ガンジスでぼられた180円、されど180円
昨夜、宿のオーナーに、「明日の朝、朝日を見ながらガンジスを周遊できるボートに参加したい」と言ったら、「朝6時にフロント集合」と言われた。
なので朝5時過ぎに起きて、歯を磨きながらYouTubeを見ながらせっせと腹筋してたら、誰かに部屋をノックされる。
ドアを開けると宿の御用聞が、「もうボート出るよ」と言うので、「え?朝6時って聞いてたけど」と言ったら、「もうたくさんボート出てるよ」と。
窓を開けると、確かに空がうっすら明るくなってきてるではないか!!
急いでパジャマのままキャップをかぶって下に行くと、オーナーが手配してくれた私のボートドライバーが待ってくれた。
インドって時間にルーズって勝手に思ってたけど、全然そんなことなくて、むしろ予定より早くいることが断然多いから焦る。
◇
ドライバーはミキさんと言って、結構イケメン笑。
インド人にタイプな人はいないと思ってたけど、彼はタイプかもしれん。(何様)
ミキさん、最近娘が生まれて、生後2ヶ月らしい。
稼がなあかんな。
ミキさんによると、このガンジスのボートドライバーは観光に来てる日本人と付き合って、最終的に結婚する人がめちゃ多いと。
だからバラナシにはボートドライバーの日本人嫁がたくさんいるらしい。
確かに、日本人って旅先で日本語話せる現地人に出会うと安心しちゃうのよね。
私も独身だったら、ミキさんとご飯くらい行っちゃいたかったかも笑(誘われないから安心しろ)
◇
ミキさんは聞けばなんでも答えてくれる。
このボートは日本円で170万くらい、人数が少ないやつだともっと安いし、もっと高い2段ボートもある。
雨季は川の水域が増えるからボートは出せないらしい。
だからお祭りなどの繁忙期に、がっつり稼ぐしかない。
今日は一人だけど、混む時期はこのボートに20名乗せるらしい。
一人で良かった、、、。
◇
ボートは私一人だけだったのでかなりゆっくり出来て、朝日が昇る中、ガンジスで体を潔めるヒンズー教徒の沐浴を見て、いよいよボート周遊のメインである火葬場へ。
と、船を火葬場の近くで停留すると、やや目つきの悪いインド人が、いきなり船に乗ってきてガイドをし始めた。
「僕は近くのホスピスで働いてて、そこの老人を看取ってるんだ。亡くなったら遺体をクリーニングをして、この火葬場に連れてく。遺体を焼くときの薪はバナナとかマンゴーの木なんだけど、1体焼くのに100キロの木が必要でだいたい3千本くらい使うんだよ。この薪代は全部ドネーションで成り立ってて、君もドネーションしないか?」と。
「薪代(まきだい)」
これは、この火葬場付近にいる怪しいインド人が唯一話せる日本語で、「まきだい、まきだい」と言いながらすごい近づいてくるとガイドブックに書いてある。
なので最初聞いた時は、噂の薪代キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!と思って、「お金ない」って断った。
でもその目つき悪い彼が、火葬場のことを詳しくガイドしてくれるうちに、チップくらい払ってもいいかなと思い始めてきた。
あと、この船に目つき悪い彼が乗ってきたってことは、ミキさん公認の人なのかな?と思ってしまったこともある。
んで50ルピーくらい渡そうと思ったんだけど、財布を見たら一番小さいお金が100ルピー(180円)しかなくてそれを渡した。
そしたら、目つき悪い彼が「薪代ありがとう」と言うから、「あ、それ薪代じゃなくてあなたへのチップだよ」と言ったら、「いやそんなこと悪いこと出来ないよ!!薪代にするね」とウインクして足早に去る。
絶対ウソだろ。
◇
その後ボートを走らせたらミキさんが、「君!あれは信じちゃダメだよ。薪代は嘘だから」と。
「あ、でもそれはわかってるんだけど、ガイドしてくれたしチップの意味もあって」と言ったら、「だめだめ。あいつらは悪いやつだから渡す必要なかった。Don't believe」って。
があん、、、
でもじゃあなんでミキさんは、目つき悪い彼が自分の船にいるのを許したんだ?って思ったんだけど、もしかしたら目つき悪い彼は「チーマー」みたいな人で、船から無理に追い出したりすると何されるかわからなかったのかな?と。
あくまでも持論ですが。
くおおお、悔しい!
イケメンミキさんは朝から晩までボート漕いで頑張って働いてるのに、チーマーは人のボートに乗り込んでチップをせびる!!
てかガイドのチップって思って渡したけど、チーマーがガイドしてくれた内容って、なんならミキさんでも話せただろうし、大事な私とミキさんの二人の時間に(勘違いw)割り込んできただけやん!!
しかもどうせなら「ドネーションの薪代」なんてお涙頂戴みたいに言わずに、「ガイドしたからチップくれ!」ってハッキリ言ってもらった方がまだいいわ。
まあ、これでこそインドだけどな!!!
ってことで、ちょっと落ち込んだけど、100ルピーは勉強代だと思って気持ちを切り替え、ミキさんにはチーマーより高いチップ(と言っても300円くらい)を支払った。
◇
インド旅行を楽しむために私が決めていたことの一つに、「ある程度の観光客価格は許容しよう」ということ。
若い頃バックパックでアジアを周った時は、一円でも安くと思って、市場のバック一つ買うのも30分くらい交渉してクタクタになったり、出来るだけ安い移動手段、常にぼられてない疑って(実際に今よりぼったくりも相当多かったと思う)って感じの貧乏旅行をしてた。
でも今は「私がこの人たちの立場だったら観光客価格設定したくなるよな」って思うし、むしろこれが彼らの生活の足しになるなら使ってくれ、と考えるようになった。
私べつにお金あるわけじゃないけど、気持ちよく旅を楽しむための気の持ち方というか。
ある程度、上乗せして払うとその後の対応もすごい良くしてくれるしね(人によるけど)。
でもでも、今回のチーマーの件は、「ぼったくり」というか気持ちを踏みにじられた感がして後味悪かった。
、、、
とういうことで、噂の「薪代」MAKIDAI、私も払っちゃいました。
◇
あ、ちなみにインドはUberが使えてかなり便利。
事前に値段もわかるから、ぼったくりとは無縁。
チップ払いたかったら乗車後にUberのアプリで送れるし、ストレスなし。
インドのUberは、呼ぶと暗証番号が送られてくるので、それをドライバーに言うと乗車成立します!!
Uberは一度使うと本当に便利すぎて、「なんで日本にないんや!!!」と悔しく思うアプリですね。
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では、ナマステ~~