やせすぎは良くなく、小太りが一番健康な理由
最近リモートワークが基本になって、お腹周りちょっと太ってきて、BMIが19から22.5まで増加しました。
そこでダイエットをしようと思い立ったのですが、そもそも
一番健康な体重はどのくらいなのだろうか?
という疑問が生まれたので、一回調べることにしました。そうすると、タイトルのように、
小太りが一番健康そうだ
というデータがありましたので、記事にしました。
研究内容
日本人の最も健康な体重を調べるために国立がん研究所が行った調査があります。
世の中にはたくさんの研究がありますが、各国とも民族も文化も食事も環境もばらばらで、日本人に特化した研究はありませんでした。
そこで、国立がん研究センターは、35万人以上の日本のデータを併せたプール解析による定量評価を行い、BMIの水準が死亡リスクに与える影響を死因別・男女別に推定しました。(Sasazuki et al., Journal of Epidemiology 2011)
その中で、データを解説いたします。
肥満指数(BMI)と死亡リスク
BMIによる全死因および死因別の死亡のリスクを男女別にグラフにしたものです。BMI23-25を基準として、各BMIグループと比較した相対リスクで示しました。
これを見て頂くとわかるように、
男性はBMI 23.0-29.9 (最低リスク25.0-26.9)
女性はBMI 21.0-26.9 (最低リスク23.0-24.9)
で死亡リスクが低いことが分かります。
またBMI 21未満だと総死亡率が高くなっています。
つまり、やせている人より小太りの人のほうが健康なのです。
いろんな資料やパンフレット、ヘルスケアメーカーの解説では、
BMI18.5-25が標準体重である。
とよく書かれていますが、
死亡率から見る健康度はBMIがもう少し高いいわゆる「小太り」が最も高いと考察できます。
肥満指数(BMI)と疾患による死亡
小太りの方が死亡リスクが低いというのは、偶然ではなく統計的にも有意に示されています。
さらに、上の図のように、各疾患での死亡リスクも少ないので、小太りが一番健康である(死亡リスクが低い)というのは間違いない事実であると考えられます。
小太りでいい
もちろん上記のデータは、体脂肪率・腹囲など、もっと細かなデータがありません。しかしながら、35万人という大規模な研究にてそれらのばらつきの影響も少なくなっていると考えられます。
ダイエットで目指す体重がBMI20を下回るような目標設定をされる方がいらっしゃると思いますが、実はダイエットの目標体重は健康という観点ではよろしくない可能性があります。
タレントさんや有名人にあこがれて低体重を目指したくなる気持ちはわかりますが、是非ともその前に一度自分の現時点の体重や、ダイエットでの目標体重が健康の域であるかどうか確かめてから、意思決定をすることをお勧めします。
ダイエットに関する基本的な考え方は、別記事にまとめていますので、そちらも読んでみてください。
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