たまには歩いてみるもんだ
建築関係の仕事をしている会社のあるあるは、現場と現場の間の1〜2日のスキマ時間。現場が始まる前には、雨や急な用事が起こった時のために多少余裕を持った工程を組むが、何事もなく順調に進んだ場合「余裕分」の1〜2日が余る。
以前は職人さんを遊ばせない様に現場をずらして入れたり、他の会社に応援に行ったりしていたが、最近は自分と職長のアラフィフ2人しか居ないので、極力体力を使わない様にと考えた結果、チラシのポスティングをする事に。
ポスティングを業者に頼むお金も節約出来るし、スキマ時間も埋められる。
という事で、昨日は事務所から車で15分程離れた場所から「事務所に戻る感じの道程で500部を配布しよう!」というミッションを敢行。
スタート地点は地図上では住宅密集地の端っこ。
外壁塗装のチラシなので入れるのは塗り替え時期に入った戸建てのお宅。
アパートやマンション、新築や塗り替えして5年以内くらいのキレイな家などは除外するので、住宅密集地とはいえ入れられるお家はせいぜい3分の2程度。
100部も配らない内に一つ目の住宅密集地を周り終えた。
残り約400部。
地図は置いて来たので見える範囲で考えられるルートは、畑の向こうに見えるマンションの裏にあるであろう第二の密集地へ行くか、200m程手前で見つけた歩道橋を渡り線路を越えた向こう側へ行くかの2択。
畑の先に見える8階建ての大きなマンションの影に隠れて見えないが、きっと在るであろう第二の密集地を目指して進む事に。。。
4階建ての団地だった。。。
Uターンして歩道橋を渡り線路の向こう側へ。
新興住宅地なのかキレイなお家がキレイに袋小路に並んでる。
10年後にもう一度来れば良いか。覚えてたら。
そんな感じで歩いていると、多分建ってからまだ5年も経たないと思われるが、外壁をジョリパッドやリシンで仕上げているお家はサイディングを貼ったお家に比べ、明らかに汚れが目立つ。北面などは藻や苔が付着して緑色になっていたり、日当たりの良い面も砂埃が壁に残って薄っすら茶色くなっていたり。
新築から3〜4年で塗り替えとか考えてもいないだろうが、ジョリパッドなどは確かにデザインが特徴的だし、キレイなうちはオシャレに見えるから一時期流行ったけど、藻や苔が付着しやすく直ぐに汚れるのが難点。塗り替えでジョリパッドの上に塗料を塗り重ねれば、そういった難点を解消できる。新築時に代金をプラスしてクリアや光触媒を塗って貰っても良いのだが、その辺の説明をもっとしてあげれば良いのにと思うが。
もし問い合わせが来たら説明してあげようと、チラシをポストイン。
この辺りは車で通り過ぎることは良くあるが、じっくり徒歩で通るのは初めてなのでちょっと新鮮。
小っちゃい神社?見つけたので、寄り道。問い合わせが来ます様にと神頼み。
この木にお願いしたら、なんかいい事ありそうな。。。
プラプラと配りながらなんとなく事務所方向に向かっていると、フェンスに突き当たった。フェンスの内側は土手のような感じ。
仕方がないのでフェンス沿いに歩いて切れ目を探すが、行けども行けどもずっとフェンスで切れ目が無い。
何コレ?豪邸か?いや学校か?こんな所にスポーツセンターとかあったっけ?
競馬場だった。。
スタートする時に地図を見ながら「競馬場まで行ったら家とかなさそうだから、その手前の道までの範囲だな。」なんて言ってた「手前の道」を遥かに通り越して競馬場に到着してたらしい。
だんだんと事務所に近づいて来たのは良いが、チラシの残りは200部前後。
思えば遠くへ来たもんだ。。。
何処だ?ココ?
まゴールが近いのは確かなんだが。。。
昔から気になってた看板「姥山貝塚入り口」を見つけたので、その後ろにある細くて暗い階段を登ってみた。姥山貝塚って字面から姥捨山の跡地で老婆の霊とか出そうで、行ったことがなかったのだが
とても明るい公園でした。
さつきとメイの姉妹が猫バスを待ってそうなベンチを見つけて小休止。
ここまでで30000歩。
チラシの残りが50部ほど。。。
普段現場で作業していると1日で3〜4000歩しか歩かないで、さすがに膝が痛い。
自分は高校もこの近くだったので、かれこれ20年この地域に縁があるが、知らない所だらけだと気づけたのは収穫だ。
たまには歩いてみるもんだ。
一服してたら職長から電話があり、「まだ戻ってないの?何処にいるの?」
「近くには居るはずだよ。何処かはわからないけど。」
猫バスは来なそうだ。。。
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