少人数の組織において、マネジメントのフレームワークよりも大切にすべきこと @horimotoharu
社会人になってからフリーランスとして活動してきた私、堀は、「組織」というものにあまり馴染みがありませんでした。
フリーランスとはいえ、純粋に一人だけで仕事をすることはありませんが、プロジェクトごとのチームにジョインすることばかりで、「組織」に属しているという実感はありませんでした。
しかし、ラブソルで働くようになったここ数年で帰属意識が芽生え、「自分は組織の一員なんだ」と感じるようになっています。
しかし、実際「組織」ってなんなんだろうと考えてみたとき、自分なりの答えを見い出せずにいました。
組織の中で、自分が何をするべきなのか。
どんな言動を心がけることで、組織をより良い方向へ向けることができるのか。
巷には、組織論や組織マネジメントに関する書籍もたくさんあります。そういった本に、自分が求めているヒントが書いてあるのではないか。
そんな期待から書籍に目を通したこともありますが、自分が求めているもの、現場での肌感覚にぴったりの「組織」について書かれているものには、まだ出会ったことがありません。
「組織」とは、掴みどころのないものだな。
そんな風に感じていました。
そんな折、受講中の株式会社ベイジ主催「戦略的ウェブ制作講座」で、組織づくりに関する講義がスタートしました。
講義の内容から見えた、「組織」とは何かについてお伝えしていきます。
組織の中心に据えられる、重要な価値観
講座では、ベイジさまの組織づくりの中核に据えられているピラミッド型のモデルが紹介されました。
事業、人事、マーケティング、財務、経営など、会社を運営していく上で重要な各戦略があり、その上にMVVというものが据えられています。
MVVとは、ミッション・ビジョン・バリュー。
組織を束ねるために、MVVを策定しているそうです。
社員一人ひとりがどういった行動を取るか決断していく際に、その拠り所となるもの。
会社組織として、どんな方向性を目指していくのかを明確に表しているもの。
そんな存在があることで、日々の業務で迷うことがなくなり、組織としてまとまりがでてくるのです。
そういった価値観を中心に、組織が成り立っていることを表しているのが次の図です。
こちらは、マッキンゼー・アンド・カンパニーが提唱している「7S」と呼ばれるフレームワークです。
価値観が中心にあり、それに紐づく形で戦略や組織などが機能しています。
組織における価値観の大切さ。
弊社では、以前、うぶごえ株式会社さまのクレドの制作を担当させていただきました。
クレドを作成するにあたっては、代表の方に複数回のインタビューを実施し、テキストベースでも何度もやり取りを重ねながら制作しました。
他社にお金を払い、時間をかけて作成するクレド。
会社の価値観は、それほど大切なものなんだと感じたことを覚えています。
組織マネジメントのフレームワークよりも大切なこと
価値観、組織マネジメントの技術。間違いなくこれらは大切なものです。
しかし、これがどんな規模の会社にも当てはまるかといえば、そうではありません。
例えば、先ほど紹介したベイジさまのMVV。
創業してから12年間は、ミッションとビジョンは存在しなかったが、30人を超える組織になったときに必然性を感じて策定したそうです。
つまり、規模の小さな組織では、もっと大切なものがあるのです。
それは、一人ひとりのメンバーにしっかりと寄り添うこと。
先月参加した講座受講者との交流会で、ベイジ代表の枌谷さんにお聞きしました。
全員の顔が見え、パーソナリティが理解できる規模の組織において、組織マネジメントのフレームワークを無理やり当てはめるよりも、一人ひとりにあった対応を取ることの方が、重要である。
フレームワークのようなものが機能するのは、30人を超えたくらいからだとおっしゃられていました。
少数精鋭の弊社は、業務委託も含めたメンバー全員のパーソナリティーを、それぞれ把握できています。得手不得手を理解し、特徴を活かせるような仕事を担当できているなと感じています。
規模にあった組織マネジメントを、すでに取り入れることができていたのです。
それが理解できたことで、「組織」が掴みどころのないものではなくなりました。
今の自分にとって組織とは、自分を理解してくれている仲間と共に、働けている居場所。
もちろん、規模とともに、組織への体感は変わっていくはず。
これから訪れるであろうそんな変化も、楽しみにしています。