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未来のオフィスを創造する - RICOH 3L / PRISM : サウンド・音響のプロデュースからコンテンツ企画・制作までチームアップ

Client:株式会社リコー
Year:2019〜
Expertise:コンテンツ企画・提案 / サウンドプロデュース・サウンドデザイン / 楽曲・BGM制作 / 音響設計・施工

"はたらく"に焦点を当てた新しい価値創造事業

RICOHは「”はたらく”に歓びを」テーマに掲げている企業です。一般的に事務機器などのメーカーとして有名ですが、"はたらく人”に焦点を当てた、新たなオフィスの空間・環境デザインのプロジェクトも行なっています。LADERは2019年からそのプロジェクトにジョインしました。

サウンド・音響のプロデュースだけでなく、コンテンツの企画・制作からRICOHとチームアップし、体験設計を構築。本記事では、LADERが携わったプロジェクトをご紹介致します。



未来のオフィス・3Lへの挑戦

3L

“はたらく”の実践型研究所、3Lとは?

💡  ポイント
・生産性やクリエイティビティを高める空間 / 環境設計
・人の動きや発話、コミュニケーションの状態を考慮した流動的な音響演出

パンデミックをきっかけに働き方に選択肢が増えた今こそ、人が集まり対面で仕事をする意義や、オフィスの必要性など、リアルで「会う」ことの意味を問い直す必要があると考えました。

そこで企画されたのが3L。はたらく”歓びを追求しながら、生産性やクリエイティビティを加速させる実践型研究所、未来のオフィスモデルです。

3L
3L
3L

洗練されたデザイン家具や植栽をはじめ、集中して議論を交わすことのできる会議室、プロトタイピングを実現するラボ、偶然の出会いをうながすカフェ&バー。

個人が快適に仕事ができるだけでなく、それらが連続して繋がっていくことで、生産性に加えチームの創造性が発揮される場所になることを目的に設計されています。

BAR LIFE WORK
BAR LIFE WORK

また、3Lには最も人が集まるBAR LIFE WORKというスペースがあります。3Lの建物内で活動する全ての人の動きや発話、コミュニケーションの状態をセンシングし、BAR LIFE WORK内の音響演出にリアルタイムで反映させています。

フィールドレコーディングを中心とした”音の庭”をイメージし、まるで3Lが生きている存在かのように、建物の中で人々が活動的に賑わうほど、豊かな自然環境音が生成されるようなサウンドデザインを手がけました。


創造力を刺激する未来の会議室・RICOH PRISM

💡  ポイント
・統一感と没入感を意識したサウンドデザイン
・目的に応じたクイックな変化に対応可能な音響空間のプロデュース
・体験設計、コンテンツ企画からプロジェクト全体に参加

RICOH PRISM(リコープリズム)はチームのクリエイティブな「気持ち」を高める、新たな体験空間です。会議室やメディテーションルームなど、目的に応じて姿を変えます。

この空間では、光がチームの感情や考えを反映し、その時々にぴったりの音がムードを盛り上げます。香りや触感まで駆使した緻密な空間演出が、一人一人の脳細胞を刺激し、チーム全体の創造力を高めてくれます。

RICOH PRISM
RICOH PRISM

RICOH PRISMの音響設備設計・サウンドプロデュース

・8つのサラウンド配置のスピーカー
・ステレオ出力の2つのスピーカー
・ウーハー1台
上記で構成される計11チャンネルのマルチチャンネルスピーカー配置を設計

会議室、メディテーション空間、フィジカルチューニングをする部屋など、用途が変化することに対応して、マルチチャンネル出力による没入感を演出する音作り・適切に誘導するナレーション設計など、目的に応じた音響空間をデザイン。クイックな変化にも対応できる音響設備設計をしました。

