枇杷のブランマンジェ
枇杷のブランマンジェ、パイナップルとパパイヤのヨナナス、甘酒の泡、花
このデザートは、ラボンヌターブルがオープンして3か月後、枇杷の季節に完成しました
枇杷の味は一言で言うならば【繊細】
マンゴー、桃、苺など甘み、香り、酸味が強く、そのまま食べるのが1番美味しいという考え方ももてるような素材のパワーが強いタイプでなく、一歩引いた美味しさ。
少しエグ味があったり、可食部が少なかったりするので主役にはならないが、そんな果実こそ、調理の余白があり、様々な美味しさを足すことが出来る。
私の中で、枇杷、無花果、柿、ブラックベリー、などがそこに当てはまり、よりクリエイティブな作品が産まれることが多い。
このデザートは、枇杷の種の香りから生まれた
枇杷の種を叩き割り、煮ると杏仁のような香りが出てくる。
この香りの強さは枇杷の繊細な味とは違い、凄く濃密な香り。
実は繊細だが、枇杷は枇杷の種も含めて枇杷なので、凄くパワーのある果実だと私は思う
むしろこの香りを使わずして枇杷の料理は作らないといいきれるぐらい私は枇杷の香りに夢中である。
枇杷の種の香りをブランマンジェに移したものを皿に盛り、パイナップルとパパイヤを凍らせたものを何も味付けせずに、ヨナナスという機会で絞りシャーベット状にしたものを乗せ、枇杷の身を添え上から甘酒で作った泡を覆い被せる
その上にエディブルフラワーを乗せる
エディブルフラワーは飾り、かわいい、映える
そこも勿論魅力ではあるが、花にしか表現出来ない味覚の世界観が花にはある
ほろ苦く微かな鼻の奥をかすめる繊細な香りを仕上げに添えることにより、繊細な味のデザートを、より繊細な世界観に誘う
この料理は枇杷の種の強い華やかな香りの濃厚なブランマンジェに、繊細で味が決まっていないとも言える瑞々しい素材を幾重にも重ねた、食材の組み合わせの巧みによるデザート
Hanakoの表紙にもなりました
嬉しかったな
初夏のラボンヌターブルの定番のデザート
是非お召し上がりいただきたい一皿です
次回は、このデザートを超えた?
今の私の世界観が一番表現されている
ホワイトアスパラガスのブランマンジェ、そら豆、桜、ブラックベリーを解説します
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