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幕間

今回は別地方に住む友人と会った前回の話より数ヶ月前の話になる。いつもより具体的な内容に偏った話になっているので幕間とする。


転院先の病院は、パートナーと昔住んでいた街だった。この建物が病院だともよく知らずに過ごしていた。

先生は某芸人に似ていると思っていたが何度も顔を合わせれば合わせるほどそんなことはなかった。

蛇足だが、内診台に乗る前に綺麗な顔の看護師さんが「ではおショーツを取って頂いて」と説明をしてくれた時「それは直訳したらおパンツでは」と一瞬で脳裏に過ったりした。

物静かで優しく、ただし早口で声が小さいので色々聞き逃してはいたが、この先生はいつも「次で妊娠できるといいなと思っている」という旨を毎回言っていた。それが、私の体を信じてくれているようでうれしかった。

転院前の病院では次回の予約の時に「次の生理の時でいい」「生理がくると思うので」と基本的にそういう未来ではない前提で話していた。まあそのほうが普通かなと思うので気にしたことはなく、今の先生がそういうスタンスだから気づいてしまっただけのことだ。


人工受精や体外受精といった手法を開始する前に、検査が数多くある。検査だけであれば一般的な婦人科でも行うことができることも多い。

これらの検査の途中で授かる人も少なくないし、検査で何も異常はないが人工授精などに取り組んでいく場合もある。健康診断のようにいっぺんに全部できればいいのだが、ホルモンバランスの状況と、おそらく診療点数の関係で毎月1つずつくらいしか検査はできない。血液検査ぐらいならまだよくて「無茶言うな」みたいな検査もあるし「明日から人にやさしくしよう」と思うぐらい辛い検査もある。

私は血管がもろいのか、血液検査はほとんどもう一回があるタイプだ。「どちらの腕がいいですか」と聞かれるがお姉さんたちが取りやすいほうならどちらでもいいので両腕を差し出す。どちらでもいいといってるのに両腕を見ることなくとりあえず利き腕じゃないほうを選び、血がとれず、もう一度…となったときとか、打ちどころが悪かったのか、針を刺した奥が痛すぎて抜いてもらったこともある。あれはなんだったのか。数日痛んだ。文句がましくもなるが、ハズレの腕で申し訳なくも思っている。痛みには比較的にぶく注射も怖くないほうなのだが、何度もこういうことがあるとちょっと怖くなる人の気持ちもわかる気がした。

いろいろな検査はあるが、「この日の朝に致してその足で病院に来てほしい」という検査がベストオブ「おまえ何言ってんだ」検査だった。

転院前の病院でもこの検査をした。一般的な婦人科のためか適切な時期を選ぶことが困難だったようで「もう一回お願い」を3回されてさすがに私も同居人も「いい加減にしろ」と思ったものである。

3回ともいい結果が得られなかったところでぽつりと一言、「まあそんなに意味のある検査じゃないから…」と言われたところで転院を決めた検査でもある。転院を考えていたタイミングでもあったので、会計を済ませて少し外を歩いたところで現在の転院先の病院に電話をしたら、「明日なら初診の枠が空いています」とのことで勢いで翌日から慌ただしく転院した。 

転院前の病院に通っていたころは不安要素も多く、以前のnote(過去記事「抗う心の音」あたり)でも記録しているとおり自分自身も不妊治療の検査を始めたばかりで気が張っていて基礎体温や自分のメンタルが乱れがちだった。最終的にホルモン治療薬を処方されたが、それが私の体には(乱れがちといっても)不要で誤診であったと転院先の病院で知ることになった。

ちなみに転院先でも何言ってんだ検査を行うことになったのだが、1度でよい結果を得ることができた。時期を外すとうまくいかないようである。



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