roji nijimu

All (im)perfect days in Katsuura,Boso Peninsula. 哲学と不動産のあいだで、縮小する社会をうつくしく生き延びる術をさがす。

roji nijimu

All (im)perfect days in Katsuura,Boso Peninsula. 哲学と不動産のあいだで、縮小する社会をうつくしく生き延びる術をさがす。

最近の記事

設備屋さんを頼ってみる

築58年の空き家を借りた。 初回の↓でも書いたが、水道を開けてみると、室内の謎の機械にひたすら水が流れ続ける音がする。 漏水なども怖いのでまた元栓を締め、近所の設備屋さんにSOSの電話をかけた。 数日後都合をつけて来てくれた従業員の方が言うには、「こりゃもう博物館行きだよ」というくらい古い型の給湯器であるとのこと。 原理はよくわからないが、灯油のエネルギーを使いながら、屋根のソーラーパネルに水を送って温め、その後常温水と混ぜて風呂場などに送り込む仕組みらしい。 オーナーさ

    • 木のベンチを置いてみる

      築58年の空き家を借りた。 元々は建具屋を営んでいた方の住まいだったらしく、ガレージには木の板や端材が山積み。家自体にもところどころ家主自ら施工したんだろうなと思わされる部分がある。 庭の奥まった場所に転がっていた木製のベンチ。これもおそらくDIYで作ったものだろう。雨風にさらされっぱなしだったので、欠けたり、腐ったり、多少はあるが、布で拭いてやるとまた座れる状態に戻った。 思い立って日の当たる玄関前に置いてみる。佇まいがよい。いつか誰か、いまだ見知らぬ人たちがここに座っ

      • はじめて見る野菜を買ってみる

        つぼみ菜、と言うらしい。 ネットで調べたところだと、アブラナ目アブラナ科の「からし菜」の変形。品種改良の末2008年にはじめて出荷された野菜であるとのこと。 なんとなく野菜の種類というのは出尽くしているものだと思っていたが、新しい種類が未だ生み出されているというのはおもしろい。 近所のスーパーに、地元産のラベル付きで売られていた。普段から料理をするタイプではないのだが、これも一つの「実験」かと思い切って買ってみる。 事前に3分ほどレンチンした上で、鶏肉・卵と合わせ、とにか

        • 電気を開通してみる

          築58年の空き家を借りた。 さて、水道の次は電気だ。 これまでは雨戸を開けて陽の光で、さもなければ懐中電灯やスマートフォンのライトで中の様子を伺っていたが、そろそろ本格的に灯りをつけ、各部屋の片付けや清掃などを進めていかなければならない。 「千葉 電気」でweb検索すると、電力自由化に伴い乱立した電力会社を比較検討するまとめサイトが立ち並ぶ。一瞬だけ、再生可能エネルギーだ、カーボンニュートラルだ、電力トレーサビリティだ、などというカタカナ語たちが頭の中に浮かぶが、そっとタ

          13年ぶりに水道を開けてみる。

          ひょんなことから、築58年の空き家を借りた。 海岸まで徒歩2分。しかし部屋から海が見えるわけではない。 広い庭。しかし庭木は管理を嫌った元オーナーがあらかた切り倒し、橙と柿の木だけが寄り添ってそびえ立つばかり。 車が数台も入りそうなガレージ。しかしその屋根はトタンであったがゆえに潮風と雨にあえなく腐食し、ところどころに空がのぞく。 ともにもかくにも、ここで、暮らしの実験を始めてみるしかない。 はっきり言って金はない。仕事も期限付きで2年半後にはもれなく無職。 何ができるかわ

          13年ぶりに水道を開けてみる。

          【書き起こし】特別対談「坂口恭平と宮台真司」!(約6万字)

          この記事は、X(twitter)スペースにて開催された、特別対談「坂口恭平と宮台真司」!(2023年8月23日)を独自に書き起こしたものです。 元の音声は、こちら(配信後1ヶ月間アーカイブあり) お二人の対談部分のみを書き起こししており、その前後は割愛しています。 テキストで自分のペースで読み込みたい方や、聞こえにハンディキャップのある方にも、お二人の刺激的な対話を楽しんでいただけたら嬉しいです。 坂口恭平さんにX(twitter)にて許可をいただいた上で公開するもの

          【書き起こし】特別対談「坂口恭平と宮台真司」!(約6万字)