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終わった恋のメロディー

何となく思うところあって好きなものを緩〜く、でも先延ばしせず綴っていこうかと思ったりしました。
いつかいつかってしていると、永遠に来ないかもしれないし。
何だかそれはとても悲しいので。

そんなこんなでシャ乱Q「シングルベッド」です。
この曲はそこはかとなくモラトリアムな匂い。
債務支払猶予ではなく、社会的責任を先延ばしにする青年期の方。
大学生っぽいなと個人的に感じます。
今では信じられないですが、ほんの少し昔には大学に進学したお祝いとして親が子どもに車をプレゼントなんて時代があったのです。
まぁ中古だったり軽自動車(ミニ)だったりもあったけど、かっちょいい新車を買ってもらうボンボンもいたり。(あえての死語満載)
自分はその時代、大学生していませんけどね。

『車変えても』

は、親に買い与えられた最初の中古車(もしくは軽)を自分好みに買い換えているイメージです。

『恋は石ころよりもあふれてると思ってた』

も、周りに女子がゴロゴロいるんだろうなと思えるフレーズですし、

『どっちから別れ話するか賭けてた』

なんかは、付き合うことがまだまだ重くない「いつでも手放せる軽さ」を感じます。
お互いが等しくこの軽さを持てる期間って限られていて、アラサーになってくるとまず難しい。
2年付き合ってたら余計に。

しかしまぁ、そんな歌詞に対する講釈はどうでもいいのです。
自分がこの曲で一番「くる」のがギターソロ
30秒ほどのギターソロが、なんでこんなにも心惹かれるのだろうと不思議になるくらい鷲掴みです。
歌詞も切なくて女々しくて良いのですが、「シングルベッド」の醍醐味は演奏部分じゃないかと個人的には思います。
ギターソロ以外もGoodです。
同じフレーズが繰り返し登場しますが、前奏・間奏は切なさにほんのり甘やかさがプラスされているのに対して、曲の終わりは切なさオンリーです。
「あー、つらっ・・・」ってボヤきたくなる感じ。
「1年経ってんのに、まだ引きずる?俺・・・」っていう雰囲気。
控えめに言って秀逸です。(何様?)
そこにギターソロ。

『あの頃にもどれるならお前を離さない』

の後のギターソロ。
胸を掻き抱くような、骨が軋むような、言葉にならない嗚咽
を感じます。
一人になったシングルベッドで、つうっと涙を流すこともたまにはあったかもしれない。
でも、あの頃と同じ風の香りを不用意に嗅いでしまって、感覚を過去に持っていかれて、記憶じゃなくて五感で覚えている彼女の感覚が蘇って・・・
狂おしく乱れる気持ちは理性では抑えられない。
そんなギターソロ!!
泣ける。

あの旋律は30秒よりももっと濃厚に心を奪います。
今でも楽曲を聴くと「こんな短かったっけ?」って思いますし、聴くと暫く耳から離れません。そしてまた聴きたくなるループ。

シャ乱Qって最初はトンチキな格好していたコミックバンドみたいな出で立ちだったのですが、「男ってそんな強くないよ」って歌った曲が多くて男心も女心もくすぐったんじゃないかなと思います。
見た目で損をしたタイプなのかな。
でも「男だからって鉄人じゃないよ」ってメッセージは、「本質を見てや」ってことだから、見た目はあれでもいいのかもしれない。

以上、音楽を聴くキッカケになったシャ乱Qのお気に入りでした。

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