ゴルァ! 素直にジャンプしてんじゃねえよ
そんなこんなで(出だしからどんなだ!? )映画「サイコ」のオープニングタイトルがかっこいいなとVHSを幾度となく巻き戻しては見ていた幼少期。
後にそのオープニングは紀文、ミノルタ、KOSEなどのロゴを手がけたソール・バスさんがデザインされていたと知りこの世界に少し興味を持ち出したのでした。
とは言え、小学生当時に大流行していたファミコンに夢中(1983年発売)。ただうちはなかなか買ってもらえずお友だちのうちに入り浸り、デザインや美術なんて頭にもなく、中学に上がる頃には、性への興味、そして治安の悪い町特有(?)のカツアゲへの恐怖に震えて過ごし、さらに数年後にはスーパーファミコンが発売され(1990年発売)、またしてもお友だちの家に入り浸り、そこのお兄さんがHR/HM(ハードロック/ヘビーメタル、豆知識「ヘビメタ」とは略さないように!)好きで「何このダサくてかっこいい際どい世界」とハマりつつ、初めて自分のお小遣いで購入した懐かしのシングルCDはブライアン・アダムスさんの映画「ロビン・フッド」のテーマソング。
その次は「スティングさん、ロッド・スチュアートさん、ブライアン・アダムスさんによる映画「三銃士」のテーマソングのシングルCDと永遠の18歳、ブライアン・アダムスさんとスティングさんにハマっていました。
それはさておき(←魔法の言葉、それはさておき)、通りすがりに他校の生徒2,3人(たいてい組になっている)に会ってしまうとひとけのない小道に連行され「ゴルァ、ジャンプしてみろよ(ポケットに入っている小銭の音を鳴らすためにジャンプをさせるカツアゲの常套句)」とつめられ、弱者でビビリな僕は、仰せのままにとジャンプをする。
チャリンとなれば、ポケットの中身を糸くず一本まで差し出し、鳴らなければこれまたお札じゃないのかとポケットの中身を曝け出す。素直に差し出したからかリンチに会うことはなく被害総額は三千円ほどでした。
3回目くらいになると慣れたものでカツアゲ用の小銭はポケットに入れておき、お札は靴の中に入れておき、はい、ピョンピョン、ジャラジャラ、と鳴らし「素直にジャンプしてんじゃねえよ!」と突っ込まれるほどでした。
中にはリンチにあった同級生もいたので街中を歩くのもいかに存在感を消せるか、個性を出さずに街中、いや、アスファルトや電信柱に自分を溶け込ませるかが日夜の課題でした。
ファミコンと洋楽とカツアゲ。
昭和の「部屋とワイシャツとわたし」に絡ませ、ノスタルジーに浸らせ締めくくろうとしてるけれどできていないし、その曲は平成だぞ! 平松 愛理さんに謝れ! また円狐につまれてる! とお嘆きのあなた。
そうですよね、では、また次回におあいしましょう。
円狐(まるこ)