2mmの葛藤と中庸さ - LABRICO丸棒Φ30シリーズ開発者インタビュー
どうもLABRICOのヨースケです。
LABRICO開発インタビュー記事。社内外たくさんの方に読んでいただいて、反応をいただきました。ほんとありがとうございます。
こうやって内側(not 裏側)を世の中に公開することって、恥ずかしかったり、怖かったり、なかなか勇気がいることでした。
インターネット界隈に割と長めにいる自分でも、いわゆる「公開ボタン」を押すときって、いつも勇気を振り絞ります。
ただ、これも、LABRICOというブランドを真摯に知ってもらうために、大切なことだと思っていますので、毎回無い勇気を絞り出します(笑)。
さて、そんな開発インタビューnote記事、第二弾です。
今回は、角材ではない、丸棒DIYのサポートパーツ「丸棒Φ30シリーズ」の開発担当に話を聞きました。
どうぞ最後まで読んでいってもらえるとウレシイです!
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自己紹介
ー 今日はよろしくお願いします。簡単に自己紹介をお願いします
開発部の鈴木将太(すずきしょうた)です。2018年の中途入社で、前職はBtoBで什器などを製造するメーカーで開発をしていました。
ー BtoBだったんですか。今とは全然違ったんじゃないですか?
そうですね。取扱説明書の書き方やプロモーションの仕方など、今の会社とは全然違うやり方でしたね。BtoC商材は、今の会社が初めてです。
丸棒Φ30シリーズに携わった経緯
ー そんな将太さんが、丸棒Φ30シリーズに携わったきっかけは?
直径40mm前後の丸棒にフォーカスを当てたプロジェクトは過去にあったようですが、うまくカタチにならなかったと聞いていました。
僕が入社して1年ぐらい経ったころかな。開発寄りのメンバーとして僕、あと企画寄りのメンバーとしてひとりが招集されて「もっとライトなイメージでDIYができるようなパーツを作れないか」というテーマで、チームとして打診がありました。
当時は2x4アジャスターが大人気のときで、ただ2x4材みたいな角材ってちょっと重厚なイメージじゃないですか。ほんとにテーマとしてはそれぐらいしかなくて。過去にうまくいかなかったという話も相まって、さあどうしようか…って感じでした。
2mmに揺れる葛藤
ー じゃあ、開発はかなり苦労したのでは?
そりゃもう、かなり(笑)。
素材としてはさっきの別のプロジェクトがあったので、丸棒ですんなり決まったんですけど、強度と見た目のバランスがほんとに難しくて。
LABRICOの2x4アジャスターが受け入れられているのって、便利だということももちろんですが、角材そのものの強度が得られるって大きいじゃないですか。数十キロっていう荷重に耐えられるのも、2x4アジャスターの固定がしっかりしているのと、木材の強度の両方があって成り立ってるんです。
丸棒って角材に比べると強度の面ではやはり劣ります。細くて華奢で、だからこそ角材よりライトなイメージにできるんですけど。このバランスをとるのが本当に難しかったです。
ー バランス。具体的にどういうところですか?
そうですね、例えば丸棒の直径。
木材はやはり身近なところで手に入れられる方がいいので、必然的にホームセンターなどで販売されている30mmか32mmが候補になりました。
ただ、この2mmの違いが本当に難しくて…。32mmの方は階段の手すりなどでよく使われるサイズで、当然32mmの方が強度があるんですよ。でも試しに組んでみると、同じものを組んでも30mmの方が圧倒的に軽やか。32mmではどうしても重厚さが残ってしまうんです。
パーツの仕様を、30mmと32mmの両方に対応できるようなアタッチメント方式にする、というアイデアもありましたが、どうしても取付けに一手間加わってしまう。これではLABRICOのコンセプトからは外れてしまうので、ものすごく悩みました。
最終的には、角材との違いを明確にするためにも、ライトなイメージ優先で30mmになりましたが、ここはほんと苦労しました。
ー なるほど、2mmでそれだけ違うんですね
そこからは丸棒は30mmを前提として、パーツの試作を行い、強度の試験を重ねていきました。試作品はひとつのパーツあたり、数十個は作ったと思います。
ネジを打つ場所や角度によっては、丸棒の強度を損ねてしまう恐れもありました。またパーツの取付けの方法も、これまでLABRICOを使って頂いている方から、いわゆるDIYにまったく触れたことの無い方まで、幅広く考える必要があったので、試作は苦しみでしたね(笑)
カタチが見えたからこその自信
ー 逆に楽しかったというか、テンション上がったことはありましたか?
