「今日の数字」が共通文脈を持っているこの頃で
「今日、都内427だって」「うわ、やばいですねそれ」
この前、知り合いとこんな会話をしていた。
その後に、これだけで通じちゃうのってすごいよね、とも。
なんの話をしているかお分かりだろうか、新型コロナウイルスの新規感染者数である。
でもこれって、普通であれば伝わるはずのない言葉なのだ。
何も起こっていない世界であれば、「今日、都内427だって」と言われても、まず最初に「それって何の数字ですか?」が来るはずなのである。
「それって何の数字ですか?」を挟まずに「うわ、やばいですねそれ」に行けてしまうのは、間にあるあらゆるプロセスをすっ飛ばして省略しているからなのだ。
今日、都内427だよ
→ 連日、新規感染者数が報道されている
→ 人々は、今日は何人新規感染したのかという「数字」に興味を寄せている
→ だから「数字」を聞くと、新規感染者数かなと想像が及ぶ
→ かつ、427という数字は直近と比較しても比較的大きな数字だ
→ やばいですねそれという言葉が出てくる
こんな風に、間にある文脈を共通して持っているからこそ上記の会話が成り立っている。そう考えると、なんだかすごいことだなと。
「今日の数字」を言われたとしても、まずは1番に「それなんの数字?」と返せる日常は帰ってくるのだろうか。
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