【読書覚書】おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った
世界ことわざ紀行 と副題が有り、ありがたいことに岩波書店のサイトには
目次とあとがき(抜粋)が掲載されている。
ラジオで砂鉄さんとのトークを聞いて、まずなんとも言えない柔らかい雰囲気を感じその後、Xを拝見したところ、意地悪ベンチに無理やり寝てみる、やその他の活動(移民難民フェスや9月1日の関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典の受付などなど)文筆家・イラストレーターという肩書からはだいぶ想像がつかない、意志のある活動をされている。
どんな内容なのかと期待しながらページをめくる。
見開きで1つのことわざ、左側がフルカラーのイラスト。右側に文章が乗っている。カタカナでルビがふってあるけどスルっと一回で発音ができない。
見たことも書いたこともない、グラフィカルな文字。
一通り読み終わって思ったのは
日本て小さい!多分私は多様性ってことをほんとに理解してない
ということ。
「ことわざ」は手元の広辞苑によると
古くから人々にいいならわされたことば。
教訓・諷刺などの意を寓した短句や秀句。
と説明がある。
日本のことわざだとこういう表し方だけど、彼の地ではこう
表すという生活に根ざした雰囲気がとてもおもしろかったし
大げさな表現の中に深い意味がこめられているものもあった。
それと同時に説明文を読んでいると、とりあげられているほとんどの
国や地域は侵略や植民の歴史があり、もともとその言語は言葉しか
なかったり、言葉自体の存亡の危機に立っていたりとピリッとした
歴史的な経緯がある。そのせいかなんとなく他者に対する厳しすぎない
要求や期待を感じ取るものもあった。
言葉は時代により変遷していくことは免れないけれど、言葉は文化でもあるから衰退することははとてももったいない。先日のニュースでは読書の習慣自体がすたれていきつつあることを報道していたけれど、本を読まなくなると物事の理解力や他者に対する想像力、基礎的学力も廃れていきそう。
こういう雑文だって生成AIを使えばもっとこなれた文章を書いてくれそうだけれど、あえて私は自分でひねり出してみた。
日本語の形容詞「kawaii」は他の言語においても最強だと、以前、イタリア語に造形が深い日本人から聞いたことがある。
たしかにカワイイ、ヤバいであまり深くない会話は成り立つ。
でも深みがまったくない。
ことわざも、自分の祖父祖母の世代なら割とよくつかっていたのかもしれないけれど、今私の日常ではほとんど見かけることがない。
金言というくらいだから錆びつかせるにはもったいない。
積極的に知って、取り入れていこう。
金井さんみたいにお土産としてことわざをおねだりするのってとても
いいと思う、真似してみよう。