において、デメリットはあるもののパナソニックの品質が頭一つ抜けています。
おそらく、センサーの手ぶれ補正などを行う際の駆動方式によって各社差が出ているものと思われます。
ハッセルブラッドに至っては手ぶれ補正の機構ではなくピエゾによる微細な制御で定評があります。
パナソニック ハイレゾモード
8ショットで画素数が向上し、カメラ内部でRAWへの合成が完了する、フルサイズでは唯一無二の機能性を備えています。ただし、どう頑張ってもストロボが無効化されるのでシンクロは不可能です。
S1R GFX100S A7R4で同一条件でのテストをして比べましたが、PSMSを重視する場合パナソニック一択という状況です。具体的なサンプルはDPerviewでご確認ください。ただしデメリットも存在していて、細かい点の形状を撮影した場合、その形状の中心に目玉のような模様が出てしまうことがあります。合成処理上の仕様っぽいです。
OM SYSTEMのSSWFがこの性能を引き出しているのであれば、今後はちょっと不安。
また、テザーソフトでPSMSをオンにすることはできません。カメラ本体でPSMSをオンにすることで、テザー時にPSMSを使用することができます。
PSMSとは関係ありませんが、パナはキャプチャーワンでテザーできません。ライトルームでもテザーできません。悲しい。
ニコン ピクセルシフト撮影
最近Z8にアップデートで搭載されたようです。
画素数向上には16ショット必要で、撮影後にPCの専用ソフトで合成処理が必要なオーソドックスなタイプです。サンプルはまだ見たことがありません。
キャノン IBISハイレゾ撮影
R5にアップデートで搭載されました。9枚で画素数が向上するところが魅力ですが、JPGのみの書き出しになるので、実用性は微妙なところです。
ソニー ピクセルシフトマルチ撮影
画素数向上には16ショット必要で、撮影後にPCの専用ソフトで合成処理が必要なオーソドックスなタイプです。うまくディレイとSSを設定すればストロボとシンクロします。
複写で使うのは難しい品質です。DPreviewをご覧いただくとわかりますが、A7R4やA7R5でブレが生じています。
富士フイルム ピクセルシフトマルチショット
画素数向上には16ショット必要で、撮影後にPCの専用ソフトで合成処理が必要なオーソドックスなタイプです。うまくディレイとSSを設定すればストロボとシンクロします。
GFX100で何度か実際にテストしました。
当然と言えば当然ですが、GFXは低速メカシャッターだとショックで微ブレを起こします。シャッター音のオンオフが結果に影響するなど、PSMS時も非常に繊細です。PSMSとしては実用的ではないです。
テザーの安定性はライトルームの方が開発にフジの手が加わっているため高いとかって話を聞きました。
もう嘘になっているかもしれません。
ペンタックス リアル・レゾリューション・システム
K1でのPSMSはかなり画期的でしたが、サンプルは未見です
ハッセルブラッド マルチショット
ハッセルブラッドの心臓でもあるIMACONはPSMSの開拓者です。
よって、ハッセルやイマコンの一部のデジタルバックには伝統的にPSMSの機能が備わっています。
最新機種だと、6ショットのみで4億画素に向上する謎の技術があります。品質はかなり良いようです。
噂が正しければ、DJIのハッセルブラッド買収にともなってデジバックの開発を終了するようなので非常に残念。
OM SYSTEM ハイレゾショット
パナソニックと同じく、8ショットで画素数が向上します。
M43でパナソニックと関わりがあったためでしょうか?とてもよく似ています。センサーの駆動方式という観点では、SSWFによる恩恵もあるのかも。
ただ、複写の画素数を稼ぐ目的においては、M43は宿命的に不向きです。