体と薬と健康と・・・第23話 ”睡眠”とサプリ
皆さんこんにちは。
薬剤師の豊島です。
21話・22話と2回にわたって睡眠と
不眠によい「漢方薬」の話をさせていただきました。
最終回の今回は「サプリメント」についてお話しします。
不眠におすすめの成分
すこやかな睡眠を期待するサプリメントとして
代表的な4つの成分はこちら。
GABA
グリシン
クロセチン
L-テアニン
GABA
GABAは食品などにも
表記されていることがあるので、
知っている方も多い成分かと思います。
「γ-アミノ酪酸:Gamma-Amino Butyric Acid」の略で、
ギャバと呼ばれています。
単純に言うと、アミノ酸の一種です。
人間の脳にも存在していて、
緊張やストレスをやわらげ、
脳の興奮を鎮めるはたらきがあるといわれています。
また、睡眠の質を高めたり、
血圧が高めの方の血圧を下げたりする機能があることが報告されています。
グリシン
グリシンは、
体内で作られるアミノ酸の一種で、
体に広く存在しています。
神経ネットワークの情報のやりとりにも関わるアミノ酸であり、コラーゲンの1/3を構成しているアミノ酸でもあります。
グリシンを摂取することで
体の隅々(末梢)の血流がよくなり、
熱の放散を促すことで、
睡眠と深い関係のある「深部体温※」が低下し、
睡眠の質が向上するとされています。
クロセチン
クロセチンは
クチナシの実やサフランに含まれる
黄色の天然色素で強い抗酸化力を持っているとされています。
「カロテノイド」の一種で、
トマトに含まれる「リコピン」や、
ニンジンに含まれる「β-カロテン」などの仲間です。
報告されている機能としては
眼精疲労の改善・睡眠の改善・良質な眠りをサポートする
などで、睡眠に関しては
夜中に目が覚める回数を減らしたり、
眠りをより深くして起床時の眠気や疲労感などをやわらげるようです。
L-テアニン
テアニンは、お茶に含まれるうまみ成分の一種で、
高級なお茶ほど多く含まれています。
リラックス効果があることが報告されていて、
就寝前に200㎎の摂取することで寝つきがよくなった、
夜中に目が覚める(中途覚醒)が改善された、
よく眠れた感じがする・・・など、
睡眠の質の向上における自覚効果の改善が報告されている成分です。
日々の睡眠の質を高めて、
翌日に気持ちよく仕事やスポーツに
打ち込む手助けをしてくれるサプリメント成分といえるでしょう。
4つの機能性表示成分を含む
サプリメントをご紹介しました。
人によって合う・合わないもあるでしょうが、お悩みの方は試してみるのもいいでしょう。
また、ビタミンにも睡眠に関係するものがあります。
まずは「ビタミンB1」。
中枢神経や末梢神経の機能を
正常に保つはたらきのあるビタミンで、
不眠症のリスクを高める神経の過度な興奮や、不安感を引き起こすのを防ぐ助けをしてくれます。
「ビタミンB12」は
光感受性を高め、
体内時計を整えるはたらきもあるとされ
睡眠のリズムを整えるのを助けてくれますよ。
さて、3回にわたって
『睡眠と不眠のこと』『睡眠と漢方薬』『睡眠とサプリメント』についてお届けしました。
すこし難しい話もあったかと思いますが、
少しでも興味をもっていただければ幸いです。
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