大腸癌になった話7(検査結果を聞いた日)
検査結果を聞いた日の話です。
診察室に入ると、検査の時の医師がおり、パソコンのモニターには内視鏡検査の際に撮った大腸内の写真が写っていました。
机の上には一枚紙があり、ぱっと見てその中に「癌」という字を見つけました。
癌て書いてあるやん…と思いながら椅子に座ると医師の説明が始まりました。
まず、「盲腸に7㎜くらいのポリープがあって、これは検査の時に取りました」といくつか画像を見せてくれました。
ピョコっと細長いものが腸の壁から生えていて、次の画像には取った跡が。
「これは腺腫と言って、特に問題なくて、問題はもうひとつの方…」と今度は画面を切り替えて例の塊の方の画像を見せてくれました。
手元の紙にボールペンで大腸の絵を書きながら、「さっきの腺腫はここ。この大きい方は、S状結腸というとこにあって」と大腸の絵に塊を加えていきます。
「今回の検査は患者さんが苦痛を感じない様に一番細いカメラを使ってます。拡大内視鏡というもう少し太いカメラで精密検査した方が良いです。」
机の上に置いてある紙をもう一度見ると「検査報告書」というタイトルで、中には「腺腫」という文字がある行と、「早期大腸癌」という文字がある行を見つけました。
癌って言わないなぁ…と思いながら、「えーと、ただのポリープじゃないかもってことですかね?」と聞くと
「はい。なので紹介状を書くので、大きい病院で精密検査を受けた方がいいです」
との答えだったので、さらに
「検査してみたら癌じゃなかったねってこともあるってことですか?」と聞いてみました。
答えは
「経験上それは無い」
癌じゃん、と思いながら自分の口から出てきた言葉は「なるほど」でした。
正直、あまりショックとかは無く、癌にはならないとなぜかずっと思ってきたけど、これは想定外だなーという感想でした。
癌だったパターンの治療法等は調べていなかったので、この後の流れが俄然気になってきて、医師に
「精密検査した後ってどんな感じになるもんなんですかね?」と聞いてみると、丁寧に説明してくれました。
まず、今回の大きさは実はぎりぎり検査のときに使った内視鏡でも取れる。
癌のステージとしては初期の中期くらいだと思う。ただ、癌が怖いのは転移である。
周辺のリンパ節に転移しているかどうかが重要であり、癌が腸壁に深く出来ている程その可能性が高まる。
内視鏡で切ってしまうと、進行度を調べるのに悪影響がある場合があるので、精密検査をして進行度を確認した上で適切な処置をした方が良い。
ということでした。
転移という言葉を聞いたことで、急に自分の真剣度も上がりました。
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