近くて遠い異国の話 【続1】
塾の階段を降りるとアーケードのお店はシャッターが降りたり蛍の光が流れていたりと夕方のごった返した景色とは違い閑散としていました。私たちはいつものバス停と逆の方向へ意を決して歩き出します。
アーケードを抜けるとひとり男子が「俺やっぱ帰るよ」とぽつり。その発言にみんな顔を見合わせ誰かが「仕方ないな、またね」と言うとみんな「うん、そうだね」「またね、バイバーイ」と帰る彼を目で見送りまた歩き出します。ひとり男子が減ったことで不安になりながらも足取りは止まること無く歩を進めます。