大震災から9年・浪江駅と夜ノ森駅を訪ねた(後編)
浪江駅を後にし、夜ノ森駅へ戻っていった。
夜ノ森は双葉郡と呼ばれるこの辺の地域の国境。楢葉と標葉の2つのエリアの国境地帯であった。楢葉と標葉が組み合わさって「双葉」なわけですね。
かつてはツツジの名所であった線路沿いの築堤も、除染で伐採されこの状況。でも部分的にツツジが生えてきている箇所がありました。
駅は復旧とともに橋上化され、簡易自動改札のみの設置で券売機もなし。
駅の西側にはあたらしい駅前広場の建設が進んでいます。もともとの駅前は東口だったけども、その理由は後述。
西口は道路に面しており、そこそこの交通量があります。
バスも西口には走っているようですが、本数は・・・平日2.5往復、休日運休。
西口には美容室もありました。
さて問題の東口。
さっきの駅舎の写真から振り返るとコレ。フェンスの外はすべて帰還困難区域。道路だけ除染されて人が立ち入れる状況。
既存駅前広場の様子。周りはすべて帰還困難区域なので、西口にあたらしい駅前広場を作るわけです。
東口から駅を出て、すぐ右を向くとコレ。
フェンスからレンズを覗かせて撮影。JAふたばはもう存在しません。
浪江と同じく、被災家屋の解体が進む。
線量が高かったからなのか、解体はあまり進んでいない印象。
帰還困難区域への出入りを監視する警備員以外、人影は皆無。
警備員用のパラソルが見えますね。
不用意にウロウロしていると職質されそうな雰囲気。
本当に復興五輪をやっている(はずだった)8月の風景なのでしょうか。これが。
津波被害があったわけでもなく、原発事故のせいでここを追われた人を想います。
フェンスの中の車は、一時帰宅しているわけではなく、避難したときのままのようでした。
夜ノ森の駅前は本当に静か。唯一の人工音は、電柱に取り付けられた線量計と思しき真新しい機械。
静寂と風の音だけが聞こえます。
イデオロギーや政治の話はここでするつもりはありませんが、百聞は一見にしかず。行ってみて改めて思うこともある道草でした。