ぴぽ子

書いてみようと思って。

ぴぽ子

書いてみようと思って。

マガジン

  • ホタカアリアケ、ハッチョモサ

    山の思い出を、とどめたい。

最近の記事

ユーライディ ユーライダ

郵便の翌日配達がなくなったことを ニュースとしては知っていたけれど、 郵便局の窓口で 「普通郵便だと4日かかりますが、お日にち大丈夫ですか?」 と尋ねられて、 おお!こういうことか!と改めて衝撃を受ける。 『すぐ届くのが当たり前』と思う感覚の方を修正していかねばならんのねぇ。 昔、海外と郵便でやり取りしていた時は ロストも汚損も当たり前で、 日本の郵便ってなんて優秀! ありがたい! と強く思っていたのに、 郵便を使う機会もだいぶ減って ないがしろにしてしまっていたかもしれな

    • 高校では演劇部に入ったらしい。

      修学旅行は後楽園だった。 例年東京ディズニーランドだったのだけれど、 地下鉄でテロが起きたり、神戸で連続殺人が起きたりしていた きな臭い時期であったわたしの学年の修学旅行は 直前で急遽後楽園ゆうえんち及び東京ドームでの野球観戦に変更になった。 ディズニーランドを心から楽しみにして、 センパイたちから脈々と情報収集してきた 田舎の中学生にとっては大変な衝撃で、 学年全体が沈み込み、納得できないとブーブー騒いでいる中、 同じクラスのサトウ(仮名)くんだけは満面の笑みを浮かべてい

      • 7月のぴぽ

        なんだか細かくいろんなことが起きている。 よいこともわるいこともとりまぜて いろいろあるので、 2023夏のわたしはちょっと疲れ気味だ。 暑いし。 体の不調が続いて 6月末で願い出た退職はにょろにょろと延びていて、 転職希望先の面接前日の夜から降り出した雨は豪雨になり、 避難指示が出る中で臨んだ面接は不首尾に終わった。 仕事の引き継ぎ先はみつからないし、 やらなきゃいけない業務はぎゅうぎゅうと積み上がり、 帰って一旦パタリと休むと 起き上がれないような日々。 元気な時なら

        • ぼくのなつやすみ(あーばん。)

          暑い。 そもそも福井県という わたしの愛するこの土地は、 冬季は空を8割がた雲におおわれて、 多少雨が降っていても小雪が舞っていても 「今日は晴れてたね」 と笑顔で言い切るような じめっとした気候が持ち味のはずであるのに なんや知らんけどド快晴が続いている。 実家暮らしといえばたしかに実家の敷地内だけれど、 ワタクシ、ガレージを住処としておりまして、 ガレージで体感するこの暑さは、ヤバい。 クーラーはあるけれど、陽射しも直撃するので、 だらだらうたた寝してて目が覚めたら脱水

        マガジン

        • ホタカアリアケ、ハッチョモサ
          15本

        記事

          夕暮れ前のヒマワリは

          逆光にならないように撮ると、 全部後ろ向きになっちゃうんだなぁ。 あ、飛行機。 全部咲く頃にまた来よう。

          夕暮れ前のヒマワリは

          わたしはオトナなので。

          「ねぇ、あそびにいきたい」 と、画面のむこうのひとが言う。 そーねぇ‥‥という生返事に ちょっとムッとしている気配を察知して、 「じゃあさ、来れたら最初に何して遊ぶ?」 と話題を変えると、 「こうえん、いく!」 という即答。 また公園ってゆう! せっかくなら海とか行こうよ。 公園はいつでも行けるじゃん。 夏に外は嫌だ!と 一気に沸くオーディエンスを 今度こそ本当にキッとにらみつけて、 「いいの!」 とさけぶ主人公。 「ね。」 とまっすぐ笑いかけられて、 好きねぇ、公園。

          わたしはオトナなので。

          スペシャルゴールデンハイパー

          得意料理がみっつある。 ほうれん草の胡麻和えと、サザエのお造り、あと餃子。 めったに作らないけれど、 餃子を作るのは特にたのしい。 実はこの連休は だいぶ前からわたしのちいさいおともだちが遊びにくる予定になっていて、 「ねえ!ランドセル、みせにいってあげるね!」 と何度も繰り返しささやかれて、たのしくめぐらせていた計画は 大人の都合というか、世の中の事情で 我々にとって不本意ながら、 どうにも果たされない約束になってしまった。 ぽかり、と空いてしまったいちにちを ふて寝とマ

          スペシャルゴールデンハイパー

          お茶を七碗

          最近、はじめてネスプレッソなるものを体験した。 ぽいっと小さいカプセルを機械にいれて、 ぐっと押すだけでエスプレッソがのめる。 熱くておいしい。 おいしいね! 便利なものだ! いたく感心したので その勢いのまま騒いで、 おばあちゃんかよ。と苦笑いされた。 さて。 とおばあちゃんは思う。 とてもおいしかったのだけれど、 この「おいしい」を伝えるのはむずかしい。 うまい!という味覚の針は 明らかに大きく、するどく振れたけれど、 あっさりとした短い時間で感じた この「おいしい」に