さらに、"意図的にフロント面を設けない"という空間設計に合わせ、どの位置に立っても豊かな音体験が可能となっています。

また、プログラム毎のテーマを表現しながらも、PRISM全体を通して統一感のあるサウンドプロデュースを行いました。

✅ LADERは3L / PRISMの音響プロデュース、音楽演出制作、音響設備の導入だけでなく、企画提案・体験設計の構築からプロジェクトの全体に参加しています。

LADERが携わったRICOH PRISMのコンテンツ例

ANIMA:身体をスキャンし、自身と対面する

壁4面+床の計5面との映像投影と、計11チャンネルのマルチチャンネル音響で、自分のANIMA=魂と対面する、音と視覚によるアート体験の音楽演出を制作しました。

ANIMA

体験者は自身の姿をスキャンされながら空間に没入し、最後に再構築された自身のANIMAと対面します。

ビジュアルは、ロンドンで活動するデザイン集団「3AND」のYUSUKE MURAKAMIを迎え、音楽演出はHAL caが担当しました。


NEURO DRIVER:太極拳の拡張体験

部屋の中で太極拳をしながら、呼吸や身体運動の拡張表現を体験することで、自分と向き合い、フィジカル&マインドチューニングをするプログラム。

NEURO DRIVER

深呼吸や太極拳の動きをガイドするだけでなく、呼吸や動きの大きさを視覚的+聴覚的に拡張して部屋全体を使って表現することによって、より深く・強い体験を生み出します。

身体の動きに反応するインタラクティブ表現や、腕の上下運動に連動して音響のピッチが変化するなど、体感と実感にこだわった音響設計をしました。

企画・体験設計の構築・音響設計・音響演出制作まで手掛けました。

🔽  LADERが携わったRICOH PRISMコンテンツの詳細記事


RICOH 担当者様からのご感想

LADERとのパートナーシップについて

Q1. PRISM、3Lの音体験の設計において、LADERをパートナーとして迎えて頂きプロジェクトを進める中で、全体的な評価や印象などをお聞かせください。

村田 晴紀 様(株式会社リコー / 経営企画本部):
LADERさんにはPRISMがまだコンセプト段階のところから入っていただき、音作りを通して、サービス全体のキャラクターや体験設計全体を創り上げてくれました。

特殊空間上で、はたらく行為を支援するというあまり例のない仕事だったと思いますが、大胆な企画から細部にこだわった実装まで、一貫して完璧な仕事をしていただけたおかげで、PRISMは先進的なプロダクトとしてリリースできたと感じています。

Q2. はたらく場や人における課題や視点に対して、音のアプローチで良い方向へ導くチャレンジを一緒に取り組む中で、LADERが貢献できた部分や感じたことがあれば教えてください。

村田 晴紀 様(株式会社リコー / 経営企画本部):
PRISMでの知見を生かして、その後3Lという施設全体の音のあり方、生活するようにはたらく場所の音環境がどうあるべきか、そして創造的である音作りとは何かを考えて企画を提案していただきました。

LADERさんは特に、空間のメインユーザーとなるクリエイターの精神状態に寄り添った優れた企画を提案し、その優れた実行能力で、あるべき音環境を3Lに実装していただきました。現在も、弊社社員はLADERさんの企画した音に包まれて活動をしております。

Q3. 今後も未来への価値創造に向けて様々な取り組みを続けられると思いますが、音に対して期待する部分があれば教えてください。

村田 晴紀 様(株式会社リコー / 経営企画本部):
音は五感として脳と直接繋がっており、個人の創造性を引き出すためにとても大事な要素と考えています。

加えて、人と人の会話という、これまでずっと人が行ってきた原始的なコミュニケーションであり、これからもずっと続く創造性を育む人間の行為において、音環境はどう会話を支援すべきなのか、まだまだ可能性が残されています。

今後、我々がはたらく人の環境への価値提供を続けていく中で、音を起点とした企画力と実現力で、引き続きお力添えいただけますと幸いです。

音作りや音響設計、体験設計について

Q1. LADER PRODUCTIONとのチームアップをしてみて、音作りや音響設計に関していかがでしたでしょうか?

加藤 裕也様  株式会社リコー Fw:D-PT (フォワードPT):
主にWOW、ANIMA、SHIROといったPRISMのポテンシャルをフルに活かしたコンテンツでご一緒させていただきました。

WOWやANINAでは音に包み込まれることでよりその世界観への没入ができ、SHIROでは時間を忘れて没頭できる心地よさがありました。

コンテンツ開発ではビジュアルや機能面が先行しがちでしたが、LADER さんの音がコンテンツの解像度を上げ完成度の高いものに仕上げていただきました。そのたびに音が人に与える印象や影響の強さを実感しています。

PRISMが様々な個性のコンテンツを切り替えて利用しても自然に体験できるのは、LADERさんの音作りや細やかな調整があり実現できたと思っています。

Q2. PRISMの体験プログラム開発にあたって、音作り以外の体験設計の部分も参加させて頂きましたが、LADER PRODUCTIONの貢献度はいかがでしたか?

高野 洋平様  株式会社リコー Fw:D-PT(フォワードPT):
LADERさんにご協力いただいた体験設計では、人の動きや感情が緻密に織り込まれた場面展開が設計されており、特に没入感の高い体験を創り上げていただきました。

また、多様な文化への造詣が深く、「はたらく」という比較的堅いテーマに対しても斬新で奥深い世界観を構築していただきました。

LADERさんの豊かな感性とそれを体験に落とし込む設計力で、飽きさせない魅力的なコンテンツがいくつも生まれたと感じています。

Q3. PRISMを完成させるプロセスで、音作りや音響体験設計に関して、感じたことや気づいたことがあれば教えてください。

木村 優太様   株式会社リコー Fw:D-PT (フォワードPT):
LADERさんには2度、PRISMに音を宿していただきました。

1度目はPRISMを0から作った時で、音と映像を組み合わせてユーザーの行動や気分を変化させるような新しいことに共にチャレンジしていただきました。

2度目はPRISMの増産です。PRISMを広めていくには、体験としてクオリティの劣らない空間を別の場所で再現する必要がありました。1度目とは対照的に、既にあるものの再現に協力していただきました。

新しい音の価値を探索し共に創ることも、お手本があるものに対して堅実に音作りをすることも、どちらもできる頼れるパートナーです。


Photographer:GO motion (Yutaka Kitamura)

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