フライフィッシングを一年して思った事
Canada Toronto周辺では、湖に流れ込む川が主にフライフィッシングのできる場所。トラウト系の魚は暑さに弱く、日本のように山が無く、なだらかな丘が続く場所では冷たい水が流れる急流がなく、夏の間、魚は湖の底に逃げる。湖に行ったニジマスは豊富な餌で大きくなり名前が変わる。スティールヘッド。晩夏の朝夕の気温が15度くらいになると湖にいたサーモンが遡上の為に川に上がって来る。そのサーモンの卵を食べにスティールヘッドも上がってくる。去年の今頃にフライフィッシングのセットを買い、家から車で10分、近くのハンバーリバーに釣りに行った。
去年、コロナ禍でできる趣味を探して始めたフライフィッシング。
重りを使わず竿を剣道のすぶりのように振って、リードラインの自重で鞭のように左手(左利きなので)で竿をしならせて、同時に右手で糸を出し、まるで羽虫が水面を飛んで落ちたかのように見せて食わせる釣り方です。
渓流にいるマス系の魚はとても警戒心が強く、川にもそっと近づいて自分が見えないようにしないと川底から出てこない。
魚がいそうな水面に、スパイダーマンのように10m程度糸を出して毛針を投げ縄のように空中に飛ばし、ゆっくり落とす。
すると水面下で見ていたマスが、落ちる瞬間に水面から顔出して毛針を食う。右手で持っているリードラインから伝わる一回きりの微妙なあたりに針を合わす。それがドライという種類の毛針で、釣り人としては一番嬉しい釣り方。マスはそれを本当の羽虫だと思って飛びつくからです。
その瞬間、自分は自然の仕組みに組み込まれた気分になる。
昨日はそれがうまく行き、10−20cm程度のマスが5匹釣れた。
この1年の間、竿と糸を同時に両手を使って出し、羽虫が飛んでいるように見せる練習と自分が落としたいところに落とす練習。
(初心者は専門店のワークショップに参加する人もいる。僕の場合はユーチューブ)
魚がいそうな地形や川をGoogleで探して野を歩き、その場所に住んでいる虫を観察して毛針を変えて、魚が活発になる水温、気候、時間帯、太陽の角度を勉強した。
日本のテレビ番組で紹介されていた本場イギリスの貴族のフライフィッシング。ゴルフや狐狩りと同じように、綺麗に管理された豪邸の裏に流れる小川に執事を連れて、ネクタイにジャケットで釣りして、ランチの時はテーブルを用意して執事が食事を持ってくるスポーツです。その場所代が一日10万円。マスは放流。
贅沢な遊びです。
その点、北米のフライフィッシングは森の中を歩き、自然の中で静かに竿を振り、風の音と鳥の囀り、川のせせらぎの音を聴きながら自然に溶け込むフライフィッシング。北米のフライフィッシングの始まりはニューヨー州キャッツキル。ここから車で5時間くらいなので一度行ってみたい場所。
今回の魚はまだ小さいので全て放流したけど、いつか歩いて山々に入り、フライフィッシングキャンプをしながら焚き火で塩焼きを食べたい。