【エッセイ】続編 トルコの友人 Dike 3.「トルコ流おもてなし」1/3
「今から家に向かうから、今日はゆっくりして明日に備えて。今日は飛行機で疲れただろうからリラックスして。」
車の窓から、彼女のもう一つの仕事場であるテレビスタジオを教えてもらい(なんと彼女は私が知らないうちに、テレビキャストも務めていたのだ)、車中では携帯電話で彼女のお母さんに挨拶した。
「今日はosmanのお父さんが尋ねてくるから、もっとお肉とかパンを買う必要がある。Leaは疲れてるから、一度家に帰った後買い物に出かけてくるね。」
ー「いやいや、このまま直接行った方が早いでしょ? スーパーに寄ってって!」
スーパーはその国を映す鏡であり、だからナッツの大きな量り売り場があるのも、伝統料理の何かのWrap(名前を聞いたが忘れてしまった)をその場で作って渡してくれるスタンドがあるのも、ラマダン期限定のパンが売られているのも、私にトルコを感じさせるのだった。
野菜とパン、お菓子(私がさっき彼女に、ドイツでいつもReis Crispy食べてたよねって話をしたから、それ)などを購入。トルコもレジでクレジットは当たり前なのだな。
***
彼女たちの住居は立派だった。想像通りといえばそうだ。生活水準の高さが一目瞭然だった。
ー 治安の良い整備された道路、入口では整備員が24時間監視する。
美しい外観の4階建ての豪邸。緑の生い茂る素敵な庭。猫。隣の家とは距離がある。敷地の中庭では女の子たちが遊んでいる。
私は用意してくれた室内用のサンダルに履き替えて3階に案内された。
風通しの良い部屋にマットレスとテーブル、その上にメモパットまで用意されていた。
「この部屋にはバスルームがついてるから、ここを使って。(扉を開けた。)トイレはウォシュレット付きなの!いいでしょ?ヨーロッパではこれがなくて自分で水を持ち歩く必要があったけど、トルコではこれがあるからいい。日本のトイレは最高!パーフェクト! シャンプーとボディ用の石鹸もあるから使ってね。後はドライヤーと..」
と言ってアイロンのかかったシーツやまくらカバー、バスタオル、トイレットペーパーなどをさっと運んできた。髪は短いからドライヤーは大丈夫と断った。
「疲れてるだろうから、とにかく今は寝たりシャワーを浴びたりして、20時とか15分過ぎとかに下に来て。あと私のWifiルーター持ってくるから。じゃあね!」
手を振って階段を駆け降りる彼女を見送った。
そのまま3秒ほど時が止まってからやっと身動きが取れた。
こんなに圧倒されたのは久しぶり。いくらなんでも準備が良すぎる。
こちらの旅の疲れを何度も気遣い、不便のないようにとことん考えつくされていた。それがただただ嬉しかった。
玄関からずっと靴下のまま履いていた、彼女が用意してくれたかわいい赤いサンダルを部屋の片隅に置き、私はシャワーの準備をした。