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AI x BI x ヒューマノイド 30年後のリアル 第7話

ベッドに寝転んで、ぼくはぼんやりと天井を見上げていた。30年のブランクを抱えて、これから自分がどうしていけばいいのか、何を目指していけばいいのかが分からない。情報源はAIのアーティだけで、ここがどんな社会になっているのかも、ぼくの立ち位置すらも曖昧なままだ。

ふと、左手の装置に向かって声をかけてみた。「アーティ、外の世界を見てみたいんだけど…」装置から返事が返ってきた。「もちろんです。ゴーグルを装着していただければ、私がお手伝いします」

ぼくはゴーグルをかけ、さらに質問を重ねた。「この施設の外に出ることはできるの?」アーティは穏やかに応じた。「はい、可能です。ちょうど散歩の時間ですから、外に出て体を動かしてみませんか?」

まるで今まで自分が意識のないまま「散歩」を続けていたことに驚きつつ、ぼくは少し皮肉交じりに聞いてみた。
「催眠術で散歩させられてたのか?」
するとアーティは、ぼくの質問にやさしく応える。
「催眠術に似ていますが、異なる技術です。意識が戻らない状態でも体の健康を維持するため、判断力を補助していたのです」

その瞬間、さっき出会ったおばあさんのことが頭をよぎった。
「じゃあ、あのおばあさんもこの技術のおかげで、自分の生活ができていたんだな」
アーティがその質問にも穏やかに答えた。
「そうです。現在では多くの高齢者がこの技術で自立生活を送っています」

さらに、ぼくが続けて健康寿命について尋ねると、日本の平均寿命は110歳、健康寿命も105歳まで伸びているとのことだった。世界最高齢はなんと141歳だという。

ぼくがまだ「若手」の部類に入る、だなんて。そんな想像をしながら、エントランスに立ち、外の光景を想像する。30年の時を経て、世界がどう変わったのか、その姿がぼくの目の前に現れようとしている。
(続く)

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