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あなたの知らない世界は、お花畑?

前回、まさかの締めくくりに死後の世界に行ったとか言う話になり、アクリルキーホルダーの次の商品は壺か!? 壺を買わせる気なのか!? と裏で言われてるような気がしてならない円狐(まるこ)です。


みなさん、死後の世界、三途の川は渡ったことはありますか? 渡ったことがある方がいたら驚いちゃいますが僕は多分経験したことあるのです。多分と言うのも川も三途の川で亡者の衣服を剥ぎ取る老婆、奪衣婆(だつえば)さんにも会えなかったからです。


今から43年前の冬の午後6時頃。
当時3歳の円狐少年は通っていたスイミングスクールの帰り、母と駅で電車を待っていました。お菓子を買ってもらった僕はテンションがあがり母に注意されながらもウルトラマンの人形とお菓子を両手に抱えて走り回り、案の定つまずき、ちょうどそこに駅員さんが乗客を誘導するための鉄で出来た踏み台があり、その角に眉間をぶつけ… そこからは断片的な記憶。駆け寄る母、抱き抱えられ階段を上がり、救急車の中…


目を開けると今までいた世界とはかけ離れていて、絵に描いたような綺麗な青空と春のようなおぼろぐも、緩く隆起した丘、果てしなく続く風にそよぐ足首までの野草と所々に咲く白や黄色のお花。そこに、目と鼻の先にはいつの間にか縄跳びをしている同い年くらいの赤いワンピースでおかっぱ頭の女の子がいました。

「一緒にあそぼ!」

そう声をかけられ足を踏み出そうとした時、優しく肩に手をかけられ振り返ると数ヶ月前に亡くなった祖父でした。「お母さんが待ってるから帰ろう、おいで」祖父は言い手を差し出し、女の子が気になったものの母のことを急に思い出した僕は祖父の差し出した手を握り、母に会いたい思いが強くなりました。女の子に向き直ると霞のようにフッと消えていなくなり、辺りを見渡すとそれまでは見えていなかったのに蜃気楼のようなゆらめく人影が無数に僕らを囲んでいました。祖父と共に歩み出し…

再び目を覚ますとそこは手術台の上。無影灯が眩しく次の瞬間にはもう病室のベッドの上で横たわっていました。その時の傷は今だに眉間に残り頭蓋骨にひびが入り少し陥没しています。
あと数ミリずれていたら僕はもうこの世にいなかったそうです。
これが3歳の時。生死の境を彷徨っていた時に見た夢か幻か、で、結局死後の世界ではない? どっち? また円狐につままれそうになっている! とお嘆きのあなた。

そうですよね、では、また次回におあいしましょう。

円狐(まるこ)

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