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股関節トレーニング再考

股関節の重要性
スポーツにおいて股関節の重要性は言うまでもなく、ご存知の方が多いと思います。
股関節はその形態から、自由度が高く可動域が広い関節になります。また関節周囲には大きな筋肉がたくさんあり、パワーを発揮する上でも重要な関節となります。

その股関節を使えるかどうかは、全身との相互関係性から決定するため、トレーニングにて股関節単体で動きの改善をしても、十分にその役割を果たすことはできません。

そのため、体幹を固定したトレーニングよりも体幹を連動させたトレーニングにより『股関節を使える』様になると考えます。


股関節と骨盤帯・腸腰筋機能
股関節を考える上で、体幹との連動の他に骨盤帯の可動性、腸腰筋の機能についても考えて行きたい。

股関節は腸骨と大腿骨から成り立つ関節であるが、腸骨は仙骨と仙腸関節を形成している。
そのため仙腸関節の動きの低下は股関節で補うことになるため、本来の自由度を失う可能性がある。

また腸腰筋(特に大腰筋)は身体重心をまたぐ様に走行、位置するため、上半身と下半身を繋ぐ役割があると考えられます。
姿勢及び動作を制御する上で、重心を適切に制御する必要があり、腸腰筋(大腰筋)はその位置関係より重要な筋であると考えます。

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1.重心移動と床反力

股関節の重要性について考える上で、移動における股関節について考えて行きたい。
移動を考える上で重要となるのが、重心と床反力である。

重心が移動することで回転する力が生まれ、地面を押すことで地面から押し返される床反力が生じる(作用・反作用)。

この床反力の作用方向に重心位置があることが効率の良い動作となると考えます。
床反力と重心位置をズラすことは、身体に対して回転する力が発生し、筋力で支える必要があり、筋力トレーニングという一面では非常に効果的なトレーニングともなるが、動作を筋力で制御する(ブレーキをかける)状態となる。

また動作の目的も同時に考える必要がある。大まかに減速を目的とするのか、加速を目的とするのかで、合目的なトレーニングであるのかを判断する。

減速を目的とした場合、脛骨を垂直〜後傾させることで下半身質量中心を後方に移動させ、重心を後方に偏位させることで、前方への慣性を相殺させることができる。

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加速を目的とした場合、上半身質量中心を前方に移動させることで、重心を前方移動させ、股関節伸展筋のトレーニングをすることができる。
下半身質量中心を前方に出すことで重心を前方移動できるが、膝屈曲モーメントの増大により大腿四頭筋のトレーニングとなる。

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動作として考えた場合、加速後に股関節伸展動作を行う際に、上半身質量中心の前方移動量が大きいことによって体幹伸展モーメントが大きくなり、股関節伸展運動よりも体幹伸展運動が優位となりやすい。

以上より目的とする動作を考えることで、そのトレーニングが合目的であるのかを判断する必要がある。



2.股関節と体幹の関係性

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