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言葉でつなぐ、私と香り展
昨年のお気に入り小説『透明な夜の香り』は天才調香師のお話。その作者さん千早茜さんとお香の会社と印刷会社のTOPPANがコラボして企画展をしていました。
昨年のテーマがアウトプットな一年ということでnoteを始め、ちょうど今年の1月からは短歌に少々触れており、noteと短歌で必要な切り口というかセンスが違うなぁと実感していました。私はnoteとしての備忘録スタイルが心地よくて、短歌へのセンスはちょっと足りないなぁって。自分にとっておさまりの良い言葉が7音じゃなくて8音ばかりだと気がつきました。笑
たまたまSNSでこの企画展の広告が流れ、下北沢の近くでちょうど予定があったので、こういう自分にぴったりな企画展を見つけるのが上手〜!と自画自賛しながら行ってきました。
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正解はありませんよ、と言われながら一応ある正解を求めてお香の知識も深めながらこれそれっぽい、あれっぽいなど感想を言い合いながら試してみました。
個人的に千早茜さんの文章は、水の文章って気がします。荒れ狂う怒りなどでなく静かに流れが速い部分があり飲み込まれる人もいそう。文章に静かさが潜んでいる気がします。透明なの続編の赤も深々とした怒りの赤で少し怖かったです。激情って外に出ているとは限らない。
流れに沿って読み進められる時は心地よいのですが、たまにこの人の描く女性キャラは自己勝手が強くて全然親近感が湧かない時もあります。
5首ある中でどれもこれも良かったのですが、個人的にはこの泥土の花の歌が今の自分の心情的にはぴったりだなと。未来は見えてきて希望もあるけど負った傷的には泥の中。この凍っていないという表現がドンピシャ同意すぎて刺さりました。花の色は紅くというところも希望感があってそうそう。って感じ。
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香りと歌を持ち帰ってもよいという素敵企画で本当に楽しかったです。くどうれいんさんに引き続き、昨年のお気に入りと触れる素敵な機会でした。
貝の香りとかも面白かった。海の音に耳をすませていたけれど確かに香りもうつってるんだなぁ。不思議。
今年もフットワークは軽く、素敵をたくさんインプットしていきたいです。ではまた!