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足関節の評価・徒手療法・運動療法

2024.3-2025.2 投稿予定記事

7月 ハムストリングス肉離れ復帰プログラム
    股関節伸展トレーニングのポイント
8月 足関節の評価・徒手療法・運動療法
     足関節背屈制限に対する3段階アプローチ
9月 足関節捻挫の復帰プログラム
     足関節捻挫予防アプローチ

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足関節の評価・徒手療法

メディカルフィットネスでのコンディショニングやスポーツ現場における徒手での対応で、頻回に用いる徒手療法をご紹介します。

徒手療法ではいわゆるリリーステクニックを多用します。

表層筋膜や深層筋膜、筋間、筋と他組織との滑走性を改善する目的でリリースを行います。

特にスポーツ現場においては即効性のあるアプローチが求められ、その手技を持ち合わせていることは重宝されますが、

そもそも即効性がある手技は、即効性がある部位にのみ効果があると考えます。

その部位とは軟部組織であり、周囲組織との滑走性改善にて可動域の改善や筋出力の増大が見込めます。

そして徒手療法を行う上で重要となるのはもちろん評価であり、病態評価に加え、可動性の評価を合わせ、組織を短軸上に滑走させ周囲との滑走性の差異から滑走性の低下を疑いアプローチを行います。

評価技術が重要となりますが、徒手的に組織を触り分けアプローチするためにも触診技術を高めながら研鑽を繰り返す必要があります




1.足関節評価の流れ

荷重位での背屈評価|weight bearing lunge test

壁に膝を着けて爪先を壁から離し、その距離を測ります。


評価において重要となるのが量の評価と質の評価となります。

量の評価では角度や距離、速度など数値で表されるもので質の評価では、マルアライメントやマルユースなど数値で表せないものとなります。


足関節の背屈は、距腿関節では距骨が後方に偏位することで構造的に安定します。

背屈時の距骨後方移動制限は距骨前方にある舟状骨を前下方に押し出し、舟状骨の落下につながります。

また距骨内旋・外旋偏位は下腿内旋・外旋偏位し、屈曲時に膝関節が内側・外側方向へ偏位する代償が見られやすいため注意が必要となります。


アーチ構造の評価

足部には内側縦アーチ・外側縦アーチ・中足部横アーチ(前足部・後足部)があり、骨の配列によってアーチが形成され、靱帯・関節包が適切な張力を保つことで受動的な安定性を形成します。

足部のアーチ機能があることで衝撃吸収、推進といった移動において重要な役割を果たしています

アーチの頂点(要石)を中心にアーチを形成し、荷重と共にわずかに沈むことで衝撃吸収・分散を可能とします(トラス機構)。

また推進の際には母趾伸展と共にアーチが挙上し、剛性が高まることで推進能力を高めることに貢献しています(ウインドラス機構)。

アーチ形成において最も重要となるのが後足部(距骨下関節・距腿関節)の安定性となります。

距骨下関節の可動性低下は、前足部回内で代償する他、距腿関節背屈可動性の低下は距骨前方偏位による前足部回内を招くことになります。


❶母趾背屈テスト|ウインドラス機構
足趾伸展と共に舟状骨・立方骨といった要石を中心にアーチが挙上するか確認します。

アーチ機能の低下は構造的な安定性を形成することができないため、軟部組織に依存し、筋への負荷が増大すると考えられます。


❷舟状骨落下テスト|トラス機構
片膝立ちで地面から舟状骨の高さを確認します。踵を浮かさずに膝を前方に移動させます(膝は第2趾に向かう)。

最終域での舟状骨の高さを再確認します。
非荷重時に比べて1cm以上の落下は、アーチ機能の低下と判断します。



2.足関節運動軸評価

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