見出し画像

インディーゲーム開発者がゲーム主人公を立体にする

インディーゲームレーベルLabyLabでは、主にUnityでインディーゲーム制作をしているのですが

ラビィ塗装中

リリースしたゲーム「みんなでクイズ ラビィとふしぎな惑星」主人公ラビィの等身大フィギュアをつくってみました。
制作の理由は、一言でいえば”作りたかった”からです。

ゲーム制作だけでなく、イベントやSNSで外部への露出も必要とされる昨今。自作の等身大フィギュアを制作したいインディーゲーム開発者の一助になればと思い、開発記録をまとめました。


制作したキャラクター

今回制作したのはLabyLabで制作したゲーム「みんなでクイズ ラビィとふしぎな惑星」の主人公「ラビィ」になります。

ラビホシのプレイ画面

プレイヤーの相棒として一緒にクイズをプレイしてくれる、ふにふにしたロボっぽいキャラクターです。

主人公のラビィ

キーアート制作時、メンバー間での確認のために

単位はmm(ミリメートル)

横 : 35cm × 縦 : 55cm × 奥47cm というサイズ設定をしていたので、今回はこれを参考に等身大フィギュアを作成していきます。

制作記録

ミニラビィ(1/10)制作

まず完成形イメージのため、3Dプリンターで1/10のラビィ制作からはじめました。

Blenderでモデリング

手足と背中パーツに分割して、3Dプリンターで印刷。
表面を軽く処理、スプレーで塗装して組み立てます。

1/10ラビィ

ラビィのポップなキャラクター感とちょっとメカな部分がかわいくできたと思います。
ついでに何匹か制作してみました。

Xに投稿した画像

いっぱいいるとかわいいですね。

等身大ラビィ設計

理論上、1/10を10倍にすれば等身大(横 : 35cm × 縦 : 55cm × 奥47cm)になるのですが、同じ手法でやるには少々大きすぎです。

分割して手持ちの3Dプリンターで印刷するのも(失敗もあるので)時間がかかりすぎる。3Dプリンター外注でそのまま印刷できれば楽でしたが、明らかに予算オーバー。
いろいろ考えて今回は

設計メモ
  • 骨組み -> MDFとスタイロとボール紙

  • ボディ表面 -> ポリパテと水性パテ

  • 手足 -> 3Dプリンターの印刷 + 水性パテ

で制作する方針にしました。

骨組み制作

ラビィの3Dモデルから身体を支える骨組みを作成。
MDFとボール紙を切断するデータを制作

レーザーカッターに切る場所を教えるデータ

工房でレーザーカッターを予約してカットしてきました

カット後のMDF、すごく重い

骨組みのMDFを組み立てます

この段階ではまだ棚

スタイロもカットして、ボール紙と一緒に合体させます

ラビィの原型がみえてきた

ボディ制作

次にボディの本制作です。
水性パテを直接塗ると表面のスタイロが溶けてしまうので、まずポリパテを塗ります。

白塗りラビィ

次に水性パテを塗り

顔パーツが合体
  1. 水性パテを塗る

  2. 乾くまで待つ

  3. サンダーで削る

の作業(1サイクル2時間くらい)を見た目が良くなるまで繰り返します。

4回目くらい、まだまだガタガタ

まだまだ目立つ段差やひびが多いです。
休日や出社前に少しづつ進めていきます。

8回目くらい、だんだん綺麗に

画像だとわかりにくいですが、まだ表面には穴やヒビが無数にあります。
これもわかりにくいですが、削るとすごい量の粉塵が飛んできます。

ラスト1回前、脚の穴もあけました

塗り削りを繰り返すこと十数回、だいぶ滑らかに。
ヤスリは80番からはじめて1000番で仕上げました。

灰色ラビィ

最終系にスプレーで下地を塗ったのがこちらです。
触りごごちもしっとり?しました。

黄色ラビィ

最後にラビィのイエローに塗装してボディの完成です。
スプレー缶4本くらい使いました。

手足と背中パーツ制作

ボディと同時並行で進めていた手足のパーツ制作です。

こちらは3Dモデルを印刷して、表面を水性パテで綺麗にする方針。
片足30cmくらいあるため、3Dプリンターの印刷可能サイズを超えます。バラバラにして後から合体させたいと思います。

片足の1/4、カップヌードルくらいの大きさ

印刷できました。
ざらつきがあるので、水性パテを塗ってヤスリで整えます。

合体、ラビィの片足完成

この作業もパテを塗る -> 乾かす -> 削るの繰り返しになります。
もう片足も用意して、色を塗れば完成です。

土台制作

(あまり考えてなかったのですが、)ラビィを置くための土台が必要でした。

8キロくらいあるラビィもしっかりと固定してくれる土台

下敷きの芝生シート+MDFにアクリル円柱をつけて制作しました。
あわせてボディの底面も加工。

完成

最後に、パーツたちを組み立てれば

かわいい

フィギュアは趣味程度で、ここまで大きなものをつくるのも初めてでしたが、どうにか完成しました。

背中もかわいい

背中側もちゃんとできてます。
感動した。

インディーゲームのイベントにもっていきました

段ボールに詰め、キャリーカートへ

電車に揺られ、乗り継ぎを重ねて、到着

東京ゲームダンジョン4に参加しました

インディーゲームイベントのブースでは、しっかりと存在感がありました。
何度か運搬しましたが、致命的な傷を負うことなく帰還してます。

まとめ

一応、制作費と期間について

材料費と制作期間

費用まとめ

制作期間は8月中盤から11月中盤で約3ヶ月。
材料費の合計は約8万7000円(自前の機材は含まず)。
手探りで制作したため、製品レベルの耐久性やクオリティではないにせよ、等身大フィギュア制作としてはかなり手頃な価格になりました。

宣伝

等身大フィギュアは登場しませんが、こちらも頑張って制作したオンラインクイズマルチゲーム「みんなでクイズ ラビィとふしぎな惑星」配信中です
インストールしていただけると嬉しいです

それではみなさま良き開発ライフを

いまはオフィスの入り口マスコットをしています


いいなと思ったら応援しよう!