【読書覚書】それでも食べて生きてゆく 東京の台所


朝日新聞出版 大平一枝

パンデミック真っ盛りの頃に、何回かWEB上の連載を読んだ記憶がある。
雰囲気たっぷりの昭和の台所の写真が印象的。

あまり人の家に行くこともないし、自分の家にも人を積極的にはあげたく
ない私ですが、新聞折り込みの不動産ちらしや図面をみながら妄想するのは
好き。
この本では台所の写真とその住人のエピソードが10本掲載されている。
掲載にあたっては、あらかじめエピソードを募集したそう。
なかでも心をひいたのは、多分2篇くらいあったと思うが、
ご近所付き合いが絡むエピソード。

今都会で住んでると、集合住宅の隣の人の顔もよく知らない。
引越時の挨拶も、いらぬトラブルになるから控えて、と不動産屋さんが
アドバイスすることもあるらしい。
コロナや震災もあったので、やはり近所付き合いは必要なのかも
と思い始めていたので、羨ましくもあった。

読み終えて思ったことは、
自分の家があって自分の台所で好きなものを飲み食いできることの幸せ
です。
旅先のホテルで戻ってきて、テイクアウトのモノをいただく
では味わえない気持ち。
あとはいくらかのノスタルジーを感じる。

台所やお手洗い、お風呂場など、我が家の水回りは私の
基礎的な部分を作ってくれている。
家はだいじにしなくては。多分それは自分を大事にすること
につながるような気がする。

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