デザインにおいてはそうする理由があることだけをする、理由がないことはやらない
プレゼンスライドを作るとき、必要なことだけ、そうする理由があることだけをする、というスタンスが大切です。根拠がないこと、余計なことはしないようにします。そうすることで、内容はもちろんレイアウトや装飾などもエッセンスだけを残して必要最低限となり、デザイン上の贅肉がそぎ落とされ、結果的に美しくかっこよくなります。
PowerPointやGoogleスライドなどのプレゼンスライド作成アプリには、様々な装飾のための機能があらかじめ備わっています。使い勝手も非常に洗練されていて、誰でも簡単に魅力的な装飾を加えることができることは、みなさんもすでに体験済みだと思います。
多種多様なデザインテンプレートも用意されていて、有料版も含めて探索すると、デザイン性の高いハイレベルなテンプレートを簡単に見つけ出すことができます。それらのデザインテンプレートをダウンロードして適用すれば、自身のプレゼンファイルをあっという間に、凝ったデザインへと変身させることができてしまいます。
しかしその一方で、不要な装飾をついつい付け加えてしまうという弊害が発生していることも、無視できません。PowerPointやGoogleスライドなどのアプリにおいては、文字の色を変える、太字にする、アンダーラインを引く、フォントを変更する、四角形で囲む、影をつける、といったその要素を目立たせるための装飾を加えるのは非常に簡単です。クリックすればアイテムが画面に表示される、ページ切り替えのときに画面が回転する、といった派手なアニメーション機能も充実している上に、それらはとても簡単に実装できてしまいます。ですが、よく考えてみてください。その装飾やアニメーション効果は、あなたのプレゼンに本当に必要でしょうか?
なぜその装飾を施したのか、論理的に説明できますか?もし説明できないなら、その装飾やデザインは必要ないということになります。単に不要というだけでなく、それらの装飾によって逆に視認性を悪くしたり、本当に目立たせたい部分が埋もれて目立たなくなる、という負の影響を生じさせることになりかねません。装飾は多ければいいというものではありません。
魅力的でわかりやすいプレゼンスライドにするためには、本当に必要で効果がある装飾だけをするべきです。本当に必要なら、なぜそうしたのか論理的に説明できるはずです。つまり、ちゃんとデザイン的な根拠があることだけをやるべきです。なぜそこに黄色を使ったのか、フォントサイズをなぜ18ptにしたのか、テキストをなぜ右揃えにしたのか、もしそれらの問いにちゃんと答えられるなら、そのデザインには意味があって、効果もあります。
これはなにも装飾やレイアウトに限った話ではありません。なぜそのイラストをその位置に配置したのか、なぜあの写真ではなくこの写真を使ったのか、なぜその部分だけ日本語ではなく英語なのか。もしそれらの問いに対して論理的に答えられないなら、その部分をもう一度、考え直す必要があります。別の記事でも説明したとおり、プレゼンスライドを作るときに大切にすべきは、「セオリー」と「ロジック」です。そちらの記事もぜひ参考にしてください。
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