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Photo by
shi_sunao
3月27日 消しゴム落とし。
今日出勤したら、子ども達が一気に集まってきて言った。
「先生、消しゴム落とししよ!」
全員、手にはマイ消しゴムを持っていた。
「消しゴム落とし」の単語を10年以上ぶりに聞き、懐かしい記憶が湧いてきた。「消しゴム落とし」は机の上で戦う小学生の決闘とも言える。
デコピンの要領で消しゴムの側面を弾き、相手の消しゴムにぶつけて場外に落とせば勝利である。そのとき、勢い余って自分も落ちれば引き分け。絶妙なちから加減と、押し引きの知的なかけあいが要求されるデスゲームだ。
「先生、ルールはね、消しゴムを弾いて、他の消しゴムを落としたら勝ちだよ。落ちたら、死にます」
どうやら机の下には電気が流れており、落ちると感電して死ぬそうだ…。
僕がカメラを回し始める。
「「「 レディー、ゴー! 」」」
うりゃうりゃと4人の子ども達が消しゴムを弾き始める。
僕の頃のルールはターン制だったが少し違うようだ…。
いきなりルール説明をした子が自滅した。
「うわー!!」
とカメラの前で感電し、倒れた。残り3人。しばらく緊迫した時間が流れたが、均衡は崩れた。1人が放った一撃は相手の消しゴムもろとも地面に落ちた。
「あべべべべ!」
と感電し、倒れた。
きっかけがあった瞬間に、記憶というのはどこからともなく湧き上がるのだと改めて実感した。楽しかった。
(2021.3.27)
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