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自己の探求の道のり

ちょっと相談を受けたんです。「嫁の浪費がひどすぎる」と。

夫が予定支出のお金を妻に渡したのだけど、それがことごとく使い込まれてしまうと。

そして学費とか支払いが全部滞ってて、 旦那さんの方がですね、ブチギレるわけです。

「お前、どういうことじゃ!」みたいな。

で、そこから精神的暴力が始まって、暴力的な発言で妻を罵るわけです。

まぁわかります。お金に切羽詰まると余裕がなくなりますんで。 余裕がなくなったら、感情的なコミュニケーションになってしまうのは必然ですよね。

それで、嫁はシェルターに逃げ込んで、夫のDVに悩む妻という事で別居状態になるわけです。

で、夫が反省してDV加害者更生プログラムに参加するわけですよ。

時が経ち、シェルターを強制退去しなきゃいけないということで、行くとこがないから、また再び一緒に住むという非常に消極的な再構築が始まる予定なんだそうです。

で、DV再発防止をどうしようかという相談なんですが、 彼の再発防止策はとりあえずは「お金のルールを作る」という話なんですよね。そしてその都度コミュニケーションをとるというわけです。

これが彼のDV再発防止計画なわけですが、 僕の意見は違っています。

お金の管理が出来ない人の特徴は

  1. だらしがない

  2. 計画性がない

この2つなんですよ。当然習慣化されたものですから改善するにも時間がかかります。これはもう性格の一部なので、「お金ルール」を作ったとしても、また同じようなことが起きます。 確実ですわ。

だからルールを作っても、それは必ず破られるので、また再びブチ切れるわけですよ。

夫の性格や性質は

  • 理屈で物事を考える癖がない

  • 直感で動く

タイプの人であるので、ある意味、理論で感情を抑制することが出来ない性格です。

この性格に非暴力の理論を身にまとい、非暴力の価値観で物事を判断するスキルを養うわけですが、やっぱりこれは時間のかかる作業です。

同居までに間に合うわけがない。

すると、またお金の使い込みが発覚した。お金がない。払い込む期限に間に合わない。デフォルトするとなると、やっぱり余裕を失うわけです。

余裕を失えば、直感的な判断力でもって、やっぱり感情的なコミュニケーションに逆戻りになるわけです。


結局、ブチ切れるしかないわけですよ。

アドラー心理学の課題の分離で、金の管理を出来ないのは妻の課題であって、自分の課題ではない。他人の課題に干渉すればおのずとDVに発展する。

と、客観的に物事を考えて、暴力を手放す事は、彼の性格ではできない。 だから、「ああ、またやるぞ。」という結論になるわけですよね。

だから、DV加害者更生プログラムの枠組みで考えるのは、いったん横に置いて、他のアプローチが必要になる。

彼にハマる非暴力の仕方って何だろうって考えた時に、この場合、まずは妻の性格を受け入れることなんですよね。 またやるぞと、また支払い滞るぞと、お金でショートするぞ、そういう状況が来るぞということを、はなから受け入れておくということが必要になってくる。 あらかじめ構えておくわけですよ。すると現実に直面しても予想されたことで余裕が生まれるわけです。

次にAプランがダメならBプランという保険を作っておく。お金を使い込まれたならば、どこからお金を作るかをあらかじめ用意しておくわけです。セフティネットを作っておくというのは非常に有効だと僕は思うんですよ。

で、ここで積立NISAを提案したわけです。預金だと銀行にお金を預けに行くという能動的な行動が生まれるので、強制的に引き落とされるシステムを生活に持ち込むわけです。月1万~3万の間で預金のつもりで積立NISAをすると、いつのまにか100万ぐらいにはなってるでしょう。

もし使い込みが発覚して、お金が回らなくなったら解約してお金を作ればいい。そう思えると余裕が生まれるので、感情的にならず少しは冷静を保っていられる。 全部支払ったってお釣りが来ますよ。それで心の余裕を取り戻せばいい。

つまり環境整備ですよ。余裕を失わないための環境整備をすることで、感情的にならずに済むのでDV防止策になるというボクの考えです。

そんなアドバイスをしていると、カウンセラーが横から割り入ってきまして、「そこじゃないわ。そこは違うわ。お金の話はもういいわ。」と言うんですよ。 「いやいや、違うぞ。ちょっと待って、最後まで聞いて。」という話をしたんですが、「いやいや、それは違うわ。」とカウンセラーは言うんですね。 何が違うのかを具体的な意見を言うのではなくて、何かが違うと言い張るわけです。

さあ、ここでまためんどくさいのが増えたんですね。

で、カンセラーが続けるわけです。この人はお金がないって訳じゃないよって言うんですよね。 で、彼もカウンセラーの言葉を聞いて「お金は持ってます」って言ってくるんですよ。

もうぜんぜんボクの言葉は届いていないなと思うし、マネーリテラシーの低い人って、収入があれば、そのぶん使っちゃうので、お金があるかないかの問題ではないのです。だからそれを説明するわけですが、全く通じません。

つまりマネーリテラシーが低い人に、投資の話をしても通じないという事なのですよ。

通じないので、話はかみ合わず一方的に違うと決めつけられ、話を中断させられるわけです。

なんかね、DV加害者プログラムの中では、そのプログラムに沿った意見を云わなくちゃいけないみたいで、あまりにも考える幅が狭くてボクには窮屈に感じます。

別のカウンセラーが仲裁に入ってきたので、その場は僕も彼女も黙ったんですが、なんだか納得できないんですよね。

もしかしたら、ボクはもうDV加害者更生プログラムで得るものはほぼなくなってきているのかもしれないと思いました。

離婚した当初のボクは世間からバッシングされているような感覚で孤立化していたので、ボクはこのDV加害者更生プログラムに参加して、同じ悩みをもった同じ仲間がいる、ある意味閉ざされたコミュニティーに居場所をもらいました。そして自分を見つめ直して再構築してきました。

だた、ボクの場合は他の参加者と違って、DV加害者更生プログラムに依存せず、独自に全方位の勉強もしていました。

基本的なボクの考えはリベラルアーツです。この複雑な社会で目の前の課題を解決するには、あらゆる見方や考え方が必要。それには自分の専門外の分野にも積極的に学びを求めて、一般教養を身に着けて解決にあたるという学問。それがリベラルアーツです。

だからこそ、金融の知識でもって彼の課題に向けて意見も出来たのです。また妻の計画性のなさと定義づけたのは脳科学からのアプローチです。彼の直感力だのみで生きてきた人だと分析したのは社会行動心理学からです。

しかし、今回の出来事を、見方を変えて分析すると、もしかしたらボクはもうDV加害者更生プログラムの閉じられたコミュニティーから自立したのかもしれないなと思いました。

リベラルアーツであらゆる分野を学び、知らず知らずのうちにボクは変化したのだと思います。

そういえば、息子が言ってたっけ。パパは離婚してからのほうが面白くなったっと。

ひとつの型にハマった生き方から、今は自分と家族の幸せのために、何が必要なのかという考えを軸に、ありとあらゆることにチャレンジしてたりします。

人生の幅が広がり、楽しい日々です。充実もしています。

だからもう閉じられたコミュニティーに居場所を求めずとも、自分で自分の事を認めて「ここに存在していい」と自分を認められているのかもしれません。

なんかいろいろあったけど、感謝しかないなと思う。


現場からは以上です。

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