見出し画像

少年狂時代♪その6

第6章
【今そこにある危機】


先生は「ガマンできそう?」とまだ無駄な、問いを行っていた。

安川君は半泣き状態で 答えようとしない。

私は考えていた。

(もし「もうガマンできません」と彼が答えたら
先生はどうするのだろうかと??)

幼い私の出したベストの答えは
『バスを停車して道の端にうんこする』というものだ。

それ以外に 考え付かなかった。

否!!

どこかの国の角刈り独裁者でも、そう答えるはずだ!

勝手に、隣国の角刈り独裁者までも味方に
していた!

もし、「その時」が来れば先生も、
私と同じ答えを選択するだろうと・・・

しかしそう、
ここは中央フリーウェイ・・・

今、大人になった私ならこの状況が如何に危ないかは理解できる。

大型トラックや宅配便、一般車が隙間なく、連続して、時速80~100キロで高速走行を、
行うフリーウェイなのだ。

大型バスが長時間留まる事、
そこから数人がバスから降りる事は、
危険極まりない。

もし事故になれば、大けが、いや命の保証も危うい。
クラス全員の命を賭けた判断だ。

しかし、当時、小学生の私の脳裏に、
そんな状況は理解できる訳も無い。

今、目の前で起きようとする危機を、
回避する事だけしか考えが及ばなかった。

先ほどまで見えていた他クラスのバスは、いつの間にか見えなくなっていた。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?