ホストを好きになった話 ♯1
ちょうど去年の今頃は離婚話が出ていた頃だ。この時はまだハッキリと離婚するとは決めていなかったが、概ね離婚はするだろうと思っていた。なので、当時一緒に仕事をしていた仲の良いクライアントさんに離婚を考えている旨を報告。その時、クライアントから言われた第一声は
「ちょうどいい。それならホスト行こう」だった。
いやいや......w
行くわけない(笑)てか、マジで行きたくない。
と、心の中で激しい拒否反応が出た。
ホストなんか嫌いだもん。女に恋させて貢がせるのが仕事なんだから。もちろん、そういう仕事そのものは否定しないし、行く人のことも否定しないけど。私は好まないし行きたくもない。のらりくらりと返答をかわすも、一度こうと決めたら意志を曲げないクライアントはもうその気満々。いつ行く?と予定をその場で立て始めた。
|ホストは話が面白いって誰が言ったんだコノヤロウ
押しの強いクライアントを横目に「でも、これも人生経験の一つか。誘われない限り、自分の意思で足を踏み入れるような場所じゃないし。それに初回は数千円で飲めるとあれば1回行くぶんにはまぁいいか」と思い、誘いに乗った。結局その人に連れられて通算3回ほどお店に行くことに。なんだかんだと意外と楽しんでる自分(笑)
いちばん最初に足を踏み入れたのは、大手グループ店の1つ。クライアントリサーチによるとイケメン揃いらしい。で、私はというとものすごくソワソワした様子の素人感満載で入店。5〜10分ごとに代わる代わるホストが隣に座り始めるが、別に全然イケメンじゃない。なんなら私の男友達のほうがはるかにイケメンだ。それも整形じゃなく天然の。
とはいえ顔に期待など微塵もしていないので話さえ面白かったらそれで良いと思っていた。......が、めちゃくちゃつまらん。慣れてないのかな?話の持っていき方に迷う人もいれば、自分の営業スタイルに合った方向性に話を無理やり持って行こうとする人もいた。とりあえず、こちらの求めてる話をうまく対応できる人はその店にはいなかった。続く2軒目も然り。
それどころか図々しく隣に座ってきて、いきなり「俺ってさ、かっこ良くない?」とか真顔で語る始末。え。それはネタなの?そういうネタなの?だとしたら、なんかもうちょっと冗談っぽいアレがあるじゃん?でも、こいつ真剣な眼差ししてるよね。まさか本気で言ってんの?で、それにどう返答しろと.....?と、一方通行すぎるコミュニケーションが理解不能すぎて、何も楽しいとは思えず。ホストと私はやはり相容れない人種だと確信。
もういい加減、行きたくないと思いながら、また誘われるまま3軒目に足を運んだお店は、存外楽しかった。
|ノーインプレッション
3軒目のお店が楽しいと感じたのは、どのホストもちゃんとこちらの話を聞いて受け答えしてくれたから。それでいて色恋を無駄に仕掛けてこようとしない姿勢が私には好印象だった。そう、普通でいいんだよ。普通で。でも、多分常連になるお客さんはそういう普通を望んでないからあーいう営業スタイルになるんだろうな。
3軒目の店でもこれまた何人かのホストが短時間で入れ替わる。入店して30分くらいたって席についてくれたホストが、実は今の彼だ。とはいえ、初回で話した内容なんてほとんど覚えてない。覚えてたのは「俺、今二日酔いなんですよね。酒臭くないですか?」という一言だけ。しかもそれに対しての返事も「へー」くらい。
営業終わりに彼からお礼のLINEが入った時も「あれ、なんの話してた子だっけ?」と、思い出すのに数分はかかった。
|既読スルーは時間を置くのが有効らしい
失礼な話だが、私は絶対ホストを好きになることはないとタカをくくっていた。実際にお店に行って、その店の新人からNo.1ホストと様々に接してもこれっぽっちも気持ちが動かない。もう無。凪。
3軒行ったお店すべて合わせて10人程度のホストとLINEの交換をしたが、連絡も面倒で1回返信したあとは既読スルー。もちろん、その後も営業LINEは来るものの一切応じない。無駄に電話営業する人もいてそういうホストは即ブロック。いわば、私のようなホストに行く気のない客はホストからすれば取りつく島もないし、関係を築こうにも築けない。だからそれっきりと思っていた。
もちろん彼のことも1回お礼の返事を送ったあとに既読スルーしていた。一週間後にスタンプ1個送られてきたがそれも無視。なのに初回来店から半月経って、またLINEが来た。この時、半月経っても初回のお客さん追っかけるって頑張るなーと思わず感心したので気まぐれに返事。それ以降、今日まで1日も連絡を取らない日が続くなんてあの時の自分は想像もしなかった。今思え返せばだが、時間を空けてからも連絡をしてくれたということが自分にとっては少し嬉しかったのかもしれない。
あぁ、サクッと紹介するつもりがだいぶ長くなりそうなので、続く。
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