銀座四丁目、歩行者天国の悪夢
前回、銀座のど真ん中、三越前ですごいものを見たって何よ! 気になって眠れなかったじゃないか!? なんてクレームは受け付けておりません。どうも円狐(まるこ)です。
眉間に大怪我をし、お花畑へと転生してしまいどこぞのよくわからない電波を時より受信してしまっていた幼稚園児の頃、季節は秋。
人のごった返す週末昼間の銀座三越一階で母の買い物を待っていた僕と父。父は少し館内に入っており、僕は出入り口から少し外に出て歩行者天国を行き交う人々を見ていました。
その中に異様な雰囲気の男性2人と立ち上がると大人の身長を裕に超えそうなオールドイングリッシュシープドッグのような犬。泥と苔に覆われ、口元には血を滴らせ、いい子いい子なんて頭をなでさせてくれるような犬ではないのが一発でわかる見た目をしていました。
その犬だけでなく両脇にいた2人も冬服で行き交う人々の中、上半身裸に着物か袴か汚れたものを身にまとい、髪はいわゆる落武者スタイル。顔は汗と油と泥で覆われ、右手には血の滴る刀、左手には髪を鷲掴みにした生首を2つ持ち、もう1人は生首は持っていなかったものの同じようなスタイルで周囲に睨みを利かせながら歩いていました。
それが周りの人も驚くことなく普通の人のように通り過ぎ、混乱しながら父に話しても特に驚くこともなく生返事で他の女性を見ていただけでした。
その男性2人と大きな犬に視線を戻すと、歩行者天国の雑踏へと消えていきました。
多分、暗黒舞踏かそう言う系の劇団のひとだとは思うのですが今そんなことしたら大問題になっちゃいますよね。世知辛い世の中ですもんね。
いやいや、あんなもの今見ても怖いから!
その後、銀座行くたびにあの人たちいるのかな? と恐怖と期待で探すのでした。
ただこれ劇団の人と勝手に思ってますが万が一、万が一ですよ、この世の方々じゃなかったらびっくりしますよね。今だったらこんな衝撃的な方々が街中歩いてたらスマホで撮影されSNSにアップされそうですが40年前なのでなかなかネットにはないのでもし見た方が他にもいらっしゃったら教えてください。
今まで書いたことを覆すようですが子供の僕が見ていたので、どでかい犬はそれほど大きくなく電池入れて歩く緑色のおもちゃの犬かもしれませんし、ただハゲ散らかした双子のおじさんが裸に見えるような色の服を着て、生首に見えたものは新手のセカンドバッグだったかもしれない(どんな新手だ!?)刀は、竹刀か何かかもしれない。ちょっと待って、最後にオカルトにもっていこうとして失敗してうやむやにしようとしてる? いつの間にか円狐につままれてる! とお嘆きのあなた。
そうですよね、では、また次回におあいしましょう。
円狐(まるこ)