【エッセイ】 トルコの友人 Dike 1.「トルコへようこそ」1/3
これは私がトルコの友人、Dikeのもとに2019年夏に滞在したときの話である。
・森でナッツを拾い、叩き割る石と一緒に「食べて」と手渡したのがDike。
・一緒に申し込んだ小旅行に一人だけ超大量の荷物を携えてきたのもDike。
・見た目と別に、すでに私の倍の人生を歩んできたDike。
ー初めて出会ったのはドイツ。同じ寮で暮らす友人だった。-
ここはイスタンブール・Taksim。
約束のバス停から、万が一連絡が取れなかった時のために落ち合う場所に指定したPoint Hotel ロビーにも行ってみた。
彼女の姿はどこにもない。
しばらくホテルの傍で待機してみる。着陸した時からこの暑さは目に見えて分かった。夏が近づく6月初め、行き交う人々は眩しそうに眉をひそめながら辺りを通り過ぎていく。
「Taxi、Taxi?」
道行く人に声がかかる。声をかけてもそれがあまり有効ではないことを分かっているため、タクシーの運転手はこちらの返事には関心がないかのように気だるそうに口を動かす。彼の背後に目をやれば、6台ほどが待機しているのが見えた。みんな利用者の訪れを待ち焦がれていた。
いい加減、ネットに繋げないのはまずいだろう。
ー彼女は来ない気がした。
現地SIMなしWifiスポット限定生活に一時別れを告げ、彼女からの連絡を期待し携帯を回線につないだ。 WhatsUpのメッセージがどっと流れ込む。
ーよかった、その中に彼女からのメッセージがあった。今必要なのはこれのみ。
ーあれ、想像と違う内容。
「Hello Lea! Omarが迎えに行くから、その車に乗って私のOfficeまで来て!」
その下には1枚のツーショット写真が添付されていた。