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環七に自転車を投げる


NOTEを書くにあたり特に仲の良い友人2人に「彼」のあだ名を募集した。

現在「彼」としている男は友人達が「辞めておけ」と言う理由が幾つもあり、その一つが環七道路に自転車を投げた一件だ。

彼は感情のコントロールができない。
加えて非常にデリケートでプライドが高い。

彼が私を憎む一番の要因が、彼の現在の上司と私が以前愛人関係にあったことだ。

私としてはそいつとの関係は彼に出会う前の出来事であり、今となってはどうでもいい存在に過ぎない。
ちなみにそいつ(彼の上司)のことを軽く記述しておくと、見た目も中身もださく、しかし業界の中での地位はそれなりに確立しており、かつ既婚者でありながら好みの女を見つければ悪びれなく手を出すどうしようもない人間である。
同業の女がそいつに引っかかったとすれば、私は「仕事が辛かったんだね」という言葉をかけると思う。
当時の私はそういう状況にあり、表面上優しくしてくれる唯一の権力者にすがりたい一心だったように思う。

話を戻すが、彼にとってそいつと以前私が関係があったということは許し難い事実であり、それに対する葛藤は現在も続いている。
その為、つきあっていた当時、酔っ払うと頻繁に私を「クソビッチ」「死ね」と罵り、試し行動、浮気、時には危険行為を犯すこともあった。

その日も一緒に飲んでいた。
酒が進むにつれ、段々と私のことを「気持ち悪い」だの、「お前は所詮ビッチ」だの罵り始めたので、切り上げて帰ることにした。
その時にはもうまっすぐ歩いてくれず(本当は普通に歩けるがいじけたいだけ)、連れて帰るのも一苦労な状態になっていた。
段々とヒートアップした彼は、ひいていた自身の自転車を夜の車が走る環七道路に投げた。
車が気づかず接触したら大事故になるだろう。
思わず私だけでなく側を歩いていた見知らぬ男性も「危ない!」と漏らした。
そこへ車がーー!
彼も酔っ払いながらもわかってはいるので、車がくる手前で自転車を回収した。
しかし、その後もタクシーにクラクションを鳴らされたり、何か我慢できないことがある度に自転車を投げた。
最終的に自転車は植木の上に投げられたまま放置されることになり、次の日の朝まで回収されることはなかった。

友人達にこの話をしたところ、
「その自転車は未来のバイカル子だ」
「すぐにカウンセリングに連れて行け」と助言された。

私は本来自分の男を「彼」呼びするタイプではないし、何か気の利いたあだ名はないかと「メンヘラ製造機」?「髭沼」?「吸引器」?等 模索し相談したところ、このエピソードは友人達に相当インパクトがあったようで「環七投げ田」に命名された。

なので次回の記事からは彼のことを「環七投げ田」という名前で記述していこうと思う。

ちなみにその自転車は夜の道路に何度も投げられた結果、当然の如くフレームが曲がり修理となった。
写真は現在も投げ田が愛用しているその自転車である。

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