らぐな

本ブログの内容は情報提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で作成したものではありません。投資の最終決定は、自己責任でご判断ください。情報の信頼性には注意して掲載しておりますが、確実性を保証したものではありません。

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最近の記事

筆者の投資感

 本ブログでは、基本的に「自分語り」や「自慢話」、「体験談」の類の内容を書く事は少ない。これは筆者がこれらの他人のポジショントークを「つまらない」と感じる性分なためで、他人が読んでも面白くないだろうと思っている。筆者は感情的ではなく、客観的で論理的に整理された文章が好きだ。  しかし、今年は筆者の投資感に多大な影響を与えた人物(筆者にとって身近な人ではない有名人の一人だが、本稿では個人の特定を避けるため敬意を込めて「師匠」や「氏」と書く)が他界された。氏について書くにあたり、

    • 「歴史的円安」に感じる違和感

       2024年現在、日本円は「歴史的円安」になっているらしい。日本が貧乏になっている、円が弱くなっているとマスコミも自称専門家も大騒ぎだ。本稿執筆時点で、ドル/円相場は1ドル=160円前後で推移している。これは歴史的な出来事で歓迎できない、という主張だ。  しかし、少しでも物事を自分で調べる能力がある人は、このような情報をすぐに鵜呑みにしたりしないだろう。過去の為替相場くらいは、ザッと確認したくなるはずだ。調べてみると、1970年前後はドル/円の為替レートが、1ドル=360円程

      • お金の持つ自由について考える

         日本ではお金の話(特に投資や資産運用の話)はタブー視されている感がある。投資は「楽して稼いでいる」という印象があって、汗水垂らして稼いだお金に比べて、あまり感心されないようだ。しかし、投資で稼いだ100万円でも、労働で稼いだ100万円でも、資本主義経済の中にあって持っている力は同じだ。本来色がついていない「お金」に変な色を付けて考えるのは無知な人間のすることだ。お金とはシンプルに、そしてドライに付き合いたい。さて、本日はそんな嫌われ者(?)なお金の自由について考えてみる。

        • 株高に対する考え方

          2024年は年初から株高に沸いている。日経平均は〇〇年ぶりに節目の〇〇万円を突破したなどと、メディアも個人投資家も目の色を変えて喧伝している様子だ。2024年は新NISAが話題になったことも手伝い、多くの人が投資に関心を持った。最近は筆者の周囲でも、株や投資に関する話題や議論を耳にする機会は、昨年までとは比べ物にならないくらいに増えた。少し前までは「株なんて危ないから辞めとけ」というニュアンスの意見も聞いたが、最近はすっかり聞かなくなった。 一方、現在が株高(と思える株価)だ

          「利食い」の真実

          「利食い」は合理的な投資行動としてはおかしい 投資の世界には「利食い千人力」という使い古された格言がある。株式や債権などに投資を行い、含み益が出ている状態で売らずにいると、相場が反転して利益を取り損なうことがある。そんな本末転倒な結果にならないように、利益は確定できる時に確定させておけ、という意味だ。 しかし、利食いは冷静に考えると不可解な点が多い。巨大な株式市場において「自分のポートフォリオに含み益が出ているから」などという、控えめに言って無価値な情報を頼りに投資判断(利

          「利食い」の真実

          「銘柄選択」は不可能であるー未来は誰にもわからない

          銘柄分析 テンバガー銘柄(株価が10倍になった銘柄および今後なると思われる銘柄)を始め、古来より「勝てる銘柄」を探すために投資家は躍起になっている。2002年にマイクロソフトに100万円投資していると、2022年には1,800万円を超える。日本でも10年ほど前、スマートフォンゲームの草分けだったガンホー(GungHo)の株価は2012年7月〜2013円5月までの約10ヶ月で170円→16,000円程度まで暴騰した。「もし」この時期にガンホーに100万円投資していれば、たった

          「銘柄選択」は不可能であるー未来は誰にもわからない

          投資の主役は株式であるー「自称資産」についてー

          そもそも資産とは何か? 資産運用を考える時に、当たり前だが運用する資産対象を決める必要がある。株式、保険、不動産、コモディティ、貴金属など「資産」と名のついたモノは多く存在する。投資の原則は「長期、分散、低コスト」であるが、運用対象の流動性や形態の柔軟性も重要だ。 ※流動性・柔軟性が高いとは「売りたいときにすぐに売れる」「必要分だけ現金化できる」など、未来の状況変化に合わせて資産の形を変化させやすいことだ。例えば「不動産」は人気の資産とされているが、売りたい時に相場ですぐ売

          投資の主役は株式であるー「自称資産」についてー

          業種分類について

          ※文中に出てくる数値は全て本稿執筆時点のものです 業種分類 企業はさまざまなサービスや商品を世の中に提供することで利益を得る営利団体であるが、「どのような商売で利益を得るか」は千差万別だ。商品を販売している場合もあれば、サービスを提供している場合もある。 このような「商売の分野の違い」をグルーピングしたものを「業種分類」と呼ぶ。投資の3原則は「長期、分散、低コスト」であるが、業種分類が商売分野の違いを示しているのであれば、「分散」を考える際に業種分類が利用できるはずだ。

          業種分類について

          日本はオワコン?ー日本株への投資は愚かな行為か

          日本人は日本株が好きではない 最近では投資をするなら海外(米国、中国、インドあたりがトレンド)ということになっている。表現の違いはあれど、このような趣旨の主張はさまざまな媒体で見聞きする機会が多い。特に米国株の人気は特出しており、インフルエンサーを中心に、日本はもう成長していないから米国に投資せよっと熱心に勧めている。その影響か不明だが、eMaxis Slimシリーズ(三菱UFJ投信)のインデックスファンドのラインナップでも、米国S&P500に連動する商品が最も買われている

          日本はオワコン?ー日本株への投資は愚かな行為か

          アンチ株主優待論

          株主優待 株式を保有する動機として株主優待は大変人気だ。企業が自社の株式を保有している「すべての株主」に対して株主優待と呼ばれる特典を用意することで、自社株の魅力を高めようとしている。 読者の中にも株主優待を目的に特定の銘柄株を保有していたり、これから買おうかと考えている人もいるかもしれない。 確かに株主優待には「企業側から見て」いくつかの利点があるように見える。 ・「株に詳しくない人にも株式を保有するメリットを伝えやすい」 ・「投資家側の値下がりに対する感受性が鈍く

          アンチ株主優待論

          資産運用は年金から学べ

          GPIFとは GPIFとは「年金積立金管理運用独立行政法人」の事で、その名の通り国民年金を管理・運用している公的機関であり、「日本最大の機関投資家」だ。 ご年配の方であれば「年金福祉事業団」(通称「年福」)の後続機関と言えばわかるだろうか。 GPIFは国民年金を預かるその公共性から、運用レポートや構築しているポートフォリオ情報の大半が公開されている。 2023年度第1四半期の運用実績を確認すると、運用資産は約219兆円だ。 ちなみに、財務省が公開している令和5年度の日本

          資産運用は年金から学べ

          「全世界株式インデックス」について思うこと

          全世界株式インデックスとは・全世界株式インデックス 近年は、少額でも幅広い分散投資が可能な「インデックス投資」(「パッシブ投資」と呼ばれる事もある)が存在感を増しており、その有用性も広く認知されるようになってきた。 ただ、一言にインデックスと言ってもその数は年々増えている。 そんな数あるインデックスの中でも近年注目されている「MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)」への連動を目的とした低コストのインデックスファンドが次々に誕生している。 有名

          「全世界株式インデックス」について思うこと