苦労の裏返しなんですけど、木材選定で苦労した分、パーツの試作品と、実際の丸棒と合わせて、完成品を作った瞬間ですね。
モノが出来上がるまでは、ちょっと自信なかったんですよね。本当に丸棒は30mmで良かったのかな、とか、これで使えるものが作れるのかな、とか、欲しいって思う人がいるのかな、とか。ちょっとネガティブになってたんです…。
でも、カタチが見えたとき、そういうのどっかいっちゃいましたね。アガりました。
ー あー、メッチャ分かります(笑)
こんな事言うとアレですが、僕、人とカブるのがイヤじゃないんです。
良い意味で中庸というか、多くの人が良いと思うものが好きなんです。超ハイスペックなモノとか、高価なブランド品より、凝りすぎない本当の意味で身近なプロダクトが好きなんですよ。
試作品を見た時に、そのアンテナがなんとなくピンと反応したので、自信を取り戻せました。これで良いんだって。
パーツはオフホワイトだったかな。無垢の丸棒の色とオフホワイトで作られたインテリアが、自分にちゃんと刺さったというか、丸棒を30mmにして間違いじゃなかったって。まったく根拠ないですけどね(笑)
丸棒Φ30シリーズに込められた中庸さ
ー 丸棒Φ30シリーズのこだわりをもう少し教えてもらえますか?
はい。これはさっきの話に繋がるんですが、どんな部屋でも使いやすいように、主張しすぎないパーツデザインを心がけています。
お部屋に既に置いてあるインテリアに馴染むように、あと、丸棒の柔らかな雰囲気を活かせるように、パーツそのものは極力シンプルにしています。
機能面では、仮止め用の両面テープや取付位置を示す刻印など工夫して、DIY初心者でも簡単に組み立てられるようにしています。
ー 思い入れのあるパーツはありますか?
そうですね、全部、と言いたいところですが、あえて選ぶなら「丸キャップ」「高さ調整キャップ」ですね。
これは開発後期に改めてラインナップに追加したパーツなんですが、ぶっちゃけこのパーツが無くても成り立ちます。
でも、暮らしの中で使うときって、木材の端がむき出しだったり、カットが斜めになったり、微妙に水平に置けないときって気持ち悪いじゃないですか。あのちっちゃな気持ち悪さをカバーできるパーツです。
他のパーツを使って作った後でも設置ができますし、DIYってほどおおげさな作業でなくても設置できるようになっています。
ー うわー!将太さんっぽい!
ピタッとしてないのキライなんです(笑)
他のパーツも、伝え切れてないんですけどこだわりがあるんですよ。
ただ便利なだけでは琴線に触れない。機能美が大事
ー ところで、お休みって何を?めっちゃこだわりありそう(笑)
割とインドアですね。ギターとか料理とか、家でできる趣味が多いです。
あ、プロジェクターで映画を見るのが好きです。
ー 出た、プロジェクター。イケメン。
プロジェクターで見ると、映画に没入できるので好きですね。
最近のテレビは鮮明過ぎて、昔の映画とかの「古き良き」が消えちゃうんですよね。その点プロジェクターは良い意味で荒いというか、質感がリアルで良いですよ。プロジェクターだと壁に投影するので、モニターの枠が無いのもいいですね。
プロジェクターっていうとハードル高いそうですけど、最近は手頃なものも出てきてますので、ゼヒ(笑)
あ、あと、最近スタンディングデスク買いました。電動で高さ調整できるヤツです。リモートワークていう口実で買っちゃいました。
調整した高さを記録できるので、イスに座って気持ち良い高さ、立った時に気持ち良い高さにボタン一発で調整できます。自分のパーソナルな高さを記憶して、一発で調整できるって、マジで便利です。
みなさんへメッセージ
ー では、最後にユーザーさんへメッセージをお願いします
LABRICO丸棒φ30シリーズは、DIY初心者でも比較的簡単に組立出来切るように開発したパーツシリーズです。なんとなくDIYに興味がある、って方はぜひ使ってみてください!
これからも、多くの人に使ってもらえる、定番となる商品を作っていきたいと思っています。それらの定番商品を通して、新しい発見やコミュニケーションを生み出していきたいと思っています!
ー ありがとうございました!
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いやぁ、将太さん、こだわりがある人でした。機能美LOVE。どこが中庸なんだろうか(笑)
話を聞いていて改めて感じたのですが、DIYのパーツって、やっぱりそれだけじゃなりたたなくて、木材のような素材だったり、まわりの環境とどれだけ溶け込めるか、それでいて、安心できる機能をもっているか、ってすごく大事ですし、我々もブランドとして意識しておかないと、と身が引き締まる思いでした。
そんな、鈴木将太さんが開発担当として携わった丸棒Φ30シリーズ、詳細はこちらからチェックしてください!ご購入はオンラインショップまでどうぞ!
それでは、今日はこのへんで。また次回のインタビュー記事、お楽しみ!
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