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子どもの社会性を育むうえでの大人の関わり方〜ラボと保護者のパートナーシップ〜



はじめに

子どもが小学生になったとき、新しいお友達がたくさん機会があります。
保護者の大きな悩みの1つは、新しいコミュニティで子どもがちゃんとやってくれるか?という不安です。

今回、入学式を終え、少しずつ友達の輪が広がってきているタイミングということもあり、子どもの社会性を育むというテーマでお話しできればと思います。

子どもの社会性については、1年生の話だけでなく、低学年を通して常々悩まれるポイントだと思います。

今回のラボの取り組みの紹介が少しでも参考になれば幸いです。

小学1年生の子どもの発達

まず、おさえるポイントとしては、小学生の子どもがそもそもどの程度の発達段階にあるのか?という点です。

大人は、つい自分のものさしで子どもを見がちです!
(自分が小学生だったころどうだったか?も忘れがちになります笑)

まずは、小学1年生の発達段階をおさえていきましょう。

小学1年生は、日々の日常体験を通じて社会に対する理解は進んでいますが、基本的には自分の主観的な世界に生きています。

大人からみると、それがとても創造性が豊かであると感じられる一方で、
周りの人との良い関係を築いていく上ではまだまだだと感じられます。

ラボで子どもを見ている中でも、例えば、以下のようなケースが生じます。

1.自分の主張を強くしてしまい周りが困るケース
(例:遊びの中でマイルールをつくり強引に進める、正論だが強い口調で攻めてしまう)

2.自分の主観でネガティブに捉えるケース
(例:他の友達同士が仲良く遊んでいるのをみて自分が仲間外れにされたと感じる、自分の発言を相手が聞こえてなくて反応がないとき無視されたと感じる)

3.葛藤の際、自分に都合のよい解釈をするケース
(例:双方で前もって決めたルールを守れなかったが気持ちとして納得がいかなかったため、自分に都合の良い形で事実を解釈する)

いずれも異なるケースに見えますが、周りと関係なく本人の主観で行動しているという意味では実は一致しています。

では、そういうケースで、大人はどのように対応するとよいでしょうか?

大人として必要なスタンスと接し方

上記のような子どものケースに直面した際、
やりがちなのは、子どもに対して怒ったり、
問題が生じない様に未然に防ごうとすることがあります。
ですが、それでは、子どもの成長を阻害する可能性が高いです。

大人がまずすべきことは、子どもが発達上、社会性を身につけている途上であることを理解し、できないことを受容しすること。そして、経験を通じて必ず成長してできる様になることを信じて待つことです。

その上で、コミュニケーションにおける問題が生じた際に、子どもたちと対話を重ねていくことが大切です。

  • まず、事実を確認する

  • 自分と相手がどんな気持ちか整理を手伝う

  • どうしたらよかったか一緒に考える

  • 気持ちは言葉にしないとわからないことを伝える

当たり前のように聞こえるかもしれません。
ですが、これらを丁寧に繰り返していくことで、
子どもは着実に社会性を身につけていけるようになります。

ラボと保護者との関わり方

ラボでは、前述のスタンスや接し方で、子ども同士がやりとりしていることを見ています。その上で、必要なタイミングでその場で介在しています。

その場での介入が大切なのは、日が経つと記憶もあやふやになり、気持ちとしても落ち着いてしまうため、話の内容が子どもに入らなくなるからです。

しかし、どうしても、その場で介在できないケースがあります。
それは、子どもがその場で自分の気持ちをうまく表現できないときです。

子どもがモヤモヤな気持ちを表現できるタイミングは人や状況によります。ですので、ラボのときでも家庭のときでも、その変化をキャッチし対話をしていくことが大切になります。

もし、保護者との連携がうまくいかない場合、親は子どもの主観的な話を信じるしかなく、子どもと関わった相手やラボに対して不信感を抱くことになります。子どもの成長は時間がかかるので、ケースが生じる都度その不信感は増していくことになります。

決してそうならないためにも、ラボでは、保護者とのコミュニケーションを通して、家庭での子どもの様子や、保護者の方が不安な点をお伺いしていきます。

さいごに

ラボで起きた出来事は、ラボが一番事実を理解できますし、関係した子どもそれぞれに気持ちを確認することもできます。ですので、もし、子どもに変化があった際や気になることがあった際には、気兼ねなく共有やご相談をしてもらえれば幸いです。ラボで子どもたちと対話をし、その内容をお伝えします。

子どもの個性や成長速度は千差万別です。ですが、子どもは適切に経験を積んでいけば着実に成長していきます。そんな子どもの成長を、保護者の方と共に見守り、喜びあっていければ本望です。

参考文献:
セラピストのための子どもの発達ガイドブック:0歳から12歳まで 年齢別の理解と心理的アプローチ


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