          お茶を七碗

          馬に蹴られず、鼠に曳かれず

          父は、よく死んだふりをするオトナだった。 「あ、ああぁ‥‥」 などといって頭を押さえて倒れて、 本気にしてわんわん泣いていると 息も絶えだえという感じで顔を上げて、 「ショウちゃん、  お父さんおらんくても、馬にも蹴られず鼠に曵かれず、  大きくなってなぁ」 と言ってまた死ぬのだ。 あほらし。 とハナで笑える年齢になって、 そもそもその馬とか鼠とかなんやねん。 と冷たく問いただしたところ、 「親父がよく言ってたんだよ。  ああ、俺はもうダメかもしらん。  おとご(末っ子)は

          馬に蹴られず、鼠に曳かれず

          車が雪にがぼったら。

          こんにちはこんにちは。 かわいいアイシャをコツコツ掘り出している雪国からお送りしています。 I can’t believe what God has done. 雪かきに出たくないと心がぐずるので、 大雪の時に車の運転なんてもちろんしないよ! というみなさんに向けて、 今年の大雪でアップデートしたスタック対策を つらつら書いてみたく思います。 雪だろうがなんだろうが、運転せんにゃならぬのです。 という人のご参考にはなりませんので悪しからず。 スタックとは…車がぬかるみなどに

          車が雪にがぼったら。

          雪への備え

          こういうことは忘れてしまうから、 とりあえず書き留める。 大雪の予報が出たらやること ・灯油の買い置き確認 ・食糧確保 ・スコップ、雪かき棒、スノーダンプを取り出しやすい軒下などへ ・長い棒状のものがご近所のどこら辺に転がってるか目星をつけておく 自動車まわり ・ガソリン満タンに ・雪かき棒、スコップ積む ・ブレーキ制御装置の切り方確認 ・対物センサーのアラートの切り方確認 ・アンテナ、ワイパーしまう(orたてる) ・段ボールと古タオル積む ・いらない荷物を下ろす ・紙、

          雪への備え

          るしあんちゃーい

          スパイスの香りがふんわりただよう 熱々のアップルパイにはたっぷりのバニラアイスが添えられて、 つやめく赤いイチゴジャムを スプーンですくってパクリと口に入れても怒られない。 そんな楽園があることをはじめて知った時、 私は小学生だった。 じゅわっと油のしみたピロシキも、 触るのをためらうほどに熱々のつぼ焼きも、 楽園だけで食べられる特別な食べ物だった。 楽園の名をすうぷ屋という。 片田舎では珍しい‥‥いや、たぶんここらでは唯一のロシア料理店。 本でしか見たことのない『マトリョ

          るしあんちゃーい

          ボクの夏休み

          さて、本来であればワタクシは、 本日胃カメラをのんでエオエオやっていたハズなのでありますが、 数日前からじんましんがひどく出ておりまして、 せっかくくくったハラをほどいて のんびりだらだら過ごしております。 朝からゴーヤの佃煮を作ったり お花を活けてみたり 発疹のぶり返しでダウンするなどしていれば 半日くらいは容易に過ぎていくわけで、 検診後のご褒美にと 予約していたお宿に来てはみたものの、 温泉で体が温まるとまたじんましんが出るかもしれず、 原因が不明なため、名物の

          ボクの夏休み

          蟹は前に歩かないから

          川の上流から、 ひらひら流れてくる何かが目についた。 橋の上でぼんやりまっていたら、 蟹が、 川の流れに煽られて 機械的に、ゆっくり前転しながら足元を過ぎてゆく。 ずっとこうやって流れてきて、 何かに引っかかるまでこのまま流れるのだろう。 水の底を小さく横歩きしている姿をみて、 大変なことだなぁと思ったことはないけれど、 あの体の上にはいつも この圧倒的な流れがあって、 力が抜けてしまえば、もうあらがうこともできないんだな。 ひらひら、くるくる、前へ、前へ 流れにのまれてい

          蟹は前に歩かないから

          のこすこと

          いとこが死んでしまった。 ホスピスで息を引きとったので、 元気になることはないとわかっていたけれど、 あー、本当にこの日が来るんだな。 という置きどころのわからない気持ちがある。 年がけっこう離れているので、子どもの頃の思い出はあまりなくって。 叔父の一家は、入院するような病気の時は 我が家の近くの病院に来るのが慣例になっていたので、 時々顔を合わせていたけれど、そういう時は誰かの具合が悪い時だったわけで。 改めてのんびりお互いの近況報告をする機会もなく、 これといった交流

          のこすこと

          風をみつめる

          大人になるまで ずっと大きな川のそばで暮らしていた。 歩いていくと視界は堤防で区切られ、 堤防を越えた先には海まで突き抜けるような流れがあるのが 私の「普通」だった。 堤防の上はいつも風が強くて、長く留まっていられない。 これも、私の普通。 すこしだけここを離れて、 すこしだけ、違う「普通」を知って、 また同じ川のそばで暮らしている。 渋滞につかまって、橋の上からぼーっと眺める川は、 水の量を変え、流れを変え、植物を運び、生き物を住まわせ、 でも、そんなことはささいなことだ

          風をみつめる